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"歴史" 系 note まとめ

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2021年3月の記事一覧

中国史史料研究会 第一回セミナー「文書としての中国史史料」

 【追記2】  アーカイブを下記にて配信開始しました。  なお、シンポジウムにつきましては、本年発行の『中国史史料研究』に掲載予定です。  【追記1】  おかげさまで本セミナーは無事に終了いたしました。  報告・講演のアーカイブ配信は現在準備中です。  中国史史料研究会は第一回セミナー「文書としての中国史史料」を開催します。  今回はオンライン(zoom)での開催となります。会員・非会員にかかわらず、参加には本記事の有料部分に記載のパスワードが必要となります。  報告及

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ナチスの聖典は絶版にすべきか|藤原辰史さんが選ぶ「絶版本」

 絶版するのがもったいない、今すぐにでも復刊してほしいという本もあれば、絶版でよかった、絶版が当然だと思う本もある。今から80年前に日本で刊行された『血と土』も、そんな本の一つである。  「血と土 Blut und Boden」は、ナチスの根幹思想、略して「ブルーボ」とも呼ばれた。ドイツの農村でこそ、健康な民族の血が育成されることを訴える農本主義的スローガンだ。この「血と土」をもとに、ナチスは農民帝国の復興を謳い、農民票を獲得して政権の座を射止めた。この言葉の組み合わせのど

オーケストラ、給与体系の歴史

 大学を卒業してから、お仕事で「首席奏者」を弾かせていただく機会が徐々に増えてきた。「首席」で弾くと「首席手当」がもらえる。すなわち、他の人よりもギャラが少し高い。確かに管楽器の首席奏者たちはソロが多く、弦楽器の首席奏者はボウイングを決めなければならず、或いは音楽のイニシアティブを取るために曲をより理解しなくてはいけないから、他の奏者よりも準備に時間がかかる。とはいえ、例えば同じ「1番オーボエ」でも、まるで協奏曲のようなソロがある楽曲もあれば、ひとつもソロがない楽曲もある。そ

図書館史概説②~世界の図書館史~

はじめに はい、ということで連載記事2本目はやっと本題の「図書館史」です。そして今回取り扱うのは「世界の図書館史」ということで、日本以外の地域における「図書館(及び一部書物)」について概説していきます。とは言え、当時参考にしていた分権の性質上、どうしてもヨーロッパに偏り、イスラム文化圏、中国・アジア文化圏については物足りないかと思われます。  今回もお楽しみ頂けると幸いです。(ちょっと長いのは勘弁して下さい) 1 最古の「図書館」たち  アッシリアの首都ニネベに出現した図書

今日も音楽は数百年の旅をする。聴き専だけどクラシック音楽を紹介させてくれ

イラストでも漫画でも小説でも何かを作った後は「二番煎じかな」と不安に思うことがありますが、そんなもの関係ねえ!と自信満々に言えるジャンルがあります。 クラシック音楽です。 こんにちは、Okakiです。 私はピアノが弾けません。ピアノどころか楽器全般からきし出来ない人間です。そんな私ですが、クラシック音楽が好きで、よく作業用BGMとして聴いています。 この記事は音楽の才能は無いけれど、ごく普通の一般人として「クラシック音楽ってここが良いよね面白いよね」とお伝えしてたくて書き

人はどうやって縄文ファンになっていくか

人はどうやって縄文ファンになっていくのだろうか。いまだに謎のヴェールに包まれたそのプロセスを、縄文ファンであり、縄文界隈ウォッチャーである筆者が解析してみることにした。異論反論ももちろんあると思いますが、この図と解説はそれらを反映し更新していきたいと考えています。ぜひご意見などください。 今まで色々なメディアの取材を受けることも多かったのですが、縄文ファンという得体の知れない存在に対しての読み間違いや、女性ファンについての予測値(期待値)がズレまくっていることが多かった(縄文

朝鮮銀行(4)密造ラッシュ

1894年(明治27年)8月、朝鮮の体制改革をめぐり、日本と清国との戦争が勃発した。 日清戦争である。 開戦直前、日本軍は京城の王宮を占領し、閔妃一族を追放すると、大院君を中心とする政権を樹立させた。 新政権は、8月21日に「新式貨幣発行章程」を発布。 五両銀貨を本位とする銀本位制で、通貨の単位は1両=10銭=100分(ぶ)とし、我が国の貨幣と比べると、葉銭1枚は2厘(りん)に、二銭五分白銅貨は5銭に、一両銀貨は二十銭銀貨に、五両銀貨は一円銀に相当していた。 また、

明智光秀の肖像は、本人ではないかもしれないという話

(※この記事は、「信長と本能寺の変 謎99」(イースト新書Q)に寄稿した記事をもとにしています) 明智光秀といわれれば、ほとんどの人がトップ画像の肖像を思い出すだろう。 色白で髭はなく、目は切れ長。上品な文化人武将といった趣だ。きっと光秀は繊細な人物で、信長の暴虐に耐えきれなくなって謀反を起こしたのだろう…と想像力を働かせたくなる。 ところが、この肖像が本当に光秀のものなのかは疑わしいらしい。 あの肖像画には「名前が入っていない」みんなが「明智光秀像」として親しんでき

古代遺跡に大はしゃぎ

アユタヤ駅に降り立つと、すぐに客引きのおっさんたちが群がってきてトゥクトゥク(トラック型のタクシー的なやつ)チャーターの勧誘に迫られた。 日本語表記での料金表を提示される。3時間で600バーツ(2160円)くらいだったと思う。 2000円程度で3時間も貸し切れるのだから、日本人の感覚だと十分安い。 だが旅行も後半戦になりお財布の中身が厳しくなっていた私は、節約のために自転車で遺跡巡りをするつもりでいた。 そのことを伝えるとおっさんどもは「わかってないね、兄弟」と、アユタ

社会人のための世界史~~「学びなおし」におススメの本

世界史講師のいとうびんです。 さて、今回はちょっと毛色が異なったテーマで。 と言いますのも、つい先日に「世界史を学び直すのにオススメの教材はありますか?」とのコメントをnoteでいただきました。 この手の質問まあまあ良く受けます。そしていただくととっっっっても嬉しい質問のひとつです。ありがとうございまぁす!! では早速紹介していきましょう! まずは…… はっはっは!  そうはいかねェ! ……ハイ。。 いや、意地悪とかではないんですよ、これが。 実は「世界史を

ネットには知りたいことの1割も載ってない/歴史学における史料批判

佐藤大朗(ひろお)です。会社を休んで、三国志の勉強をしてます。 大学院の研究者と接点を持つようになり、思ったことがあります。 ネットには、知りたいことの1割も載ってない!! だれが言ったか知らないけれど、だれもがみんな言っていますし、わざわざ自分で言わないまでも、何となくそう思っていますが…、 「ネットには大半のことが載っている」、「知りたいことはネットで知ることができるようになった」、「大学のレポートを、Google検索とウィキペディアだけで完成させることができる」とか

コロンブス以前にアメリカ大陸に到達したかもしれない人々

西洋中心史観が見直され始めている現在においては、このようなタイトルは意味をなしません。アメリカ大陸には約1万4,000年前からシベリア経由で人類が進出し、独自の文明を築いてきました。 それでもコロンブス以前に誰かがアメリカ大陸を見つけていたかもしれない、というお題は人々の関心を集めます。 アメリカ先住民とユーラシアの東西文明との接触がもっと早くに実現することで、例えばアメリカ先住民文明が巨大なものになっていたかもしれない。どこかの民族がヨーロッパよりも先にアメリカの富を獲

オリジナル教材論

世界史講師のいとうびんです。 今回は教材、なかでもオリジナル教材について書いていきます。とくに授業案に苦労している初年度や教員志望者のみなさんに、読んでいただきたいです。 1.オリジナル教材の光と影 まずはオリジナル教材の有用性から。 といってもベテラン講師の皆様にとっては言うまでもないですよね。そう、有用性なんざこれでもかとありまくりです!!! なんといっても教材を完全オリジナルで作ると、教えやすさはピカイチです。この利点のためだけでも作る価値はあるといえます。

ウエストミンスター寺院に埋葬されているイギリスのスーパースターたち

皆様こんにちは。 本田拓郎(Takuro Honda)と申します。 この記事へお越しくださいまして、ありがとうございます。  このnoteでは、今現在観光業に就いている私が、私の目線で、「観光・旅行・歴史・文化・教育」について、知識や新たな発見の提供、その他自論を展開し、古代ギリシャでいう「アゴラ」のような場所を目指します。私が勉強していることを皆様とも一緒に学ぶというスタイルで、記事を創っていきます。  私が高校生の時、修学旅行でロンドンを訪れたのですが、その時見たウェ