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【SLAM DUNK GI】164話「異変・負のループ」

2年目のシーズンが終了し、天王山とも言える対戦で勝てなかったものの3位でフィニッシュ。



優勝チームのルームショー埼玉は河田雅史を海外へレンタル移籍を発表。
戦力ダウンは免れない。

3年目こそはと諸星自身、チームも意気込んだ。
しかしそんな気持ちとは裏腹に諸星のコンディションはあがらずにいた。

チームも開幕ダッシュを逃していた。
そしてオフ明けに事件が起きる。


「監督、諸星が来ていません。遅刻です。連絡もつながらないです。」

「何? 何をやっている。今が絶え所な時に。もう一度、連絡をとってくれ。」


しかし、諸星はこの日、連絡を途絶えたまま、姿を現さなかった。

練習後、電話対応をした。



「どうした?サボりか?」

すいません。眠れなくて、、、。やっと眠れたと思ったら、、起き上がれなくて。」諸星

「寝不足か?どこか体調が悪いのか?」

「いや、、、そういうのは特にはないです。」諸星

「そうか。心配かけるなよ。明日はしっかりな!」

「はい。すみません。」諸星


翌日の練習から諸星は参加した。


「諸星、特に何もないみたいだな。」

「(体が重い、、、当たり前か!?)」諸星


諸星のパフォーマンスは下降をたどる。
練習ではまだ見えずらい部分であったが、試合になると顕著に露呈した。

諸星は途中交代。



「どうした?諸星。練習を休んでたら当たり前だ。」

「はい。(もっとやらなきゃいけねーのに)」諸星


諸星の思いとは裏腹にコンディションは上がらず、本人、周囲もにわかに騒がしくなる。


「諸星、体調はどうだ?」

ちょっと、眠れない日が続いてて、、、あと筋肉痛が抜けないっていうか、、、。」諸星


「諸星、病院にいってこい。」

えっ?でも怪我はしてないです。大丈夫です。それより休むのが怖いです。俺みたいな下手くそはもっとやらなきゃ」諸星

「いいからいくんだぞ。」


病院で診断を受ける諸星、


「眠れなくなったのはいつくらいからですか?」

もう半年前くらい、去年のシーズン終盤くらいからですかね。大事な試合が続いていたんでアドレナリンが出ていて、、、。」諸星

「まさか、、睡眠薬は使用しましたか?」

「・・・たまに。」諸星

「そうですか。筋肉痛や疲労が最近は特に抜けずらいと感じていませんか?」

「そうかもしれませんが、眠れてないので当然かと?」諸星


オーバーワーク症候群の傾向が見られます。現段階では軽症といわれる期間、「オーバーリーチング」とも呼ばれています。この段階ではしっかりと休養を入れることが重要です。」

「休養? どれくらいですか?」諸星

個人差はありますが、2週間から数カ月程度休めば、元の状態に回復できると言われています。」

「そんな長い期間?!」諸星

「そうです。しっかりと休んでください。」

「・・・はい。(冗談じゃねーぜ。)」諸星


生理的な疲労が十分に回復しないまま積み重なって引き起こされる慢性疲労状態であるオーバーワーク症候群であった。
幸いのことにこの段階で休養をしっかりとれば回復見込みが高い、軽症、オーバーリーチングだと診断された。
しかしオフ返上で練習を積み上げてきた諸星にとって受け入れがたく、ここで最大の判断ミスを犯してしまう。



「諸星、どうだった?怪我か?」

「いや、なんもなかったです。(休んでられねーよ。)」諸星


諸星はハードなトレーニングを継続する選択をとってしまう。
これは危険なトレーニングと言われる。

中等症段階に入ると、私生活にも影響が出て、疲労がいつもよりひどく、寝つきが悪くなり、トレーニングをするのがおっくうに感じてしまう。重症段階に入ると、身体が疲労しても脳が回復しようとしない、回復自体が出来なくなってしまう。


そしてまたもや、事件をおこしてしまったのである。

とある朝、


「なんだ!? 身体が起こせない!? 病気か?とにかく普通じゃねえ。」諸星


練習を休んだ諸星は、オーバーワーク症候群の傾向との診断を受けたことを初めて明かしたのである。

パフォーマンスが上がってこなかったものの、通常の生活をしていた諸星に対して、周りの理解がされにくい病気なのである。

しかし明らかに精神状態が不安定になっている傾向がみられるようになりうつ状態がしばしば見られるようになる。


「諸星、とにかく休養だ。」

「・・・はい。すみません。」諸星



オーバーワーク症候群の軽症段階、オーバーリーチングとの診断を受け入れ難くハードなトレーニングを継続してしまった諸星は、正に負のループに入ってしまったのである。


諸星大、正式に休養に入る。


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