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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2022年4月の記事一覧

亡命ロシア料理

 2022年の春は、ロシアによるウクライナ侵攻という最悪な世界情勢の中で始まった。情報化時代の戦争は虚実定かならぬ情報が飛び交い、ただ目と耳を晒しているだけでは頭の中が混乱してただ立ちすくむしかない。居ても立ってもいられなくなったので、自分は色々な伝で人道支援に募金してきた。  この戦争によって、ウクライナという国名こそ知られていたものの文化について深く知られていなかった国への興味が深まっているという。かつてソビエト連邦という国家の一部だったため、独立したウクライナという国

海外旅行記・中欧① ~チェコ1日目~

2019年3月24日から3月31日まで中欧に旅行へ行きました。大学時代の友人と2人で行きました。 チェコ ⇒ オーストリア ⇒ ハンガリー の3か国周遊ツアーを旅行会社で予約。ツアーには、ホテル、各国の移動きっぷ、往復の飛行機が付いてきました。 その3か国に行こうと思った理由は ・旅行会社の中欧3か国周遊ツアーが割安だったこと。 ・チェコの古い建物が見たい。 ・ハンガリーの刺繍などの布小物が見たい。 ・海外で「周遊」をしてみたい(具体的には電車に乗って国境を越えたりしたい)

昼間っからうまいワインにうまいビンダルー

神戸の中心、三宮から神戸にかけてJRの高架下には個性的な店がひしめく。 シャッターを下ろしたままの店もずいぶん増えてしまったが、それでも三宮近辺は明るい雰囲気のファッションストリート。 しかし神戸に近づくほどに通路が暗くなり、店のディープさも増す。 最後にはもうどこでいつ仕入れたのか分からないような古いビデオデッキや動かないPCなどを積んでいる店が並び、子供の頃は歩くのが怖かった。 *** 高架下を三宮側からおよそ5分、まだ明るいゾーンに〈COMET〉(コメット)という

渋谷に隠れた小さなアフリカ世界 | コンゴ民主共和国料理

アフリカ料理を探すのは世界イチの都市、東京でも探すのに苦労する。特に特定の国をテーマにした専門店は非常に少なく、アフリカ全般を扱う料理店を目指すしかなくなる。奥渋(渋谷の奥の方)に眠るアフリカ料理屋を見つけたのでランチにお邪魔することにした。 仕事の憂鬱な気分を引きずっていたが、ただの1時間程度のランチタイムが一挙にパステルカラーに彩られるのを感じた良い時間となった。 渋谷の小さなアフリカ世界Los Barbados 渋谷の宇田川沿いを少し登ったあたりに人気店が多く入る

鈴木晶子『辺境の国アメリカを旅する』から浮かぶ多様性と多面性

3年前にニューヨークのEast Side InstituteでのホルツマンらのWSに出たときにお世話になった(一緒にWSに参加した)鈴木晶子さんの著書が出た。 鈴木晶子『辺境の国アメリカを旅する 絶望と希望の大地へ』明石書店、2022 鈴木さんは、日本で臨床心理士/ソーシャルワーカーとして、ひきこもりの若者支援や貧困問題にかかわってきた方。 家族の仕事の関係でアメリカに住むことになった際に、夫&幼い娘とアメリカの大陸全48州をまわった旅行記。 エンタメ性あふれる旅先エピ

Canvaのグローバルな環境で実現した新しい働き方

2021年の年末から3ヶ月ほどブラジルに住んでいたCanva中の人のめぐみです。 なぜブラジルに?と多くの方から質問を受けました。この3ヶ月では、Canvaユーザー数が世界で第2位のブラジルの視察と、ライフワークの一貫としてリオデジャネイロでカーニバルに向けた「サンバ留学」をしていました。留学の成果は記事の最後にご紹介します。 世界中にマーケットを展開するCanvaだからこそ実現できました。 Canvaのここがすごい!ブラジルから働くにあたって壁となったのは、「12時間も

時代を動かし、時代に翻弄される編集者たち……【第4回】世界の編集者の読書論(3)――アメリカ、イギリス|駒井稔

イギリスのパーティでの思い出 出版における最大のマーケットは英語圏ですが、その英語圏であるイギリスとアメリカの「出版社回り」は、翻訳に携わる編集者であれば必ずすべき仕事であることはすでに書きました。ブックフェアに参加するだけでなく、出版社や版権エージェントのオフィスを訪問して、これから刊行される本の説明を聞くのです。 印象に残っているのが、出版社で開かれるパーティです。日本の出版界のパーティはホテルなどで開催されることが多いのですが、欧米では、自社の広い部屋を開放して、ケ

「ロシア・ウクライナ戦争」関連ツイートまとめ(2022年3月25~28日)

3月25日は、黒海上空を飛んで日本へと帰国した。それはまさに私が「戦争」に最接近した瞬間だった。

【国内初】ウクライナの文学情報特集🇺🇦

こんばんはtagaです。本日はウクライナの文学インフルエンサー、書店、有識者のお力をお借りし、現代文学のウクライナの文学事情に綴らせていただきます。 (※本記事では、次世代の文学ビジネスマンや、文学愛好家へ、速やかに現代のウクライナ文学の果実を引き継ぐことをミッションに掲げています) 目次 ウクライナの現代秀作文学2選 ウクライナの古典文学4選 ウクライナ最大の本のプラットフォーム ウクライナ文学研究にあたり、便利なサイト ウクライナのオススメブックカフェ s

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あえて言おう。トルコ語は役に立つ

改めて自分の机回りを見まわしますと、トルコから持ち帰った本はもちろんのこと、アゼルバイジャンで買いあさった本、語学書、言語学の本、地域関連の和書と、かなりの点数があることに気づきます。 我ながらよい空間にしたものだと思うのです。老後もきっと飽きることはない。少なくとも、「読む本がない(からつまんない)」という悩みとは無縁でいられそうです。今後もそれなりに健康が維持できれば、ですけど。 それを思うにつけ、「トルコ語なんてやって役にたつの?」となかば嘲り気味に聞いてきた、学部

キリル文字筆記体を制せよ:筆記体で読み書きできるとテュル活も捗る【新学期特集】

イセンメセズ!(タタール語で"こんにちは") ところで現代タタール語は、全39字からなるキリル文字を導入しています。上述のあいさつは《Исәнмесез》と綴られます。 ちょっと前のめりになってしまいました。タタ村(@tatamullina)です。 今回はキリル文字の話ーーとくに、キリル文字で綴る言語を学び始めた人がつまずきやすい「キリル文字筆記体」を取り上げたいと思います。 今回は、とくに最初のうちは悩みの尽きない文字の繋げかたや、見分けがつきにくい文字を書くうえでのコ

「うしろめたさ」を感じるのは、世の中のアンフェアネスに自覚的であること(松村圭一郎『うしろめたさの人類学』 を読んで)

唐突な話、最近、「うしろめたい」という感情を抱かなくなっている。 「うしろめたい」なんて、別に大した感情ではないのでは? だが、松村圭一郎『うしろめたさの人類学』を読むと、実は人間にとって「うしろめたさ」とは替えのきかない感情だということが分かる。 つまりは、「もしかしたら僕は、他者に対する共感が低くなっているのかもしれない」という話に帰結するような。 ── 「うしろめたさ」とは、不公平や不均衡に自覚的であること不公平や不均衡は、可能な限り是正した方が良い。 生ま

絵本作家きたむらさとしさんが語る、デビッド・マッキーさん

 イギリスの絵本作家、デビッド・マッキーさんが、2022年4月6日に亡くなられました。87歳でした。  代表作「ぞうのエルマー」シリーズは、60以上の言語に翻訳され、世界中の子どもたちに愛されています。  マッキーさんを偲び、絵本作家であり、「ぞうのエルマー」シリーズの日本語版の翻訳も担当された、きたむらさとしさんに寄稿いただきました。 マッキーさんのお人柄と、国も世代もこえたお二人の友情が伝わってきます。 デビッド・マッキー、親しい友のこと   デビッド・マッキーは一度

[タイ土産]石けんの老舗|マダムヘン

こんにちは、まいばる(@maibarubangkok)です。 皆さんは”タイ土産”と聞いたら何を思い浮かべるだろうか。 観光大国であるタイにはさまざまなお土産ものがある。トゥクトゥクの模型、木彫りのブッタなどテレビの上が定位置お土産から…と書いてて今思ったが、この令和の時代、スマートテレビの上にそんなスペースは無い。 皆さんは知らないと思うが、その昔日本には昭和という時代があり、その頃のテレビは箱型だったためたくさんの木彫りの熊を置けたのだ。こんなことを書くと年齢がバレそ