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ゲームビジネスの要素を利用したDXによりユーザーエンゲージメントをデザインする的なマーケティング理論を思考している

ゲームビジネスの要素を利用したDXによりユーザーエンゲージメントをデザインする的なマーケティング理論を思考している

マーケティングとゲームの交差点というテーマで、ここまで2回に渡り投稿してきてまして、今回で一旦区切りとなります。

第1回は、ゲームのインタラクティブなエンゲージメントデザインには、デジタルマーケティングとの共通点はあるんだけど、ここ最近ゲームのほうでユーザー体験がどんどん拡張されているのもあり、そろそろまた交差するタイミングにきているんじゃないか、という話。

第2回では、本題に行く前に、そもそ

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ゲーミフィケーションをアップデートしたゲームビジネス型DXのゴールとなるネットワーク効果とかの話

ゲーミフィケーションをアップデートしたゲームビジネス型DXのゴールとなるネットワーク効果とかの話

前回↓↓↓の続編です。

前回の締めくくりに書いたように、2010年代のゲーミフィケーションを2020年代のDX時代にアップデートしていく、そのエンゲージメントデザインも含めたビジネスモデルのことを「ゲームビジネス型DX」として、話を進めたいと思います。

2010年代前半におけるマーケティングとゲームの交差によって現れたゲーミフィケーションは、デジタル技術やゲーム市場の発展によるゲームデザインの

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マーケティングとゲームの交差点、これからのゲーミフィケーションによるエンゲージメントデザイン

マーケティングとゲームの交差点、これからのゲーミフィケーションによるエンゲージメントデザイン

1日に飲めるコカ・コーラの量には限界がある。

ということで、デジタルの世界とスマートフォンが普及して、たとえば小売であれば商品購入以外の新たな顧客との接点が一般化し、さらにその関係性がインタラクティブになってきたという経緯的な話から、
流行りのDXについて、いろんな文脈から今盛り上がって?いますが、ゲームビジネス的観点が重要なんじゃないか、という話ができればと思っています。
(以前アップした記事

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ゲームビジネスはもとよりDXである(2)〜サブスクリプションモデルとか〜

ゲームビジネスはもとよりDXである(2)〜サブスクリプションモデルとか〜

前回の続き。

ここで一旦サブスクリプションについて触れる。
新聞や電気、ガス等インフラのような毎日ほぼ必然的に利用する分野では古くから月額サービスは存在するが(新聞の必然性は今は失われている)、現在インターネット、クラウド技術、スマートフォンなどの普及に伴い、デジタルによるユーザーとの継続的な接点が形成可能となったため、サブスクリプション型サービスが注目を集め続けている。
AdobeのPhoto

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ゲームビジネスはもとよりDXである

ゲームビジネスはもとよりDXである

DX(デジタルトランスフォーメーション)というワードはすでに手垢だらけで、定義なんてあるようでないものになっているが、大雑把に整理すると、労働生産性のうち分母の労働投入量もしくは分子の付加価値、さらにDXを実行するための組織変革論、だいたいこれらの視点から語られるパターンが多い印象がある。
そのなかで今回の投稿は「付加価値」に着目して書いてみる。

インターネット、そしてスマートフォンなどデジタル

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現実世界のバイアスをゲーム視点から発想してみる

現実世界のバイアスをゲーム視点から発想してみる

ゲームの今後について、その特性の分解による考察は以前行ったが、
今回は「現実世界の労働者」と「ゲーム世界のプレイヤー」というテーマにて、両者の相違する事象を整理し、それぞれの特性を考察してみた。

当然、現実世界では衣食住や家族のためにリアルマネーを稼ぐ必要性があるため、このような違いが発生するといえる事象もあるが、今回は一旦考慮しないものとしている。

というのも、今後の発想展開として、これら現

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ゲームドメインにおけるデータ分析の特徴

ゲームドメインにおけるデータ分析の特徴

現在とあるゲーム会社にて新規事業とデータ分析を担当しており、今までは新規事業側で後々使えそうな考察っぽいことを書いていた。
ので、今回はゲーム分析側の話を書こうと思う。

ゲーム業界における私のキャリアはスマホゲーム運営のプロデュース、ディレクションがほとんどで、データ分析についてはちょっとしたきっかけで1年前に事業を立ち上げたって程度で、とりわけ技術に関しては専門家ではない。
しかも、ゲームとい

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ウィズコロナ時代の倫理とソシャゲーの精神

ウィズコロナ時代の倫理とソシャゲーの精神

無駄にマックス・ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」っぽいタイトルに寄せてみた。
ただし、タイトルに負けない立派な文章であれば良いのだが、なんとなくな思考を書きなぐっただけの「雑記オブ雑記」である。

以前、『リアルとバーチャルの格差の変容』と題し、
・リアル社会がバーチャル社会の価値観をつくっているのかも
・現状リアルで認識されている経済的格差によりバーチャル社会における平

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ゲームの今後とか、なんとなく考察

ゲームの今後とか、なんとなく考察

ちょっとした仕事の関係上、改めてゲームの基本特性や今までのゲーム市場の把握から今後の方向性について考える必要があったので、整理がてら記載してみる。
なお、考察にあたり、元SQEX社長の和田さんの記事がかなり参考になった。
ここで記載されているゲームの拡張性という意味での5つの座標軸について、下記に転載しておく。

①Playerの裾野の拡大
②Playerの関わり方のカスタマイズ
③Non-Pla

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2019年振り返り:リアルとバーチャルの格差の変容

かなりひさしぶりの更新になりました。

昨日とあるコミュニティの場で2019年総括しようという話になり、そこで話した内容を書き留めておこうかと思いました。

まず、バーチャル社会の格差をスマホゲームの文脈でいうなれば、2010年代前半はその数年前から始まったGREE、Mobageから引き継いだ「バーチャル社会では金で自己承認欲求を満足できる」というPay to Win的な社会が成立し、2016年〜

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七つの大罪のスマホゲーがヤバイ

七つの大罪のスマホゲーがヤバイ

久しぶりにスマートフォンゲームにハマりまして、それが「七つの大罪グランドクロス〜光と闇の交戦〜」なのですが、
iOSセールスランキングで5位以内を保持し、昨年が荒野行動ならば今年はグラクロの年となりそうな勢いなので、個人的なプレイ所感をまとめとこうと思います。

まず、アニメさながらのストーリー動画、バトルにおけるキャラモデル、歩いて探索できる街などのクオリティやボリューム感は、
予算的技術的に日

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ガチャ偏重のマネタイズモデルは終焉するのか

ガチャ偏重のマネタイズモデルは終焉するのか

前回『ロマンシングサガ リ・ユニバース』が良いアプリと投稿したばかりですが、リリース後早々のクリスマス衣装登場に辟易でございます…。
個人的にロマサガIPをそういう横方向な魅力で捉えてなかったんですよね。

それはさておき、タイトルの通り、今回はマネタイズモデルについて触れていくわけですが、まずは興味深い記事がありましたので紹介します(古い記事で今更感ありますが)。

『フォートナイト』をプレイし

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ロマサガ新作が優等生アプリな件。

ロマサガ新作が優等生アプリな件。

先週12月6日に配信開始となった『ロマンシングサガ リ・ユニバース』。
ロマサガファンということ抜きにしても、かなりよくできていると思います。
本日はF2Pゲームのビジネスモデル根幹とある「ゲームサイクル」と「マネタイズ」という切り口から、ざざっと簡単にレビューしてみます。

【ゲームサイクル(継続プレイ要素)】
他の日本タイトルと比較すると高難易度なメインクエストのゲームバランスを起点とし、多彩

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ゲームビジネス人材の育成について

ゲームビジネス人材の育成について

ゲームとは関係ない記事でたまたま見つけたのですが、ゲームクリエイターって、今や中高生の将来なりたい職業の上位なんですね。

中学生男子:2位
中学生女子:7位
高校生男子:3位

https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_170425.html
(出典:ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」)

そもそも将来なりた

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