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あどけない話(夜のエッセイ)

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日々の暮らしから、あどけない話を綴ります。
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2018年9月の記事一覧

描かれる私

描かれる私

一週間前、想像似顔絵を募集させていただきました。

その後、大変ありがたいことにお三方が描いてくださり、嬉しいことこの上ありません。改めて、御礼申し上げます。

まず、エンデさん。

一番乗り、ありがとうございました。
「本が好きで髪はあって四角いメガネ」、実はもうこれ、私の特徴そのままで、似顔絵を見た瞬間びっくりして息が止まりそうになりました…!

続いて、Kさんの家主さまのSさん。

メガネを

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あとがきが欲しい

このところ、新しい本を買うのを少し控えて、買ってから寝かせておいた本を手にとってみたりしている。

そんなわけで、ドイツ文学者・エッセイストである池内紀氏のエッセイ『記憶の海辺 一つの同時代史』(2017年、青土社)を読みはじめた。帯文によれば「最初で最後の自伝的回想録」ということで、著者10歳~60歳の時を綴っている。

当然まだ読んでいる最中なのだが、「はじめに」からして既に味わい深い。
この

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想いの、強さ

想いの、強さ

思いがけず嬉しいことが起こると、嬉しさの表現の仕方が分からなくなってしまう。
語学塾こもれびさんから、「月に一度、スタッフブログに寄稿してくれませんか」とご依頼をいただいた時も、表に出てきたのはそれなりの喜びだったが、正直なところ内心では、「どうしよう!嬉しい!!この喜びをどう表現したら良いのやら…!」と叫び出したい気分であった。

そんなわけで、いくつも浮かんでくるテーマの中から一つを選び出し、

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電話が苦手

電話が苦手

昨日はスマートフォンのお話で、今日は電話のお話。電話機というより、「電話する」という行為そのもののこと。

昔から、電話が苦手だった。今でも、どんなに親しい人とであっても電話で話すのは躊躇してしまう。
ましてや、仕事で電話を使って話さないとならないなどとなると、もはやお手上げである。

なぜこんなにも苦手なんだろうなぁ、とつらつらと考えてみると、自分のコミュニケーション方法の特性に思い至る。それは

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2段組の世界

今、出先にいるので、この文章はnoteアプリを使ってスマートフォンの画面に直接書いている。途中まで書いて、家に帰ってパソコンで加筆修正をすることになるだろう(そして実際そうしている)。

当然のことながら、スマートフォンとパソコンでは画面の広さが違うので、同じ文を書いても折り返し地点が変わってくる。スマートフォンだとどんどん折り返されてしまうので文章が黒々としてきてつい改行したくなるし、段落も設け

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「読書」は「インプット」…?

「読書」は「インプット」…?

読書のことを「インプット」と捉えるのは、どうも気持ちが馴染まない。

「インプット」というと、どうしても「外にある知識・情報を自分の中に取り込む」というイメージが先行する。やや古い語法で言えば「入力」といったところ。
私にとって本を読むことは、そんなふうにまるでパンをちぎって食べるかのようにパクパク摂取しておしまい、というわけでは決してない。「取り込む」どころか、まるで私が書物に「取り込まれて」、

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トラキア・プロジェクト~クラシックとギリシャ・ペルシャ伝統音楽の架け橋~

トラキア・プロジェクト~クラシックとギリシャ・ペルシャ伝統音楽の架け橋~

(投げ銭方式にしてありますが、最後までお読みいただけます)

昨日は、三鷹市芸術文化センターというところに音楽を聴きに行った。

この演奏会を知ったのは、Twitterでフォローさせていただいている方がリツイートされていたアカウントがきっかけ。昨日のイベントについて告知されており、実のところ私の自宅から会場までバス一本で行けるので、馴染みのないジャンルではあったが足を運んでみようと思った次第だ。

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撮りつ、撮られつ

撮りつ、撮られつ

昨日は、浅間国際フォトフェスティバルに行った旨を投稿した。

展示作品はもちろんのこと、会場そのものや長野の自然が素晴らしく、思った以上にたくさんの写真を撮って帰ってきた。「エモい」というよりかは、味のある写真の数々。

実は、写真と文章で創作をされているホヅミさんとご一緒したこともあり、私自身を被写体に写真を撮っていただいた。普段写真を撮ってもらうことなどないのだが、信頼できるホヅミさんにならお

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浅間国際フォトフェスティバル

浅間国際フォトフェスティバル

今日は、Kさんにご紹介いただいた「浅間国際フォトフェスティバル」を満喫してきた。

「せっかく行くならば」と思い、noteを通じてお知り合いになったホヅミレイさんをお誘いした。ホヅミさんは「『日常を幻想的に』をテーマに写真と文章で創作活動をして」いる方(Twitterのプロフィールより)。

以下、簡単にレポートしてみたい。写真もたくさん撮ったのだが、あえて文字だけで。

会場は、しなの鉄道の御代

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季節の装い

このところ急に気温が下がり、雨など降っているものだから、体調を崩されている方も多そうだ。皆さま、くれぐれもお大事に。

季節の変わり目は「体調を崩しやすい」一方で、「装いが移ろいゆく」ということもある。私はこの「季節によって移ろう装い」というのが結構好きなのだ。

以前働いていた職場では、男性はスーツ、女性はいわゆるオフィスカジュアル、というスタイル。そうすると男性陣はせいぜいがワイシャツとネクタ

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出版人の端くれ

『新潮45』のことについて。

「出版人の端くれ」を名乗る者として、何かを語らなくては、という思いに駆られている。
だが、「どう語るのか」を決めあぐねて、上手く言葉にできない。

端的に言えば、この度あのような文が雑誌に載ったことについて「否」を唱える次第だ。何より許せないのは、あんな愚かしい「言葉の暴力」、いや、もはや「言葉以上の暴力」が人を傷つけていること。

繰り広げられている「議論」を見て

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雨の表情

雨の表情

昨日、今日と立て続けに、夕方の土砂降り。
「今年はゲリラ豪雨みたいなのが目立たなかったなぁ」などと呑気に思っていたら、なんだかんだと帳尻を合わせにくるから天気は侮れない。

以前、何かの舞台制作に関する本を読んでいた時、「雨の降らせ方」について記述されていたことがあった。
その舞台では公演中、舞台上に本当に「雨」を降らせることになったのだが、困ったのは大道具さん。はてさて、いったいどのように降らせ

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「本屋 Title」さんのこと

「本屋 Title」さんのこと

JR中央線の荻窪駅からしばらく歩いたところに、「本屋 Title」さんという書店がある。

このお店、かつてリブロの池袋本店マネージャーも務めた辻山さんという方が2016年1月に開いた書店で、特に本好きの皆さんから熱い支持を受けている。小さいながらも(いや、むしろ小さいからこそ)辻山さんの確たる信念が棚作りなどに反映されていて、とても居心地が良い。

先日、このお店を友人におすすめしたところ、早速

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本を紹介するということ

間違いなく本が好きだ。
でもある頃から、ちょっと読んではまた面白そうな本を買ってきてそっちを読み、それもちょっと読んでまた次に…という、浮ついた読み方をしてきたので、腰を据えて読むということができていなかった。
そんな状況なので、おすすめの本をご紹介しようと思ってもなかなか踏み切れず、ましてや書評など…という思いで過ごしてきたのだった。

だけど最近、新しいことに気づかされた。それは、「読んでいる

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