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VRChat

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VRChat(VRSNS)のこと。
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記事一覧

『矛盾』を抱えながら/仮想現実での生き方

はじめに 『メタバース』を知ったのは2021年。興味本位でVRゴーグルを買って、二年半が経つ。初めは驚きの連続だったVR体験も、今では生活の一部だ。仕事から帰ったら、寝るまでの時間を「仮想現実で過ごす」のが僕の日常。  記事を読んでくれる人には説明不要かもしれないけど、メタバースというのは「インターネット上の仮想現実空間」のことで。厳密には色んな要件があるけれど、詳しい内容については『メタバース進化論』を読んで欲しい。伝えたいのはただのゲームじゃなくて「他者とのつながりや

VRSNSにおける『Join』に関する雑考

「――Join(ジョイン)は難しい」  僕は常々、そう感じているけれど、そうじゃない人もいるらしい。今回はジョインの「何が難しいのか?」、そして「どう向き合ったら良いのか?」について、自分なりに考えてみたい。 *  そもそも「Join(ジョイン)」とは、『参加する』という意味の英単語。よく「Come on and join us!(一緒に楽しもうぜ)」みたいな決まり文句で使われるらしいけれど。もちろん僕は、そんなこと言われたこともないし、これから先も言うことはないだろう

mocopi(モコピ)届いたっピ

 Q.mocopi(モコピ)って何?  A.ソニーが販売するモーションキャプチャー機器だよ  Q.これで何ができるの?   A.VRで「フルボディトラッキング(フルトラ)」ができるよ  Q.フルボディトラッキングって?  A.VR上で「全身の動きを再現する」ことだよ  Q.普通は全身じゃないの?  A.ヘッドマウントディスプレイ単体だと、頭と両手が動くよ  Q.全身を動かせると何がいいの?  A.表現の幅が広がるよ。VRダンスや写真撮影でも活躍するね  Q.フルトラ

フレンドの条件?/VRChat雑考

「ねぇ、どうしてフレンドになってくれないの?」  そんな風に、率直に理由を尋ねられたら。なんて答えたらいいのだろう。これはつい先日、VRゲームの雑談ワールドにて「突きつけられた」言葉。 *  「フレンド申請」をもらえると、自分だけに聞こえる通知音が鳴ります。同時に、画面上にポップアップも出る仕様ですから、作業中でもない限り、申請に気づかないことはありません。その後、フレンド申請を受けるなら、承諾ボタンを押して、「晴れて二人はフレンドに」という流れ。  フレンド申請のシ

アンフレンドのすすめ/VRChat雑考

 突然ですが、皆さんは「アンフレンド/Unfriend」ってどう思いますか?  聞き馴染みのない方に説明すると、アンフレンドとは相手を「友達リストから除外する」ことで、「交友関係の終わり」と呼べるものです。SNSではよくある機能なのですが……ちょっと穏やかではないですよね。  そもそも相手とフレンドになるからには、どこかで出会って、気が合う、好感が持てる、共通点があったなど、「つながりたい」と思えるような縁があったはず。それなのにアンフレンドするからには、やはりそれなりの

VRChatで見た!『井の頭公園駅』編

 VRChatの「実在系ワールド」の現地まで行ってみる本企画も、早いもので三回目です。今回は、その緻密さと再現度の高さで話題の「井の頭公園駅」まで行ってみました。 VRChatのワールドはこちら。作者は「nyanya」さんです。  「井の頭公園」という地名は知っていたものの、「いの『が』しら」だと思っていたくらいには縁もゆかりもない場所(いのかしら、なんですね)。  VRChatで何度もロケハン(下見)をしてから写真を撮ってきましたので、どうぞご覧ください。 *一枚目

VRChatで見た!『小江戸川越』編

 VRChatには「ワールド」と呼ばれる、多種多様な空間が存在しています。現実ではあり得ないような美しい景色も多い一方で、「実在する建造物」を再現したワールドも少なくありません。  先日、VRがきっかけで、神奈川県の「横須賀美術館」に行ってみました。 「はじめて来たはずなのに、はじめてじゃない気がする」。そんな既視感を覚える程の「再現度の高さ」に驚きました。  今回は、江戸の古い町並みを残し「小江戸」と呼ばれる、埼玉県川越市に行ってきましたので、ご紹介したいと思います。

世界を作り直す/VRChatワールド制作①

 VRChatはアバターだけでなく「自作ワールド」もアップロードできます。アバターを「プレイヤーの分身、理想の自分」と表現するなら、ワールドは「プレイヤーの願望を具現化した空間」だと言えるでしょう。  ワールドには様々な種類があります。初心者向けのチュートリアルから、雑談や交流目的の集会所。美しい景観もあれば、実在する建造物の再現も。さらにゲーム、ダンス、謎解き、ホラー、販売物の展示場なんかも。そして驚くのは、ほとんどが「プレイヤー自身の手によるもの」という点です。  プ

VRChatでお悩みを聴いてみて

 「お悩み相談室」を始めて半年ほど経過したので、ここまでの振り返りをしてみたいと思います。相談は週に1件あるかないか程度。依頼はTwitterのDMで受け取ります。大半が”人間関係の悩み”なのは実社会と変わりません。  基本的に「話を聴く」だけ。アドバイスはしない、というかできません。ただ、疑問に思ったことは質問してみたり、自分だったらこう考えるかも。僕にもこういう経験があります、くらいは話します。  相槌を打つ暇もないくらい、堰を切ったように話してくれる人もいれば、ぽつ

#VRChat始めました/1年前に

 もし「VRChatはゲーム?」と聞かれたら、「たぶんそう、部分的にそう」なんて、どこかの魔人との勝負みたいに答えるでしょう。と言うのも、このゲームは「VR×SNS」とか「ソーシャルVRプラットフォーム」と呼ばれる、誰かとつながることを前提とした複合サービスだから。そんな「社会性」を求められる場所で、1年間過ごしてみて思うこと。 *  「社交性」ではなく「社会性」と表現したのは、もちろん理由があって。ここは、人付き合いが好きじゃなくても、積極的に何かをしなくてもいい。他人

アバターだからこそ/VRChat雑考

 「またアバター買ったの?」なんて言われます。自分としては、そこまでお迎えしているつもりはなくて、お財布と相談しながら月にひとりくらい。でも、同じ子を好んで使い続ける人もいるので、多い方かもしれません。  僕が”VRChat”を始めたのはちょうど1年くらい前。仕事でも、私生活でも色々とひと段落して、このご時世で付き合いが減ったのがきっかけでした。外食や飲み会が減った分、お小遣いがBOOTHに吸い込まれているわけです。  「アバターはもう一人の自分」。そんな風に考えると、ア

VRChatで見た!『横須賀美術館』編

 ”VRChat”というメタバース空間には、多種多様なワールドが存在します。美しい風景から、ゲームワールド、お部屋、集会所など。本当になんでも。なかには「実在する建造物を再現したもの」もあるのです。  「横須賀美術館」を再現したワールドもそのひとつ。作者はsonic885さんという方。とてもきれいなワールドなので、何度も訪問して写真を撮影し、ワールド紹介のツイートをさせていただきました。  今回、実際に横須賀美術館へ行くことができたので、写真と一緒に感想を語りたいと思いま

VRChatがつまらないと感じるあなたへ

■ どうしてつまらないのだろう? 「VRChatはじめたけど、あんまり面白くないな…」 「以前は楽しかったけど、ログインしたくないな…」  そう感じてしまうこともありますね。そんなときは無理にログインせず、別のことをするのもひとつだと思います。でもせっかくなら楽しみたいし、あなたにも楽しんでほしい。  そこで今回は「どうしてつまらないのか」「どうすれば楽しくなるのか」について考えてみます。 1.コミュニケーション能力? ■「VRChatつまんない…」  そう感

VRChatのフレンドってなんだろう?

■ フレンドは友達じゃない  ───そう言われて、僕は驚いた。 (フレンドが「友達」じゃないなら、いったい何なんだろう…?) 1.どこにいるかの目印? 「フレンドは『友達』じゃない」  僕にそう言ったのは、訳あってUnfriend/絶交した元フレンド。初心者のころに知り合い、とても親切にしてくれた人だった。  最初は楽しかった。色んなワールドを案内してもらい、おしゃべりをして一緒に過ごした。でもある理由で、その人と関わるのがつらくなっていき、最後はUnfrien