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おはなし

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ここにあるのはお話です。あくまでもフィクション。
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記事一覧

黒猫と寒椿

お正月も近い冬のある日、このまちで流れる唯一の川に水鳥が4、5羽浮かんでいた。くだっていく…

chirico kaworu
3か月前
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旅に出かける

さくらはこれから砂漠に行く、と言った。さばくのどこがすきなの?なんて聞いてもいないのに、…

chirico kaworu
8か月前
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にんぎょひめ

人魚姫は涙を知らなかった 愛する花壇で愛でつづけた銅像に似た王子 船上で花火に照らしだされ…

chirico kaworu
10か月前
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ひかりとあかり

暗闇のなかをぐるぐると歩いていたらぽつんとひかるあかりを見つけた。 目指すものは他になく…

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白鍵と黒鍵の告白

毎日が眠るように過ぎていく。光り輝く未来を築いてみようと思いが浮かぶごとに消え去る。光を…

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導線を描きながら生きていく

いつになったら大人になれるんだろう。 母校の裏門を通り過ぎながら、私は何も変わっていない…

clarity=透明感とか明瞭さのおはなし

ぼくは笑いのツボが人と違うのか、変なところで笑いだしてしまう。そのせいなのか、怒らなくていいところや悲しまなくていいところで泣き喚く。 僕の周りには優しいひとが多い。故意に悪意を持っていじめてやろうとか、傷つけてやろうなんていう人などいない。だって、本当に相手を傷つけたいなら、本人に直接言えばいい。ひとのいないところでぐちぐちいっているひともいるけど、「言ってもせんなきことをだらだらとはきだしてもやもやしている気持ちを解消する」っていうことが目的だから、吐き出すことをただ聞い

よくある風景のなかでこんな気分になる

図書館には独特の香りがある。 自動ドアをぬけるとバーコードをピッと読み取る音が響く、検索…

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終わらないはじまり

「ものがたりをはじめても、終わらせることができないんだ」 そう言ってきみはMac book proを…

Through the Kaleidoscope

カウンターのこちら側から見る景色は万華鏡だ。 くるくる回りながら切り取られた鏡に現れるの…

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黒画用紙とひこうき雲

僕はよく線を描く。気分のままにただ線を描く。一筆書きのようにぐるぐると髪の上を線でどんど…

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