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2023年上半期ベスト映画 10

10位 フレーミングホット!チートス物語

あまり観ない伝記モノだが知られたお菓子という題材に釣られて観たらとても面白かった。自分はこのぐらいのモン、と社会や時代に思わされてしまう境遇においても、ユーモアとアイデアの輝きはきっとずっとそこにあることを実直に描いていた。こういうニッチなヒストリードラマ、もっと観たい。



9位 フェイブルマンズ

スピルバーグの巨匠への道筋をなぞる映画だと思いきやその手前の手前で、撮る撮らないに終始する静かでヒリつく映画だった。本当を嘘に、嘘を本当に、その狭間で逡巡する私"映画"。「宇宙戦争」で父をあのように描き、「AI」で母をあのように描いたという事実への切ない答え合わせだった。


8位 シン・仮面ライダー

人間じゃなくなった者たちを通し、根っこにある人間同士の対話に徹する、シンエヴァ以降の視点が定まった1作。仮面という“本性を隠すもの”を用いて“自分であること”を描き出す今の庵野秀明、支持。


7位 波紋

現実逃避された側に何が巻き起こるのか、ほっこりしてる場合じゃない現実とどう向き合うか。静かに毒を溜め込みながら、内省を突き抜け身体へと向かうラスト。水が注がれた時、生まれ直せるのか。


6位 ちひろさん

弱さや迷いが投影されると、相手が欲しい言葉を返すことができてしまう。そのために、ちひろさんは空洞であり続ける。それを望んでいるのか、無意識にそうなってしまうのか。ほっこりした空気を纏いながら、1人の人間の生き様の深淵にも触れるような今泉力哉の描写力の鋭さが際立った1作。


5位 怪物

言葉が身体を超えていった時の取り返しのつかなさ、こちら側が勝手に”物語“を決めつけてく傲慢さ、そういう恐ろしさに映画全てで向き合っていくような作品だった。しょうもないものを書き換えていく祈り。


4位 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

ハジケリストたちによるハジケバトルを大真面目に描いた果てに、不思議と心が洗われるマルチバースカンフーアクション。混沌の中から掴み取った答えが、疲れ果てたこの今を少しばかり抱きしめてくれるはず。


3位 イニシェリン島と精霊

おじさんとおじいさんの終わらないケンカを見つめながら、戦争の気配や老いへの恐れ、閉鎖的な村社会や周囲からの見え方など次々に辛さが立ち込めてくる。人は時に、破壊されるものに魅了されてしまう。



2位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:
VOLUME.3

マーベル映画、史上最高傑作だろう。強烈な高揚感と共に贈られる惜しげもないエモーショナルの横溢だった。過去と向き合い、欠落を抱きしめ合いながら、お前じゃないと意味がねえんだと叫び合う、魂の連帯があった。


1位 ザ・ホエール

正直であればあるほど行き詰まる人生の中、どうにもならなさを抱えたまま、それでもあと数歩だけ、正直な気持ちに寄れはしないかという映画。泥臭く、おぞましく、しかし美しい人間のすばらしさを塗りつけた。



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