見出し画像

青春の焼そばパンをつくって食べる。

学生時代、購買部のパンって魅力的でしたよね。

ふだんは母がお弁当をつくって持たせてくれていましたが、たまに「あした忙しいから、学校でパン買うて食べといて」と500円玉を渡されることがありました。そんなときは、次の日のお昼にどのパンを買うか、前の夜から頭にちらちらと購買部のパンのリストが浮かんだものです。

街のパン屋さんのように、きれいにディスプレイされているわけではなく、なんならショーケースすらなくて、パン屋さんから届いたプラ箱に平たく並べられたまま売られてた、あの雑多な感じ。

そこからお目当ての惣菜パンを、誰よりも早くつかまえる。売り切れごめんの品揃え、人気のパンはお昼休みのスタートと同時になくなってしまったものです。


🌭魅惑の焼そばパン

そのなかでも学校パンのエースといえば、焼そばパン。

ボリュームがあって、濃厚なソース味で、食べ盛り育ち盛りに人気なのは当然のおかずパン。お昼ごはんに食べるのなら、自分は絶対に甘いパンではなく、惣菜系が好みです。

サンドイッチも嬉しいのですが、焼そばパンのすごさは値段の安さ。サンドイッチひとつの値段で2つ買えてしまうというお手軽感。

もちろん売り切れるのも早くて、購買部にむけて廊下を走って、先生に叱られたのも懐かしい想い出です。

そしてそんな記憶も手伝うのか、いまもたまに食べたくなって、朝コンビニで買って朝ごはんにすることもしばしば。やっぱソース味好きなんだなと、自分でも思います。

ところで、焼そばパンって、いつからあるんでしょうね。

ちょっと気になって、調べてみたところ、1950年代には誕生していたようで、ちょっとびっくりの歴史です。

🌭ドッグパン探しの旅

今回はいつもはコンビニで買う焼そばパンを、自分でつくって食べてみたいなと思ったお話です。

思い立ったらすぐつくるのがトケイヤkitchenスタイル。ほんとにすぐ、ドッグパンを探す旅に出ました。

が、売ってそうで売ってないもんですね。バターロールとか、なんならフォカッチャとかマフィンがあるのに、ドッグパンって意外とない。そういえば、以前ハンバーガーをつくったときも、バンズが売ってなくて、スーパーを巡ったのを思い出しました。

そんなこんなで、スーパー4軒目。見つけた。見つけましたよ。在宅勤務の運動不足以来、歩ける距離は歩くことをモットーにしてるので、なんやかんやで2時間近くかかっちゃいましたが、ぶじゲット。さっそくスタートです。

🌭焼そばパンをつくってみる

材料はいたってシンプル。

挟む焼きそばはお肉や野菜の具はいれず、シンプルに麺だけにします。なので、あとはトッピングの紅しょうがを用意するだけです。

🌭材料(1本分)
・ドックパン…1本
・焼そば…半玉
・お好みソース…大さじ2
・ウスターソース…小さじ1
・水…大さじ1
・紅しょうが…適量

麺は電子レンジで30秒ほど加熱しておくと、ほぐしやすくなります。

ソースはメインに甘味のお好みソース、スパイシーさを出すのに、ウスターソースもプラスしてダブルソース。麺を少しやわらかくしっとりした感じに仕上げたいので、水も加えて炒めていきます。

ソースがまんべんなく全体にからまって、水分がなくなれば焼そばはOK。しっかりと麺が水分を吸ってくれて、挟んだときにパンが水分でべちゃっとならない、絶妙の焼き上がりです。

切り込みをいれたドッグパンに焼そばを詰めます。

ドッグパンって、開くときちぎれてしまったらどうしようって、けっこうドキドキします。具を詰めるとき、無理に切り込みを広げるのではなく、まず隙間に焼そばを詰める感じで、そのあとはその焼きそばが内から押し広げてくる力に任せてみました。すると焼きそばの量が増えるにつれ、じわーっと広がる感じで、残りが詰めやすくなってうまくいきました。

🌭ここがこだわり追いソース

ここでポイント。

最後の追いソース。からの紅しょうが。

パンに挟むために、炒めるときにしっかりと水分をなくしてあるので、食感がぼそぼそとしがち。そこを最後にかけるソースでカバーしつつ、香りもプラスします。

青のりを振るスタイルもありますが、今回はトッピングは紅しょうがのみです。

実はこの追いソース&紅しょうがのスタイルは、たまに食べるデイリーヤマザキさんの焼そばパンをお手本にしてみました。個人的においしいなと思ってまして、お気に入りです。

どうでしょう。なんだかわくわくします。部活の前にちょっと小腹を、なんて気分になってきました。

🌭焼そばパンをほおばりたい

焼そばパンって、あらためてつくってみると、炭水化物アンド炭水化物すぎて、あまりの潔さに、なんかすごいなと思いました。これをおいしいと思うのは、やっぱりソース味の魔力でしょうか。

そういえば、たまにナポリタンロールみたいな感じで、ドッグパンにケチャップ系のパスタを挟んだものも見かけますが、個人的には焼そばパンほど惹かれなかったりします。ナポリタン自体は大好物なのに、ふしぎなものです。

もちろん、単なる好みの問題なのですが、辺りを見回しても、やっぱり焼そばパンのほうが俄然人気者という気がするんですよね。パンに挟む以上、ケチャップよりスパイシーさがあって、味の濃いソースが強いのかなという気がするのですが、どうでしょう。

朝ごパンに買った焼そばパンをつつむラップフィルムをはがすと、ふわっと漂うソースの香り。その香りには、学生の頃の購買パンの想い出や、縁日の屋台の記憶が呼び起こされるようです。

なんだか懐かしい校舎の屋上で、焼そばパンをほおばりたい。購買部のプラ箱の中から、勝ち取った1個だとおいしさは倍増。手に入れたという満足感がプラスされます。

寝転がると目の前には、青い空。手をのばせば届きそう。隣にいる友人の手にも焼そばパンがあって、
「このまま昼休み永遠に終わらへんかったらええのになぁ」
「そんなわけないやん。もし、それやったら卒業できひんし、永遠におとなにもなれへんで」
「ほんまやな」

そんなくだらない会話をしつつ、最後のひと口をぱくりとやりたい。焼そばパンは青春の味。青春時代は2度と戻らなくても、焼そばパンはいまでもつくれる。そんなことを思うのです。

この記事が参加している募集

つくってみた

お読みいただきありがとうございます☺️いただいたサポートは新作メニュー作りに役立てさせていただきます🍴🙏