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蔵出し映画レビュー『ゴーストブック おばけずかん』

平成・令和の子供向け妖怪百科「おばけずかん」を元にして山崎貴監督が作り上げた『ゴーストブック おばけずかん』。

穿った見方をすれば和製『ハリー・ポッター』っぽい入り口ながら、意外にもピリッとした脚本で、『ジュブナイル』で監督デビューした山崎貴監督作品らしさがいい方向で出た映画になった。

ストーリーは異世界のパラレルワールドでおばけを図鑑に期限内に封じ込める。そのおばけは一反もめんのようなポピュラーな妖怪から公園などにある「うんてい」のおばけなど意外なものもある。捕まえれば、一度だけ自分の命令に従うというオマケつきで、そこがアクションゲーム的で楽しめる。


ストーリーの基盤になるのは一樹、太一、サニーの「ズッコケ三人組」の令和版のような三人組の少年たちに、湊という三人と仲がいい少女に、臨時教員の瑤子先生。この5人の冒険譚であり、成長譚でもある。5人の冒頭模様は『グーニーズ』や『ハリー・ポッター』のようでありながら、どちらかというと食事のシーンなんかに『ぼくらの七日間戦争』のような匂いがある。

序盤こそは硬い演技の少年少女たちも、時間が経てば新垣結衣に引っ張られて見れるものに仕上がっている。

全体的にどこか品行方正さが漂う、お行儀が良いジュブナイル映画であり、少年アドベンチャー映画である。神木隆之介繋がりで『妖怪大戦争』とマルチバースするなら、今後大化けする可能性を秘めてはいる。

 

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