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頭痛に対する理学療法介入


📖 文献情報 と 抄録和訳

頸部原性頭痛患者の頭痛強度、頻度、および持続時間を軽減するための理学療法士による介入:系統的レビューとネットワークメタ分析

📕Jung, Andres, et al. "Physical therapist interventions to reduce headache intensity, frequency, and duration in patients with cervicogenic headache: A systematic review and network meta-analysis." Physical Therapy 104.2 (2024): pzad154. https://doi.org/10.1093/ptj/pzad154
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[背景・目的] 本研究の目的は、頚原性頭痛患者の頭痛の強度、頻度、持続時間、QOLに対する理学療法士の介入の有効性を評価することである。

[方法] 以下のデータベースを2022年10月まで検索した:Physiotherapy Evidence Database、Web of Science、Pubmed、Cochrane Library。成人の頚原性頭痛に対する理学療法士の介入の効果を評価した無作為化対照試験を対象とした。品質評価は、Cochrane risk of bias 2.0ツールおよびConfidence in Network Meta-analysisウェブアプリを用いて行った。統合方法はコクランハンドブックに従って行った。

[結果] 同定された28報のうち、23報が量的統合に含まれた。マニピュレーション+ドライニードリングは、対照介入と比較した場合、短期的な頭痛の強さ(平均差[MD]=-4.87;95%CI = -8.51~-1.24)および頻度(MD = -3.09;95%CI = -4.93~-1.25)を減少させる介入として最高ランクであった。他の上位にランクされた臨床的に有効な介入(対照介入と比較した場合)は、マッスルエナジーテクニック+エクササイズ(MD = 4.37;95% CI = -8.01~-0.74)、および短期頭痛強度を減少させるための軟部組織テクニック+エクササイズ(MD = -3.01;95% CI = -5.1~-0.92)、および短期頭痛頻度を減少させるためのドライニードリング+エクササイズ(MD = -2.92;95% CI = -4.73~-1.11)であった。これらの結果は、エビデンスの確実性が低いことに基づくものであった。

[結論] 最も高い順位を示した4つの介入は、臨床で考慮することができる。しかしながら、エビデンスの確実性が低いため、決定的な推奨はできない。影響脊椎関節マニピュレーション+ドライニードリングおよびマッスルエナジーテクニックまたは軟部組織テクニックまたはドライニードリング+エクササイズなどの複合介入は、短期的な頸部原性頭痛の強度および/または頻度を減少させるための最良の介入であるようである。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

「首から肩が凝っちゃって、頭が痛くなってくるんだよね」

この類の相談は、臨床において時折持ちかけられる。
その際に、頸部から肩甲帯のモビライゼーションを中心に対応することが多かったが、どのような介入が効果的なのか、また介入の種類としてどのようなものがあるのかは不明だった。
今回の抄読文献は、そのあたりにヒントを与えてくれるメタ解析であった。

『マニピュレーション+ドライニードリング』
どうやらこの介入方法が、現在のエビデンスが示唆する最高の介入のようだ。
ドライニードリングとは、筋筋膜のトリガーポイントに関連する痛みや動きの問題に対しての鍼治療。
理学療法士が一般的に用いることができるのはマニピュレーションやエクササイズといったところだろうか。
この研究を参考にして、頭痛に対する理学療法介入について体系的に学んでいきたい。

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