お題：台にアニバーサリー

　二周年のお祝い。そんな手書きの可愛らしい丸文字が、寝起きで不鮮明な僕の視界に「寝起きなんて知ったこっちゃねぇ！」と飛び込んでくる。何だ何だと枕元の眼鏡を手に取り視界を鮮明にしてみると、文字の下地はこれまた可愛らしいアニバーサリーカードだと気付いた。「台の付く所にあと三枚隠したよ」と綴られた丸文字にこぼれた笑み。いたずら好きな彼女らしい。

「……いや、ベッドに置いてるって事はここはもしかして寝"台"カウントか……？」

　変な所で頭を使わせる彼女に今度は溜め息をこぼし、よっこいしょとベッドから飛び出した。そして心と共に軽い足取りでリビングテーブル・洗面台と幸先良く見つけ、キッチンでしゃがみ込み毛布をかぶっている彼女に「最後の一枚見ーつけた」と声をかける。笑い声と共に毛布が剥がされ「早かったね」と手渡されるアニバーサリーカード。

「簡単過ぎた？」
「うん。てか寝台が一番捻ってたよ」
「えー！　一晩考えたのにー！」

二周年おめでとうございます！