ササキ・シゲロー

哲学/文学/脱学校/政治/歴史/労働/社会問題など。1969年生まれ、千葉県在住。Twitter https://twitter.com/sigeros1969 ブログ版『脱学校的人間』http://deschoolinghuman.blog.fc2.com/

シモーヌの場合は、あまりにもおばかさん。----ヴェイユ素描----〈16〉(終)

ヴェイユがティボンの元を離れる、その別離の際に、ティボンは彼女にこう言葉をかけたと言う。
「また会おう。この世でなければ、あの世ででも」
 それに対して、ヴェイユは答えた。
「あの世では、もう会うことはできないのですよ」
 ティボンはこのときのヴェイユの言葉の真意を、「…この世で各自の〈経験的な自我〉を形作っている境界は、永遠の生命の中でひとつとされるとき、消えてしまうという意味だったのだろう。…

もっとみる

シモーヌの場合は、あまりにもおばかさん。----ヴェイユ素描----〈13〉

ヴェイユの極端に突き詰めた思考や行動は、他者に寄り添うどころか、よりいっそう遠ざけてしまっているようにも思える。
 ところで彼女は、自分自身だけではなく、他人にも注意力が備わっているのだということを、はたして信じていたのだろうか?彼女にとって「他人」とは、誰にも注意を向けられることのない人々であるか、誰にも注意を向けることのない人々であるか、そのどちらかでしかなかったのだろうか?「この人は間違った

もっとみる