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心抜き

この記事を読んでくださっている方は
きっとこのタイトルに惹かれたのかもしれない。
この心抜きという言葉を私が知ったのは
村上春樹の小説、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
に登場する架空の世界のなかで、だ。
その国の人々は心を持たないがゆえに争いのない平和な日々を送っている、という設定なのだが、その表現として、「心抜きをされた人々」が使われていた。
(30年ぐら前に読んだのでそう思い込んでいるだけかもしれない)
当時、私は20代前半で恋愛や仕事について悩んでいたのだが、
「心抜き」の言葉を知った時、
「あー、そうか、心がなければ、こんなに悩まないで済むのにな」
と思ったのを覚えている。
心さえなければ、嫉妬も怒りも劣等感も失望も、
何も感じないですむのに…と。
あの時の私は、まさか30年後に、この「心抜き」を自分がされ、
そして、心抜きの本当の恐ろしさを知ることになるとは考えてもいなかったのだった。


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