見出し画像

20231117「空が充たすもの」

雨に打たれたらいい
汚れたそれを全部流し
受け止められない芥を削ぎ
叶えられないものをも捨てる
洗われたのなら
衣に委ねられ
皮膚は代謝を重ね
見えない布を纏い
足元を濯ぎ
盥の水を土へと還す
ひと時の保持
唱えられない文言
言葉にならないそれは
何度も繰り返すのに
一向に止みはしない
地平線の曲がり角では
朗らかな嵐が熱を持ち
冷めながらも水分を蒸発させ
雲の流れを見つめている

夢を忘れたらいい
どれもこれも届かないとして
あるいは既にあるものとして
放っておけばいい
夜の内に体内を巡り
今日の身体を保たせている
眠りの星々に聞いてみたら
組み合わせの抱合で
別の物語を読むこともできる
最新の今を潜り
どんな虹を屈折させて
露になりそうなそぶり
空想までの再構築で
揺るぐ現実のそれ
言った瞬間零れるもの
言い訳を集め
折り合いのつかない
折り目を畳み
紙鶴は羽ばたく時を待っている

どこにでも嵐が吹いて
穏やかな家で匿って
しばらくの時を過ごす
気温に応じて移動する鳥たち
変化を感じ羽ばたくそれらを見上げつつ
同じような構造を通し
日常を延べながらせっせと禄を喰む
平らげた地平に種を撒くのは
いつの日か
瓦礫の散在
耕しの項目
奏でる景色の再構成
盲目の陣地では
流される涙の浮き沈み
零れる一滴を募り
わたしたちの足元を再度洗い
羽毛に包まれ
違う夢をもう一度見るだろう
ゆっくりと降りる羽を見上げている

この記事が参加している募集

朝のルーティーン

読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁