ガザ人ムハンマドとの再会

列車に乗ってアントワープ駅に着く。歴史あるその建物は天井が高く美しい装飾、いかにもヨーロッパという感じがした。目につくところ、至る所に大きな銃を携えたソルジャーがいる。イスラエルだと見慣れた光景。久々のパリでも以前より明らかに増えていた。ここ、ベルギーもそうだった。電車を降り、駅のコンコースに向かう。ムハンマドと会えるのか心配もしつつ、Wi-FiのマークはあるがわたしのiPhoneはそれをキャッチすることが出来ない。到着時間は伝えているので来ているのは間違いないだろう。数年ぶり、お互い年も重ねパッとみてわかるのかどうかも少し不安だった。15分ほど駅をウロウロと歩くが見つからない。電子掲示板を見ると別の列車もパリ方面から到着し、それは下の階のホームだった。もしやと思いエスカレーターで1つ下の階に行く。

AZUSA!!!!

大声で叫ぶ声が聞こえた。ムハンマドだった。わたしたちは駆け寄りがっちりと握手をし再会を喜んだ。彼は何度もわたしの名前を口にし、finally we met here とこの再会が現実のものであることを確かめるようだった。わたしたちは駅前のカフェでコーヒーを飲み、歴史あるアントワープ駅の建物を眺めながらインドでの昔話に浸っていた。

インドで一緒に勉強していたスルタンのアンマンでの結婚式に出たことや、ヨルダン人のフェラスとはたまに連絡を取っていること、ロシア人のアンドリューの子供が最高に可愛いこと数年のブランクがあるようでないようで話は尽きない。

わたしたちはトラムに乗り、やっとのことで見つけたムハンマドのアパートメントに向かうことにした。トラムで5分ほどの駅で降り、アラブスーパーマーケットで食材を買い込む。挨拶をしたここの店員さんの1人はクルド人でもう長いことベルギーに住んでいるとのこと。ベルギーには50年ほど前に多くのモロッコ人が移住してきており、彼らが50年で築いてきたもので現在のアラブ系の難民たちは暮らしているといっても大げさではないだろう。実際、彼の住むアパートメントの大家さんはモロッコ人だ。彼の経験からするとヨーロピアンの大家さんはいくら空き部屋があってもアラブ系の難民に家を貸すことはないそうだ。モロッコ人街、アラブ人街にはいくつかアラブ系のカフェやスーパーマーケットがありフムスやスパイス、ハラールの食材、ローズウォーターなど中東料理に欠かせないものが充実している。カフェのミントティーはモロッコのそれと同じようにフレッシュのミントが山盛り入っている。そして店内には女性客はいない。それもまたアラブっぽい。


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