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台湾ひとり研究室:映像編「TIDF2024鑑賞録-趙德胤《診所》」
今週15日、クローズアップ現代で「ミャンマー潜伏1000日の記録 “見えない戦場”はいま」が放送された。アウン・サン・スーチー氏が政権を握り、2010年代中盤からの民主化が軍によるクーデターで一気に暗転したのは2021年、3年前のことだ。民主化を求めて行動する映画監督によって撮影され、先月日本で公開されたドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を軸に、ミャンマーの現状を伝える内容だった。
5/10か
台湾ひとり研究室:映像編「TIDF2024鑑賞録-張照堂《紀念.陳達》《王船祭典》」
台湾国際ドキュメンタリー映画祭(TIDF)、2024年は5/10-5/19で開催されている。
2年に1度開かれる祭典のオープニング作品は、張照堂監督の《紀念.陳達》《王船祭典》だった。
張照堂監督は、スチールも映像も撮るカメラマンだ。今回、TIDFで「傑出貢獻獎 Outstanding contribution award」、つまりは卓越貢献賞を受賞した。ただ、TIDFプログラムディレクター・
台湾ひとり研究室:映像編「23/12/22〜劇場公開の台湾映画『赤い糸 輪廻のひみつ』を応援したい理由。」
台湾映画『赤い糸 輪廻のひみつ』(原題:月老)が今週22日、金曜日から各地で公開になります。
台湾で2021年11月に公開されて約2年。台湾での興行収入は約2億6000万元(約11億7000万円)というメガヒット作品です。日本では3日間だけ公開されたそうですが、このたび正式に、今月22日からシネマート新宿、心斎橋を皮切りに、宮城、長野、京都、神戸などでも劇場公開がスタートします。
✔️作家でも
台湾ひとり研究室:映像編「Netflixドラマ『模仿犯』コンプリートのご報告。」
今年3月末から配信スタートしたNetflixドラマ『模仿犯』、大変遅ればせながら観終わりました。以下は、若干ツッコんだ紹介になる可能性が高いので、まだ観てないよ、という方は観終わってから先へお進みくださいますように。
さて、原作を日本と台湾で買い求め、新潮文庫全5巻を読み終えてからのドラマ10話を視聴。我ながらナントモ贅沢な楽しみ方!と思う一方で、作品の世界をヒリヒリしながら最終話まで駆け抜けま
台湾ひとり研究室:映画編「《山椒魚來了》で見せた山の視点。」
台湾台北に暮らして今夏で10周年を迎える。自分が四国は愛媛の、公共交通はバスのみという田舎で育ったからか、都市で見えることだけで「これが台湾」みたいな物言いをしないように心がけてきた。ワタシという個人の見える範囲なんてたかが知れている、一面でしかない、と。
たとえば、台北に市場はあるけど、田んぼがない。街灯はあるけど、星空がない。人はいるけど、動物や虫が少ない。だから、今いるのは大きな島で、都市
台湾ひとり研究室:映画編「周美玲監督《流麻溝十五號》に見る気迫」
台湾人の知人から「ぜひ日本の人たちにも見てほしい。台湾の歴史を知ってほしい」と言われていた台湾映画《流麻溝十五號》を先週、ようやく観終えた。同作について感想と共に紹介しておきたい。
まず本作は、1953年、主に政治犯思想犯とされた人が収容された緑島を舞台に、女性たちの収容生活を描く作品。10月の試写がスタートしたあと、Facebookのタイムラインには鑑賞報告の投稿が続き、注目の高さと関係者の気
台湾ひとり研究室:映像編「中国語で歴史ドラマを楽しむコツ」
ドラマのジャンルには、ラブコメ、刑事物、ヒューマン、サスペンス、アクションなど、いろいろある。言語学習の初級者に最も取っ付きやすく、また題材的にも適しているのは、やはりラブコメかヒューマン系だろう。中国語学習という点からみれば、最近ではそれ以外の題材も結構増えてきている。それは歴史物だ。私自身、ラブコメに始まり、かなりのドラマを中国語で見てきた。個人的な興味から、中国歴史ドラマにも挑戦し、割と数多
もっとみる台湾ひとり研究室:映像編「中国語学習にドラマをすすめる理由」
大学時代まで遡ると、実は何度か中国語を勉強してみようと思ったことがあって、そのたびに挫折してきた。若い頃はお金も時間もなく、学校に通う余裕がなかったし、何度も入門書や初級と記されたテキストを買っては、挫折を繰り返していた。継続ができない理由は、明らかだった。テキストの内容をおもしろいと思えなかったのだった。発音や文法の基本を身に付けさせたいのはよくわかる。だけど、それが私にはどうにも退屈だったのだ
もっとみる台湾ひとり研究室:映像編「中国歴史ドラマは語学学習に向かないのでは?に答えてみる。」
歴史ドラマを見ているというと、歴史ドラマは語学学習には向かないんじゃないか、現代ドラマのほうがいいんじゃないか、という指摘をいただいたことがある。ちょっとオモシロいテーマだなあと思ったので、かなり長くなりそうだけれど、考えをまとめておく。
まず、現代の一般的な口頭表現だけを学習目的にするのであれば、確かに現代ドラマが適している。ただ、だからといって歴史ドラマが言語の学習素材に値しない、という意味
台湾ひとり研究室:映像編「中国歴史ドラマ『三国志Three Kingdoms』は最後まで魅せる。」
原題『三國 Three Kingdoms』として 2010 年 5月〜6月にかけて中国で放送された全 95 話の大河ドラマを、ようやっと観終えた。公式サイトとWikiの解説によれば、制作に年数 6 年、費用に日本円で 25 億、キャスト 300 人、エキストラのべ 15万人と、とてつもない労力のかかったドラマだ。日本では、BS フジや TOKYO MX などで放送され、Amazonプライムでも配信
もっとみる台湾ひとり研究室:映像編「『三国志 Three Kingdams』を日本語字幕で観て次につなげる。」
ドラマ《三國−Three Kingdams》は、2010年代の中国歴史ドラマの傑作に数えられるものだといわれる。このドラマをオリジナル中国語音声+中国語字幕で最初に観たのは、2015年末から2016年にかけて。ただ、いかんせん歴史物は難易度が高く、どうにもこうにも大事な部分が落ちている感が強い。その後、DVD セットのレンタル落ちを Amazon で見つけ、清水から飛び降りてみた。飛び降りてみるも
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