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疑わしい自費診療クリニックの見分け方

僕がいつも使っている方法であり、ヒントとしてお読みください。

ただし、「疑わしい」というのは効果のない高額な自費診療を指すものであり、単に医師の腕が悪いだけの場合は除きます。

考え方はとてもシンプルです。

学会/研究会が存在するか調べる

その病気の概念や治療法は他の医師も知っているの?

という事です。

現役の医師に聞きましたが、開業医が新しい病気の概念や治療法を作り、名前をつけることは違法ではないです。

医師や研究者が新しい病気を発見すると、通常は学会を通して報告されます。

しかし、学会はすぐに世間に発表しません。

一定量の症例、病態の解明度合い、治療法なら仕組みの解明…

それらのデータがないと「信頼性」に欠けるからです。

ここまでは正しい考え方だと思いますが、問題は必要とされる量です。

精神医学会は巨大な組織なので、尋常ではない量の「エビデンス」を要求します。

結果、国や製薬会社といったさらに巨大な組織がパトロンにつかない限り研究費が捻出できません。

そういうとき医師は普通、同業者を募って研究会を作ります。

国内外から症例を集めて病態や治療法を研究します。

何が言いたいかというと、

病名というモノには国際規格があり、厳格な審査が行われます。

が、そのリストに載っているものだけが病気ではない、ということです。

僕がしょっちゅう言っているリーキーガットもその類です。

(リストにあるかに興味はないので調べようとも思いませんが)

なので、標準医療の世界でリーキーガットの存在を認めていない医師も当然います。

が、その病態や治療法についてはきちんと学会/研究会があり、国内外にたくさんの臨床医・研究者がいます。

まずはその点をしっかり調べましょう。

病名や治療法の名前でググれば大体出てきます。

出てこなかったら怪しいです。

存在が確かめられたら、同じ治療を行っている複数のクリニックを調べ、費用の相場を確認しましょう。

保険適用だったらいくらか計算する

診察時間、検査内容、サプリや薬剤は何日分か。

などを鑑みて保険適用と比較してみましょう。

統合医療(オーソモレキュラー)の場合は、特殊なサプリを使用することもありますが、市販されてる物も結構あります。

単に知られていないだけです。

市販品でないサプリも、医師によっては、予算の相談をして安価なものに変えてもらうこともできます。

また、キットを使用する検査は、検査会社に委託するので、検査会社のウェブで値段を確認できるものもあります。

その場合は、個人でも検査可能です。

結果の数字やその解説があるていど理解できれば自己流で方針が立出ることもできます。

「検査結果を持って行って医師を探す」という手もあります。

検査会社は、アンブロシア社ドクターズデータ社、カリフォルニアニュートリエンツ社が多いです。


ちなみにバイオレゾナンスの薬剤は漢方と一般内服薬が多いです。

漢方は独自のものがありますが、大体は保険適用で、統合医療に比べて安価なケースが多いようですね。

また、誤解のないようにいうと、自費診療というのは開業医にとって損しかしない制度です。

診察・検査・処方で3000円を患者が払った場合、クリニックにはもう7000円保険組合から支払われ、合計一万円の売上になります。
(3割負担の場合)

ですので、自費診療で人より儲けようと思う場合、医師は一桁上の値段をつけなければならないです。

そんな高額な医療にお金を払う人は、お金に余裕がある人か、本当に困っている人です。

前者は主に美容整形やアンチエイジング系の治療に多いです。
疾患の治療とは少し違ってきます。

そして後者はごくまれに存在する のような事例です。

とある悪質事例について

具体的な名前を出すことは控えますが、僕がうつ状態をどうにか治療しようと情報をあさっていた時のことです。

とある開業医が自分で発見した病気発達障害の根本原因であると公言していました。

その病名で再度ググっていくらか情報が出てきたのですが、ソースを確認すると、すべてその医師の名前に行き当たります。

同じ情報を共有している医師・研究者は見当たりませんでした。

が、その人は自己流の脳機能改善トレーニングを著書で宣伝したり、メソッド提供のための法人を作って営利活動をしています。

完全にインチキですね。

その当時の乏しい知識やガタガタの思考能力でも「素人舐めるな」と怒りを覚えました。

脳のMRI画像を使って、各部位の形や大きさで診断を下すのですが、Webサイトの料金表を見ると、自費治療で何十万円もの費用がかかります。

僕はむかし、交通事故にあってMRIを撮ったことがありますが、保険適用で1万円もしなかったと思います。

他にも突っ込みどころはたくさんありました。

・脳の部位の大きさや形状が発達障害/精神疾患の原因になる場合は、事故や奇形のたぐいです。人口に占める割合は限りなく小さいです。

・脳機能改善メソッドは、脳の部位と感覚や思考の働きを対応させる「ブロードマンの脳地図」元にしていました。これは半世紀以上前の理論で、現代の脳科学はもっと複雑です。

などなど…

医師が聖職者であるとは思いませんが、ただでさえ弱っている人間を食い物にする人は僕は好きではありません。

医師が新しい病気を作り名前をつけることは別に違法ではない、と書きましたが、あまりいい加減なことをしていると監査が入るようです。

なんで営業停止にならないのか不思議です。

このように、素人の無知を利用して悪だくみをする医師にはご注意ください。

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頂いたお金は新しい治療法の実験費用として記事で還元させていただいております。 昔の自分のようにお金がない人が多いと思いますので、無理はしなくて結構です。