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私は眠り姫になりたい

 今日も昼過ぎに起き、怠惰に
1日を浪費してしまった。
こんな風に過ごしていると
毎日、なんのために生きているのか
わからなくなってくる。

 通信制高校に通う私は、
年間20日程度の登校日のほか特に予定はない。
このまま卒業すれば
とりあえず高卒資格は得られるが、
私は大学に進学したいのだ。

 でも勉強のやり方がわからない。
全日制高校に通っていた頃の勉強習慣には
もう戻れない気がする。
受験のための勉強をどこから始めればいいのか
分からない。
頭が混乱し、すぐに疲れ、考えるのを辞める。

 ここ数年で私という存在は、まるで
深海魚のようなものに変わってしまったようだ。
とにかく全ての人間関係を
ひとつひとつ絶つか、疎遠になるようにした。
 なるべく外の世界に触れずに
自分の部屋に引きこもりがちになった。
あまり動かず、動作も鈍くなった気がする。
 どんどん、まるでうさぎのような
敏感で繊細な虚弱気質になっていくように。
なぜこのように自分が変化したのか。
思春期のせいでもあるし、コロナの影響もある。

 今の気分は、ただひたすらに無。虚無。
やりたいことはなにもない。
気力がなく、だるいし、眠い。
正直、もう何もかもどうでもいいと言いたい。

 眠り姫のように、この先100年間眠り続け、
王子様のキスで目を覚ますような。
 高原のサナトリウムで、清浄な空気の中、
余生を心穏やかに過ごすような。
そんな人生がいいなあ、とぼんやり願う。

生きるのが面倒くさい。
楽に生きていきたい。
生きるのに疲れたら、
甘い夢とうつつの間をさまようように。
子供の頃、草っ原に寝転んで
小鳥の声を聞きながら
青い空を眺め続けた、あの時間なら
永遠に生きたいって思えるのに。


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