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「もののけ姫」の猩々は資本主義にいちいち木を植えに来る生態系の調停者

宮崎駿が凄いのは「民族の問題」と「自然環境の問題」という大きな二つのテーマを絡めていることだと思う。
皆さんはご存じないかも知れませんが、「もののけ姫」は「風邪の谷のナウシカ2」として書かれています。つまり、続編として書かれています。
勝手な解釈ですが、明らかです。ナウシカのコミックの方を見たらわかります。

過去の記事でも触れましたが「風邪の谷のナウシカ」は、ニギハヤヒという出雲系渡来人の系統が本来の日本の王族であるという、隠蔽された歴史を作品のモチーフにしています。

もののけ姫では、縄文人、アイヌ人、朝鮮人の融和がテーマでした。
最近、この映画が凄いのは、煮え切らない感じで終わる所なのかな、と思います。明らかに、余韻として、煮え切らなさが残るように意図している。
ちょっと説明的過ぎる感もありますが、メッセージ性を意識したアニメで、意図したとおりの仕上がりになってるのではないでしょうか。
そんな気がします。最初見たときは、なんだこれ?って思ったんですが、なんとなく分かってきました。わざとそうしたんだなって。

それで、「風邪の谷のナウシカ」で登場した腐海は、「もののけ姫」の中では猩々として描かれています。
夜になったら木を植えに来る、っていうセリフありました。
ジブリ好きなら当然分かると思いますが、腐海が猩々として引き継がれています。

それで、この映画のテーマを現代的な課題に置き換えてみると、誰が、この腐海や猩々の役割を担うのか?ってことです。
現実の世界で、人間が汚した自然を回復させるのは何者でしょうか。
資本主義が必然的に破壊した自然は、このまま放置していれば再生する?

みなさんはどう考えますか?

過去、ゲノム編集やら意図的な自然改変の問題を取り上げてきました。それで、いつも言っているのは、映画から何を学ぶのかって話です。映画だけじゃない。漫画やアニメ、ドラマ、、そういうものから何を学ぶべきか。
宮崎駿は、映画を世に出すことで、おまえら考えろよって言ってるんですよね。だから、私は素直に受け取って考えるタイプなので、どうしたらいいのかなあと考えてます。

こういう業界で仕事している人は感性に優れていると思います。直感的に先が読める人が多いのかもしれません。
感性勝負の業界です。日本の産業で最後の砦と言われているのは、この辺りの業界です。でも、もう、海外の追い上げが物凄くて、クリエーターがどんどん海外に流出しているそう。

エンタメとして消化するのではなく、彼らの意図を理解する試みがわたしたちには必要だと思います。資本主義だなんだと、むずかしいテーマをいちいちいつも記事にしていますが、そういう事じゃないんですよ。本当は。
映画や漫画、アニメを見て、完全に入り込むことが必要ではないでしょうか。感じようとすること。そして、素直にメッセージを受け取ることが必要かなと思います。
冷めた目で、既成の社会的な立ち位置からアニメを見るのではなくて、完全に映画やアニメに入り込むことが重要だと思います。

最近、何かにつけて、感情移入できる人が減っている気がします。
まず、他人の痛みを自分の痛みと感じれない人が多い。
こんなこと、もし自分がされたらいやだな、って感じれるから共感が生まれますよね?当たり前の話だけど。
そういう「共感」という感情が、、、おそろしいスピードでなくなってきていると感じます。
だから、経済学の父であるアダム・スミスは「分業」を勧めると同時に、「共感」も重要だと説いた。この人は世界の破壊者ですが、バカではなかった。だから先が読めていた。でも、結局、先々の事に対して無責任なんですよ。だから、この無責任なオッサンの責任を今、わたしたちが背負わされている。ほんとに、勘弁してほしいです。
でも、やるしかない。わかんないけど、このままだとみんな共倒れします。

資本主義は宿命的に感情を奪います。
結構、このイデオロギーも究極化してきましたよね。マジでヤバいですよね。多くが家畜にされて抗生物質を打たされてしまたった。
鶏舎の檻の中でひたすら卵を産み続けさせられるニワトリが、他のニワトリに共感持つなんてそりゃ無理ですよ。
そうなる前に、なんとか、鶏舎の檻をぶち壊すか、飛び越えて、そとに逃げる必要があった。

でも、そんな簡単には逃がしてくれない。
逃げたって、空のあまりの青さに逆にたじろいでしまって鶏舎に逆戻りしてしまうニワトリもいるでしょう。

じゃあ、どうすればいいんだよ!
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以上


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