マガジンのカバー画像

考察パーマン

82
「パーマンは世界一のラブストーリーである」を、じっくり検証していくマガジンです。
運営しているクリエイター

記事一覧

パーマンになってできること『お花見騒動』/Fキャラお花見騒動③

お花見大好き藤子Fキャラにスポットを当てた作品を取り上げる「Fキャラお花見騒動」シリーズ第三弾。今回は「パーマン」から一本ご紹介。

「パーマン」×「お花見」と言えば、『ギャド連花見』が真っ先に思い浮かぶところだが、この作品は一応一度取り上げているので、そちらをご参照してください。

今回は「てんとう虫コミックス」には収録されていない少しマイナーな作品を掘り出してみたい。

なお、ここまで「ドラえ

もっとみる
今より脱獄がメジャーだった時代「パーマン」『脱獄囚とおばあさん』/VS.脱獄囚①

今より脱獄がメジャーだった時代「パーマン」『脱獄囚とおばあさん』/VS.脱獄囚①

この10年、膨大な数のアメコミ映画が作られてきたけれど、その意味するところは、膨大なアメコミの数だけヒーローが存在するということだ。

「どれだけヒーローがいるんだ?」と思うわけだが、同時にヒーローの数だけ事件があって、ヴィラン(敵)もいることになる。

アメコミの数だけ悪事を働く輩がいて、その分ヒーローが必要だということである。「ヒーローいる所に悪事あり」なのである。

藤子ワールドでも、ヒーロ

もっとみる
悪者パーマンはパー子のスカートを破る『パーマンが悪者になった!!』/魔土災炎博士の珍発明⑤

悪者パーマンはパー子のスカートを破る『パーマンが悪者になった!!』/魔土災炎博士の珍発明⑤

パーマンが世の中に登場したことで、生活が一変した人たちがいる。それは、窃盗・強盗・かっぱらいなどで生業を立てる、世の悪者たちである。

「パーマン」世界では、悪者たちは全悪連(全日本悪者連盟)という互助組織に所属しているのだが、職が奪われ仲間たちが次々と捕まっていく中で、パーマンを強烈に憎んでいるのである。

全悪連の理事長であるドン石川は、そうした組合員の気持ちを汲んで、何かとパーマン打倒の策を

もっとみる
魔土博士のリベンジ達成か?『パーマン生きうめ作戦』/魔土災炎博士の珍発明④

魔土博士のリベンジ達成か?『パーマン生きうめ作戦』/魔土災炎博士の珍発明④

何を隠そう(というか全く隠してはいないが)、僕の一番のお気に入りの藤子F作品は「パーマン」である。

好きな理由はいくつもあるのだが、その一つに日常とSFの微妙な匙加減にある。

藤子作品は日常をベースとしながらも、そこにSF(すこし・ふしぎ)要素を加えることで、日常の喜怒哀楽が強調されるということをやっている。言い換えれば、単なる日常ものではないが、SF設定があるからといって、日常で感じる喜怒哀

もっとみる
「全悪連」25周年記念作品『巨大ロボットの襲撃』/魔土災炎博士の珍発明③

「全悪連」25周年記念作品『巨大ロボットの襲撃』/魔土災炎博士の珍発明③

「パーマン」世界のマッド・サイエンティスト、魔土災炎博士。ハーバード大学とソルボンヌ大学に入学しているほどの頭脳を持ち(それぞれ中退と早退をしているが)、自立型のロボットPマンを助手にしてしまうほどの科学力を持つ男である。

しかし、その類稀なる能力を明るい世界で使おうとはせず、古い屋敷の汚い研究室で夜な夜な何かを研究している、闇の世界の科学者なのである。

そんな影の実力の噂をどこからか聞きつけ

もっとみる
旧→新 7大設定変更とは?『パーマンはいそがしい』/「新パーマン」の幕開け①

旧→新 7大設定変更とは?『パーマンはいそがしい』/「新パーマン」の幕開け①

藤子作品で最も好きな作品を挙げるとしたら、僕は「パーマン」と即答する。大げさではなく、最も影響を受けたマンガと言い換えてもいい。子供の頃から、大人になってからも、何度も何度もマンガを読み、アニメを見てきた。

パーマンの魅力は一口では語り切れないが、一つには「スパイダーマン」でも主題とされている点が挙げられる。すなわち、大いなる力には大いなる責任が伴うというアレである。

他にも仲間との友情、強力

もっとみる
魔土博士の輝かしい経歴が明らかに!『動物巨大化スモーク』/魔土災炎博士の珍発明②

魔土博士の輝かしい経歴が明らかに!『動物巨大化スモーク』/魔土災炎博士の珍発明②

パーマンが登場して以来、町の犯罪者たちは途端に仕事がしずらくなり、生活に窮し始めている。そんな悪者たちの集まりである全日本悪者連盟(全悪連)は、パーマンを強く敵視し、何とかして撃退したいと考える。

そんな折、全悪連の理事長ドン石川は、狂気の科学者・魔土災炎博士の噂を聞きつけて、博士に科学兵器を開発してもらい、パーマンをやっつけてもらいたいと願い出る。

魔土災炎博士は、パーマンなら相手に不足なし

もっとみる
マッドサイエンティスト、「パーマン」に初登場『ブル・ミサイル』/魔土災炎博士の珍発明①

マッドサイエンティスト、「パーマン」に初登場『ブル・ミサイル』/魔土災炎博士の珍発明①

藤子F世界の狂気の科学者、魔土災炎博士をご存じだろうか。

80年代の「新パーマン」において、全悪連(全日本悪者連盟)からパーマン退治の依頼を受けて、次々と天才的な発明を生み出すことになる科学者である。

魔土災炎という名前は、マッド・サイエンティストから命名されたものだが、漢字の使い方も狂気じみててお見事なネーミングではないかと思う。

見た目は髪が長くて目つきが悪く、鼻が高い(というか長い)。

もっとみる
松茸泥棒VS.パーマン『マツタケ山に全員集合』/マツタケへの異常な愛情①

松茸泥棒VS.パーマン『マツタケ山に全員集合』/マツタケへの異常な愛情①

松茸<マツタケ>

特有な芳香を持つキノコで、赤松<アカマツ>の根本などに生えるが、とても見つけにくく希少性が高い。高額で取引されており、国産では最低一本売りで3000円くらいの値がつく。

庶民が気軽に食べることのできない高級食材であるが、その一方で、松茸は香りが強すぎてそれほど美味しいものではない、などと言われたりもする。

ただ、それも松茸に手が届かない一般市民の負け惜しみのようにも聞こえ、

もっとみる
三重晴三、芸能界入り!?『きみをスターに』/キミをスターに①

三重晴三、芸能界入り!?『きみをスターに』/キミをスターに①

芸能界という響き。憧れる人もいるとは思うけれど、僕などはそれほど興味が沸かない。苛烈な競争社会でありつつ、コネ社会でもある。実力も必要だし、運も絶対に必要。夢のある世界なんだろうけれど、単純に生き残るのが大変そうに思えてしまうのだ。

そんな芸能界も、最近は間口が広まっているように思える。というか、芸能人と一般人の垣根が取り払われてきているようなのだ。

YouTuberだったり、地下アイドルだっ

もっとみる
「ブービーちゃん、優しいのね」『白ネコが犯人』/ブービーだって大変よ③

「ブービーちゃん、優しいのね」『白ネコが犯人』/ブービーだって大変よ③

パーマン仲間のコンビネーションが好きである。
1号=平凡な男の子
2号=サル
3号=謎の女の子
4号=関西人
5号=赤ちゃん

この中でやはりパーマン2号のサル、ブービーの存在感は際立っている。何せ動物なわけだから。動物と人間が混じったヒーローものというのは、古今東西見渡しても珍しいような気がする。

最近新作映画も公開となったマーベルの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が最も近い感じだろうか

もっとみる
『2号の正体がばれた』ので、別の動物に変換!?/ブービーだって大変よ②

『2号の正体がばれた』ので、別の動物に変換!?/ブービーだって大変よ②

「旧パーマン」から約15年の時を経て復活した「新パーマン」。この間、時代も作者の考えも変化をしていることを踏まえて、いくつかの大きな設定変更が加えられた。

この話題については一度記事にしているので、気になる方はこちらのご一読をオススメします。

パーマン2号こと、ブービーに関しては、住んでいる場所が動物園から一般家庭になるという重要な変更が発生している。

変更理由は明らかではないが、年がら年中

もっとみる
サルもおだてりゃ・・『ムキキの社長』/ブービーだって大変よ①

サルもおだてりゃ・・『ムキキの社長』/ブービーだって大変よ①

久しぶりのパーマン特集。今回はパーマン2号ことブービーが大活躍(?)するエピソードを立て続けに紹介していく!

いかにも間に合わせといった感じでパーマンに抜擢されたみつ夫。スーパーマンはあと一人も急ぎ見つけなきゃと2号を探したようだが、なんと選ばれたのは動物園のサル。

一体どんなつもりなんだスーパーマン!とかって思うけれど、僕は敢えて言いたい。一体どういうつもりだったのだ、藤子F先生!と。

もっとみる
コマーシャルに出てこその人気者?『パーマンCM出演』/CM効果あり?③

コマーシャルに出てこその人気者?『パーマンCM出演』/CM効果あり?③

広告・コマーシャルをテーマとした藤子F作品を紹介するシリーズ「CM効果あり?」も3本目。これまでには、従来の広告手法(テレビ・ラジオ・新聞)とは異なるインターネット広告の時代を先取りにした作品(『かがみでコマーシャル』)や、コマーシャルの重要性と共に売り出したいコンテンツの中身も大事だとする(『コマーさる』)を見てきた。

現在、何かをPRしようとしたり、営業活動をしている仕事人には是非ともご一読

もっとみる