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呑みながら読みたい5冊の本

呑んで酔った状態で本を読むことを「酩酊読書」と呼んだのは堺雅人さんだったかな?
と思ってググったらビンゴで、こちらのサイトが出てきました。

上記リンク先の冒頭にも、確かに「酩酊読書」という言葉が出てきます。
そしてご紹介されている本に『すべてがFになる』が入っていて嬉しいんですけど、でも酔いながら小説を読めるのは素直にすごいな…と思ったところで。

じゃあ私が呑みながら読みたい本って何だろう?
と思ったことをきっかけに、この記事を書きつつ考えてみることにしました。

長編・短篇問わず、小説は覚めた頭で読みたい。
そして「呑みながら読む」シチュエーション、私の場合は多分おうちだ。
読んで呑んで酔って、そのまま寝落ちても問題ナシ。最高。

そういう時に手に取りたい一冊を、堺雅人さんの記事に倣って5冊挙げてみます。




1.『くるぶし』町田康

どんなジャンルで作品を発表しようともブレない言語感覚でもって、ご自身の確固たる文学世界を築かれている。そんなマーチダ氏こと町田康さんが初めて歌集を出しました。
強烈な一冊です。口語のぼやきが短歌の定型におさまることで詩情を帯びるの、何と言うかずるい。面白い。ゲラゲラ笑える作品から言葉の選択の切れ味に震える作品まで、読みながら振り回されるのが酔った頭にぴったり。硬派な装丁で中身はジェットコースター。楽しいです。



2.『グッドモーニング』最果タヒ

最果さんの詩集は何冊か読みましたが、結局この一冊に戻ってきては何度も読み返しています。一番最初の作品を最高傑作と言われるのは本意ではないかもしれないけど、それでもやっぱり初期衝動の燦めきが凝縮されてる本書が好き。言葉が伝達手段であることをやめて、詩人によってここにしかない光景としての役割を与えられている。
覚めながら読むのも良い。でも酔って読むとまた違う地平に出会えそうで。



3.『おかしな本棚』クラフト・エヴィング商會

もう何回読んだかわからん。大好き。様々な本をいろんなテーマに分けて、背表紙だけが見える状態で並べたうえで紹介するっていう前代未聞のブックガイド。その「いろんなテーマ」の自由度の高さを楽しむも良し、背表紙から伺える著者の私物でもある古書の趣きを堪能するのも良しと、様々な読み方ができる一冊です。
……書いてて気付いたけど、私がnoteでこの記事のように「ひとつのテーマ縛り」で本を紹介することに楽しみを見いだしているのは本書の影響かもしれません。思いもかけずに自分の源流に出会ってしまった。



4.『一人の男が飛行機から飛び降りる』バリー・ユアグロー

冒頭で「小説は覚めた頭で読みたい」って言っときながら覆します。本書は例外。掌編と呼ばれるとても短い小説が149本収録されています。
不条理とか理不尽という印象を抱かれる方もいらっしゃるかもしれないけど、裏表紙にもある「たのしい悪夢」の感覚で、突拍子のなさに浸るのが一番しっくりくる作品たちです。読みながら寝落ちしたらすごい夢を見そう。
149本全部好きと言えるほど読み込めてはいないけど、特にお気に入りの作品を選ぶなら『時祷書より』『三舞台サーカス』『庭』です。



5.『バッタを倒すぜ アフリカで』前野ウルド浩太郎

これだけは読了前です。今ちょうど3章目まで読み終わったところ、なんだけどすでに面白くて読みながら何度も声出して笑ってるのでもう入れちゃいました。昆虫学者の著者がバッタ研究に心血を注ぐ中で世界各国を飛び回る様子が、新書なのに自立する脅威のボリュームで描かれています。
著者の文体が気さくで面白いから気楽に読めるものの、日本という国の研究者に対する旧態依然な風当たりの強さには閉口する部分もあり…。変えないといけないこともまた克明に書いていて、大事なことだと思う次第。



おわりに:お気づきかもしれませんが

このアカウントで投稿する記事は、基本的に前日の朝に書いています。そしたら推敲するために時間を置くこともできるし、という魂胆です。
しかし本記事は「呑みながら読みたい」というテーマだったので、4月20日の夜に呑みながら書いております。土曜日だからこそ出来ることではあるんですけど、でも読みづらかったら申し訳ない。

呑みながらYouTubeをのんびり観るのも好きなので、どうするか悩むこともあります。ゴールデンウィークが楽しみです。読むのも観るのも書くのも堪能したい欲張りです。
お読みいただき、ありがとうございました。

#66日ライラン21日目

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