エロスの画家・高橋秀の物語(1)【アートのさんぽ】#08
第二次大戦後の日本美術を見るなかで、非常に特徴的なことがある。
それは、日本でデビューして評価を得た後に外国に渡り、現地においても一定の評価を得て国内外で活躍する、いわゆる国際的な画家たちの存在である。
戦前においては藤田嗣治や国吉康雄など数人がいた程度であったが、戦後は相当数を数えることができる。アメリカには河原温、荒川修作、草間彌生、靉嘔などが渡り、フランスには菅井汲、今井俊満、堂本尚郎など、イタリアには高橋秀をはじめとして、豊福知徳、吾妻兼二郎といった作家たちが渡った。