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考察:藤子・F・不二雄 SF短編集

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藤子先生の裏芸でもあるSF短編集を鋭く解説していきます。
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記事一覧

悪魔に悪魔と叫ばれた男。『メフィスト惨歌』/ちょっぴりホラーな物語⑧

「ちょっぴりホラーな物語」と題して、ホラーテイストで描かれた藤子F作品を調べているが、今…

藤子Fノート
1か月前
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読後の身震いが止まらない!『アチタがみえる』/ちょっぴりホラーな物語②

つのだじろう先生の「恐怖新聞」という漫画がある。僕は持っていなかったのだけど、友人のお兄…

藤子Fノート
2か月前
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【ラインナップ確定!】藤子・F・不二雄SF短編集ドラマ・シーズン2

昨年(2023年)春に藤子F先生のSF短編集が全10作品ドラマ化され大好評を博しましたが、本年…

藤子Fノート
2か月前
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親子が相互理解するためには『親子とりかえばや』/藤子F「とりかへばや」物語 ⑤

12月は藤子・F・不二雄先生の誕生月だが、僕の息子の誕生月でもある。何とも羨ましい限りであ…

藤子Fノート
4か月前
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通勤時間は3億年とちょっと『マイホーム』/夢のマイホーム⑤

「夢のマイホーム」と題して、憧れの我が家を求める藤子キャラたちを紹介してきた。 ところが…

藤子Fノート
7か月前
14

30年間働き続けた夢の結末『3万3千平米』/夢のマイホーム②

田舎では一軒家が当たり前だったが、都会に出るとそうはいかない。そもそも土地が少ないのに、…

藤子Fノート
7か月前
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6000字超!リーダーシップと独裁の狭間で『宇宙船製造法』/独裁について考える②

今回は仕事におけるリーダーシップと独裁について考察を巡らしてみたい。 ひとえにリーダーシップといっても、様々な形がある。リーダーシップは組織の構成員を引っ張っていくための重要な役割だが、組織の向かう先によってそのやり方は変わってくる。 組織体の目的によって、リーダシップの質が異なるというわけである。 具体的には、組織が現状維持を求めている場合、無理な新規投資を控えて、なるべく手持ちにあるものを活用してコツコツ数字を積み上げたり、現状を損なわせる要因を取り除くことに腐心す

27年前のオレを止められるか?『あのバカは荒野をめざす』/タイムマシンで大騒ぎ⑮

若気の至り。 正直、慎重派だった僕は、若気の至りと呼べるような経験をしたことがない。予測…

藤子Fノート
10か月前
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自分のことを知っているからこそ、信用できないのだ『昨日のオレは今日の敵』/藤子F…

子供の頃から多元宇宙論(マルチバース)が好きだった。科学雑誌Newton(ニュートン)の時間特…

藤子Fノート
11か月前
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マルチバースの自分たち、全員集合!!『パラレル同窓会』/藤子Fマルチバース短編集…

本年度アカデミー賞において、作品賞を始め主要7部門を獲得した作品「エブリシング・エブリウ…

藤子Fノート
11か月前
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必要なのは、もう一人の自分ではなかったのだ『ふたりぼっち』/藤子Fマルチバース短…

もし仮にパラレルワールドが実在したとして、もう一人の自分と出会ったとする。どの時点で分岐…

藤子Fノート
11か月前
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常識のストッパーが外れた自分。『ぼくの悪行』/藤子Fマルチバース短編集②

別の世界。別の自分。別の人生。 僕たちはたった一つの人生を歩み続けているが、もしかしたら…

藤子Fノート
11か月前
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もしも別の彼女と結婚していたら?王道マルチバース『分岐点』/藤子Fマルチバース短…

世の中いつの間にか「マルチバース」なる用語が一般化し、本年度のアメリカアカデミー賞でもマ…

藤子Fノート
11か月前
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商品力・作品力に勝るものは無し?『コマーさる』/CM効果あり?②

映画の宣伝というと、一昔前(30年前?)は嘘ついてなんぼみたいな世界だったという。嘘は言い過ぎだとしても、「全米No.1」等の良くわからん箔付けだったり、「全米が泣いた」的な誇張とか、「5分に1回泣けます」のような煽りは、宣伝には付き物であった。 ところが、SNS時代において、ウソ宣伝はほとんど効果が効かなくなっていると言われている。宣伝で「泣ける」と煽っても、実際のお客様が「泣けない」「宣伝は誇張」というような声をSNSに上げてしまうと、そっちの意見にお客様は引っ張られる