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2023年の音楽 個人的ベスト20
神戸の音楽酒場Otohatobaで毎年開催されている、いろいろな人がその年好きだった音楽を流すイベントに、2023年も呼んでいただきました。
年々コンサバ中年化していく私にとって、このイベントに呼び続けてもらっていることが、めんどくさがらずに新譜を聴いてみる大きな動機になっています。ありがたいことです。
年末にそちらで再生してきた20枚を、noteにも残しておこうと思います。
noteやTwit
バイバイ、ショーター。
18歳の夏、まだリリースのなかったウェイン・ショーターの新バンドがどうしても見たくて、0泊・在来線乗り継ぎで斑尾に行った。
知っているどのジャズとも違う、体験したことのない即興・相互作用での音楽の構築のされ方に、何が起こっているのかわけがわからなくて衝撃を受け、後にセットリストを見て知っている曲をやっていたと知ってまた驚いた。
翌年の「東京JAZZ」(初回)にも来日すると知り、すぐチケットを取った
2022年の音楽 個人的ベスト20
「新譜チェックばかりするような聴き方は豊かじゃない」とか、「分母何枚だよ」「どこの馬の骨かわからない奴のセレクトに何のニーズがあるのか」とか、順位をつける不遜さとか、わかりますし、ごもっともだと思います。
でもね、編む行為の面白さや、それによって自分が気づくことや、思いがけず誰かに良い出会いを提供できたときの嬉しさだって、まあ捨てたもんじゃないと思うんですよね。
そんな言い訳を用意して~、先日O
2021年の音楽 個人的ベスト20
ここ何年か、Otohatobaのいろいろな人が年間ベストを流すイベントに呼んでもらっていて、「好きだった新譜を選び、便宜上ランキングをつける」という行為を(無責任に)楽しませてもらっています。
先日そのイベントでご紹介してきた20曲を、ゆるっとnoteにも載せておきます。ご笑覧ください。(プレイリストは末尾にあります。)
基本はアルバム単位のつもりで選んでいますが、シングルも混ざっていたり、「こ
京極杞陽はビールをのむ
「大衆にちがひなきわれビールのむ」(京極杞陽)という俳句がある。
私は大衆に違いないと認めるのは、しんどい。けれどそれは楽になることでもある。
四十手前になってもなお何者にもなれておらず、しかし自分が何者かであるような錯覚を捨て去ることもできていない私にとって、とても響く句だ。
とても響く、と書いたけれど、それはあくまでこちらの勝手であって、句自体は強烈な情緒を醸しているわけではない。
自嘲的
あけましておめでとうございます。
フランスの作曲家ダリウス・ミヨーに、『屋根の上の牛(Le Bœuf sur le Toit)』という曲があります。
ジャン・コクトー脚本によるシュルレアリスム・バレエの楽曲ですが、当初はチャップリンの映画のために書かれたものでした。
屋根の上の牛といえば、ペルーでみられる、ひょうきんなシーサーのようなこちら。
「プカラの牛」と呼ばれ、家内安全、幸運や繁栄のお守りなんだそうです。
大変な世界です
If We Make It Through December
こんな年のクリスマスにふさわしいというか何というか……。
フィービー・ブリッジャーズによる「If We Make It Through December」のカヴァーがすこぶる良くてすこぶる悲しかったので、みなさんも聴いて悲しくなったらいいと思います。
まず、マール・ハガードの原曲がこちら。
寅さん的というか落語的というか、「なんとか年が越せたら、あったかいとこでも行こう、温泉とかさ、まあどう
サマージャム'20(withコロナ)
いつまで傷ついてんだ、この中でなんとかやってくしかしょうがないだろ、と言われても、それはそうなんだけど、わかってんだけど、“withコロナ社会”のやっていき方なんてクソほど考えたくない。
「withコロナ社会をサバイブする仕事術」とかまじサブイボ。サバイブ=サブイボ。
あれだ、大学三年生になったら、周囲が突然「やっぱり商社は〜」「私はもともと建築が好きで〜」とか言い出した気持ち悪さと似ている。(も
[備忘録] Music from Seattle
Luke Bergman について調べていたら、シアトルの音楽シーンに興味がわいてきました。
古くはニルヴァーナ、パールジャムと「サブ・ポップ」みたいなイメージでしたけど、そうか、KEXP(NPRと並ぶ信頼のブランドですよね)はシアトルのFM局なんですねー。
アングラジャズ人脈的には Racer Sessions というのが重要な役割を果たしているっぽいですね。
ひとまず気になった名前をざっとリ
Introducing Luke Bergman
久々に、好きな音楽家のリストに新しい名前が加わりました。
シアトルを拠点に活動するマルチ弦楽器奏者で、Bill Frisellのアルバム『Harmony』でサイドギターやベースを弾いていた、Luke Bergmanさんです。
* いきなり余談ですが、『Harmony』、個人的にはフリゼールのここ10年くらいの中でベスト、数あるリーダーアルバムの中でも屈指と思っています。おなじみペトラ・ヘイデンと
アメリカ西部のビーイング系? 90年代カントリーの世界
誰に請われてもいないのに唐突にNAVERまとめみたいなエントリを書きます。
vaporwaveやシティポップの文脈によって、長らくダサさの代名詞だった80年代サウンドの再評価(再解釈)も進んだ現在、我々の耳にとって最もダサい音楽はなんでしょうか?
はいそうです、90年代のポップンカントリーですね。
オーセンティックなカントリーやアメリカーナからいなたさを抜き去った、ハードロック流行の残り香を
2020/1/12 Gabarito KOBE at ポートアイランド
Gabarito KOBE ポートアイランド吟行にご参加いただいた皆様、興味を持ったり情報拡散してくださった皆様、ありがとうございました。
楽しい句会になりました。
一方、毎度のことながら、吟行を通じて「街を考える」側面の方をもう少し充実できたらいいのにな、という反省はあります。(僕のやり方もあるし、句会としてエキサイティングになればなるほど、この側面が薄れてしまうという構造的(?)な悩みも。)
松本てふこ句集『汗の果実』
てふこさんの句は派手だ。
社畜とかおっぱいとか日本共産党本部とかラメ入りの蝶ネクタイとか勃ってるとか、パンチのある言葉がよく登場する。
けど、てふこさんの句を読んで「ふざけすぎだ」とか「こんなの俳句じゃない」と怒る人は、たぶんいない。
てふこさんの句の中で、目を引く言葉は、決して猫だまし的には機能していない。
決まり手は、例えば突き倒しや内掛け。
それは私にとって目指すベクトルそのもので、てふこさ