天才の非情さ。あるいは凡人の超えられないなにか。〜エゴン・シーレ展評〜
年が明けてから東京都美術館にて開催してきた『レオポルト美術館 エゴン・シーレ展〜ウィーンが生んだ若き天才〜』も4月9日に会期末を控え、いよいよ後半戦というところに差し掛かってきた。開幕直後のごった返す人と、異様な熱気のようなものはそれはそれでいいのだが、鑑賞の目を狂わすものがあるので、なるべく開幕してすぐに展覧会に赴くことは控えている。今回もその通りに、会期末が近づいた頃合いを見て訪れたのだが、さすがに天才エゴン・シーレ、いかにも教養を匂わせた老夫婦から絵画という言葉さえも知