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年金1級からの社会復帰⑤臨床心理学教授T先生との出会い

前章の続きです。

Q.子ども時代からの食生活は?

状況報告

僕はニューロフィードバックという治療法を知り、東邦大学医学部の田崎教授に連絡を取りました。

(※ニューロフィードバックの解説と体験談については にまとめています。)

教授の専門分野は以下です。

・認知科学
・実験心理学
・社会心理学
・臨床心理学
・教育心理学
・認知脳科学
・医療系社会学
・応用行動分析学
・臨床脳科学
etc…

学会のWebサイトより

(※研究者の専門分野は、ミュージシャンのジャンルみたいなもので、人によってとても多岐にわたります。)

まず僕は、教授に伝える自分の情報を整理しました。

現在の症状、通院・診断・服用歴、生育環境、大学院卒業から今にいたる状況 etc…

それができるようになったのもマインドフルネスのおかげです。

それらをメールに添付し、ニューロフィードバックの治療を受けてみたいです、と伝えました。

その返信で聞かれたことは、主として子ども時代から今に至るまでの「食生活」でした。

麺類やパンなどの小麦製品を食べていた頻度、それから乳製品、魚類などはどうでしたか?

そこで僕は「リーキーガット」という概念を知りました。

リーキーガット症候群

日本語で「腸管壁侵漏症候群」といいます。

話がそれるかもしれませんが、実はそれません。

リーキーガットは精神科医の知らない概念ですが、そもそもこれは腸の話です。

病態は で詳しく解説しますが、ざっくりいうと腸壁に穴が開く病気です。

肉眼では見えないので内視鏡で発見できません。
組織を採取し、電子顕微鏡で観察する領域です。

腸壁に穴が開くと何がまずいか?

何を食べても有害になるからです。

昨今「腸活」という言葉がはやり、「脳腸相関」「腸は第二の脳」などと言われますが、ただの健康ブームだと思っていました。

が、腸の状態が発達障害/精神疾患に関係する理由は、とてもシンプルです。

腸は身体の入口だからです。

口から肛門までの消化管は、医学的には「身体の外側」です。

「身体の内側」というのは「血管や細胞の中」を指します。

人体をでかいチクワだと思ってください。

食べた物はどこから「内側」に入るか?

腸壁からです。

腸壁に穴が開いていると、未消化の食物、細菌、寄生虫、有害金属、化学物質、排出されるべき老廃物等が体内に侵入していきます。

こうなると、どんな病気も起こり得ます。

発達障害/精神疾患は脳の病気ですが、脳には有害物の侵入を防ぐ第二の防波堤があります。

「血液脳関門」と呼ばれる、首の動脈にあるふるいのような物です。

ここで栄養素を迎え入れ、有害物をシャットアウトします。
の記事で解説しています。)

ですがこの血液脳関門も、リーキーガットと同じメカニズムで穴が開くことが分かっています。

この現象をリーキーブレインといいます。
(※Leaky:漏れている)

つまり、リーキーガットの人は高確率でリーキーブレイン状態です。

つまり、未消化タンパク質、微生物、重金属や化学物質等がフリーパスで脳に流れ込んでいます。

これらが、 で便宜的に定義した「脳機能低下症」の一因になります。

感情や感覚が不安定になり、集中力や気力が低下し、身体的症状まで出るケースも多いです。

どの物質が脳のどの機能を邪魔し、どんな症状につながるのか。

これが十人十色で、患者に問診だけしている精神科には、病態の区別がつきません。

だから転院のたび病名もコロコロ変わったりするのです。

A.まず先に腸を治療してください。

話は戻り、田崎先生のお返事です。

教授が食生活について尋ねられたのは、リーキーガットが発達障害/精神疾患の治療において最優先確認項目だからです。

現代の小麦はグルテンを大量に含み、腸壁にダメージを与えます。

乳製品に含まれるカゼイン、大豆のレシチン等も同様です。

また海産物(主として大型魚)には水銀が多く含まれます。

グルテン等は胃でアミノ酸に分解されるはずですが、水銀はそれを邪魔し、そのまま腸に入れてしまいます。

(関連情報は

子ども時代の食生活ですが、
給食はパンが多く、牛乳を毎日飲み、実家の食卓にはよくマグロの刺身が並んでいました。(親父の好物です)

それを教授に伝えると、お返事は「現状ではニューロフィードバックを行っても効果は薄い」とのことでした。

なのでまず、腸壁を治してくださいと、ある内科クリニックを紹介されました。

野方にある中村医院という小さな町のお医者さんです。

御年80歳を超えるおじいさん先生が今でも現役バリバリに診察しています。

通常の内科診療もありますが、そのクリニックは標準医療とは違った「バイオレゾナンス」という特殊な医療を扱っています。

バイオレゾナンスの詳細は で解説していますが、いま僕の主軸にしている統合医療(オーソモレキュラー)とは違った視点から治療のヒントを与えてくれ、よく利用しています。

(当事者である僕の強みは、広く浅いジャンル横断的な経験・知識だと思います。医療従事者は自ジャンル外のことは分からず、「分からないから他をあたってください」ともなかなか言えません。)

僕は中村医院に行ってみることにしました。

次章は、半分くらい非保険のクリニックを利用するにあたり、貧乏のきわみにいた僕が資金調達に奔走した話です。

以上です。

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