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原貫太様への手紙

以下は、自分が先程、応援している「原貫太」さんというフリーランスの国際協力師への手紙の全文である。


拝啓 原貫太 様

 原貫太様、突然のお手紙失礼致します。原様のファンの一人であり、いつもYouTubeで勉強させて頂いております、在日ベトナム人です。YouTubeのコメント欄で「Philosopher V」と言う名前で、時々、コメントさせて頂いている者です。
 こちらの手紙は、原様の一人のファンとして、心の底からの喜びを以て、応援及び祝辞の言葉を述べさせて頂くと同時に、謹んで、原様にお願い並びに献呈したいものがございます。ご多忙のところ、誠に恐れ入りますが、ご覧の程、宜しくお願い申し上げます。

 まず原様、昨日に、原様の貴作『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』(原 貫太⦅著⦆、KADOKAWA、2021)が発売されたことについて、大慶至極に存じ上げます。原様が作成・投稿して下さった『【世界と日本の労働問題】2030年、日本は「奴隷」で溢れかえる!?』(https://youtu.be/sBhvgR7Vkj4)が、原様との初めての出会いとなりました。
 その後、原様の動画を拝見させて頂き、そして、まだ深くまで出来ておりませんが、原様のサイトや投稿記事を拝読させて頂き、誠に感銘を受けました。そして本日の二〇二一年十二月十七日、アマゾンを通じて、貴作を注文させて頂きました。熟読かつ味読させて頂きます。

 自分は、今までの人生で、ボランティア活動・慈善活動・寄付活動・国際交流等に参加した人を多く見聞きして来ましたが、残念ながらほとんどの人は、自己陶酔や現実逃避、形式主義や利己主義、偽善や欺瞞等に満ち溢れており、失望ばかりを積み重ねて来ました。
 特に、「技術・技能・知識の移転並びに『人づくり』を通じた相互の国際交流及び親善」等の理念を謳っている日本の技能実習制度・特定技能の業界にいた自分は、本当に色んな「不正」や「悪」、そして、自分自身をも含めた「無知無学ぶり」を実体験をして来ました。
 ですが、直接お会いしたことがなく、ネットを通じてですが、原様を知った後に、「やっと」ボランティア活動・慈善活動・寄付活動・国際交流等の善き正しい面を、本当に学び知り始めることが出来ました。本当にありがとうございます。
 そして、上記のように、事実上、現代日本の奴隷制度である「技能実習制度」の存在と「ごく一部」(氷山の一角)の実態について取り上げて下さったことにも、本当に心の底から感謝申し上げます。

 さて、自分は哲学者を志している在日ベトナム人で、まだまだ、実績も財力も徳行も極めて過不足している者です。ですが、志を懐いている者です。そして、自分の志は、原様の志並びに奮励努力や敢行挑戦等に魅了されました。実に残念なことに、自分は原様の、その実践的な奮励努力や敢行挑戦等には、まだ足元にも遥か及ばない者です。
 ですが、だからこそ、様々な方々を仰ぎ見て、日々学問と徳行を積み重ねております。原様もまた、自分の仰ぎ見る方々の中の御一人様でございます。また、自分は、「自分がその人を尊敬していればいる程、ますます批判しなければならない。」とベトナム戦争で学び教わりました。つきましては、自分が原様の記事や動画を拝読・拝見させて頂いた結果、原様への「協力的かつ建設的な批判」を、謹んで申し上げます。

 今、原様は、その実績に人徳を以て、社会的な善き名声や影響力を徐々に確立させつつあり、そして、早かれ遅かれ、その名声や影響力が拡大することは、間違いないと心の底から思っております。ですから、どうか、心身のご健康を第一にしつつ、原様の力行並びに人徳をますます研磨なさって下さい。
 それと同時に、今、原様は、極めて重要かつ適切な「情報発信」及び「情報提供」並びに「問題提起」をして下さっており、これは非常に有難いことであり、大事なことでございます。ですが、原様は、志のある経験豊富かつ実践的な活動家であり、それは実に素晴らしい徳行と実績であります。
 ですが原様、先哲の遺訓に、「庶(おお)くなれば、次は富ませ、そして、教える。」というものがございます。今、原様の善き活動は、情報や知識等を社会に届けており、既に「人々の獲得した情報量とそれに対する関心や興味」並びに「御自身の知名度や人気・支持等」は「庶(おお)く」なっており、この第一段階は完了したと言えるでしょう。そして今、原様の善き活動は、「人々の知識や議論」並びに「御自身の影響力や財力」を「富ます」という第二段階にあり、この段階が完了するのも、決して遠い未来のことではないと思います。ですが、第三段階である「人々の善意と善行」並びに「御自身の諸徳の研磨」、これこそが、本格的かつ重要不可欠にして至難の挑戦です。
 この段階までに辿り着くことはもちろんのこと、そもそも、この段階に入ることを決行すること自体、極めて困難であり、そして、入ったら最後、多くの困難・苦難・危難等に遭っては、人々や社会、そして本当の自分と出会うことになります。圧倒的大多数の人々はこの第三段階に決して入ろうとしません。ですが、入った後、そこで、様々な試練を克服していかなければなりません。ですがそれらを克服してこそ、その成果は「盛徳大業」となることでしょう。
 私自身は、どういう形や事になるのかは、未だ全く計画どころか想像すらも出来ておりませんが、この第三段階に入って、全力を尽くして、自分なりの極力の成果の「盛徳大業」を成し遂げることを、決行しております。原様はいかがお考えでしょうか?

 原様は、「不条理の無い公正な世界」を実現するという志を懐いていらっしゃると聞きました。立派な志でございますし、自分もこれに共感や支持並びに賛助すること至極なものでございます。
 ですが原様、本心を以て語らせて頂きます。実現可能性が皆無で決して存在しない世界です。これは、天の道です。枚挙の遑(いと)が(ま)無いので、近現代の日本とベトナムから、それぞれ二名の国家規模の著名の善良な名士を例に挙げさせて頂きます。

→ 「中村哲」先生。アフガニスタンで盛徳大業を成し遂げた国士の方ですが、先生がどう亡くなられたかは、もう言うまでも無い程、周知のことです。

→   「Nguyễn(グエン) Thị(ティ) Năm(ナム)」お母さん。自分の祖国ベトナムの女史の方で、かつて、ベトナムの独立革命の時、今のベトナム共産党の前身であった「ベトミン」の多くの党員達を、育てたり、助けたり、匿ったりし、あらゆる私財や家財等を、貧民達や志士達に恵み、そして党に貢納して下さった、愛国者であり、女史の方であり、「国母」と称賛するのに全く相応しい御方でした。
 そんなお母さんの最期は、派遣された中国の顧問と地方の党員に「反革命分子」と断罪され、自分が全面的かつ献身的に養成・援助・協力した者達に、冤罪で銃殺刑に処せられました。これを「慈母殺し」と言わずに、何と言いましょうか?

 原様、不条理は「天の道」であり、そして、「自然の摂理」です。この「事実」を認識して受容しなければ、いかなる善行も徳行も、最終的には大失敗します。
 ですが、「だからと言って」、いいえ、「それでも」、いや、「だからこそ」、「共に」、挑戦し続けるという志を懐き続けましょう!「『誠』は天の道であり、これ(『誠』)を「誠」にするのが人の道」という先哲の格言がございますが、人の道を創っては、挑んで、成しましょう!

 原様、私は、原様の貴作『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』を熟読かつ味読しては、これからも、活動を拝見させて頂きます。
 そして、貴作を最重要参考文献にして、「世界とは何か?」・「正しさ/正しい/正しくとは何か?」・「何を/どう/なぜ見るのか?」等、貴作を批判的かつ協力的に発展・深化させた、拙作『詫寂 哲学的な内省と篤行』を完成させます。
 拙作が、原様や他の方々が、第三段階の道に踏み入り、そして、歩んで行く道の動機付けや助力の一つになれるように、自分は、理論的にも実践的にも奮励努力して参ります。

 その時に、原様に、以下の二点をお願い申し上げたいと存じております。
一)  拙作の序文或いは後書き、もしくは両方に、原様に「仕事依頼」として、原様ご本人からの直々の執筆をお願い申し上げます。
二)  原様のパブリシティ権に基づいて許可を頂き、拙作の販売(Amazon)の際に、原様の御名前や貴作名を使用させて頂くことをお願い申し上げます。
 自分はまだ不徳な浅学浅知の微力者です。ですから、まだまだ奮励努力をさらに積み重ねて、博学篤志・博学審問・博学多識にならなければなりません。自分自身がそうなってこそ、拙作『詫寂 哲学的な内省と篤行』が確りした本当の哲学書になります。
 その時は、原様に、「仕事依頼」として、再度、お願いします。その時は、ご検討の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 最後に、原様、『菜根譚』(93)に、次のような格言がございます。

平民(無位無官の人)であっても、肯じ(がえん)て徳を種(う)え、恵を施せば、これこそ、正(まさ)しく無位の公相(天子を補佐する重職:三公と宰相)である。
士夫(高位高官の人)であっても、徒(ただ)ひたすらに権勢を貪って、寵(おん)を市(う)れば、それはもはや、爵位を有する乞食も同然である。

 原様、政治は「政治家の仕事並びに活動」だけではございません。私達一人一人が、「国家指導者」即ち「意志」として、「政府」即ち「意識」にて、「国民」即ち「心身の諸物並びに諸事」を、徳を以て慈愛しては、徳を以て統治・支配・指導して、徳を以て格(ただ)しくしては、正しくして、善くしていく、これもまた、「政治」(個人)であり、そして、各個人のこのような政治活動こそが、『政治』(国家)の改善や革新等に繋がると、心の底から思っております。

 ソクラテス先生並びにプラトン先生の主要な思想の一つに、『哲人王』があります。そして、その哲人王の例となる一人がプロイセン王国の「フリードリヒ大王」であり、極めて優れた軍事的・政治的な偉業を成し遂げましたが、学問・文化・芸術・音楽等にも通暁した偉大な啓蒙君主でした。(もちろん、父子関係・夫婦関係での深刻な問題や理論と政策の不一致等もありました。)
 そして、極め付きは、後世から整理されて完成した全三十巻に及ぶ『フリードリヒ大王全集』が、生前の偉業と並んで、後世のドイツの基礎となり、絶大な影響を与えました。

 原様、このように、私達は、先哲に学び倣って、有位・無位に拘わらず、「公相」(哲人民)となりませんか?というのが、哲学者を志している自分からの個人的な献言でございます。

 この拙手紙が、原様の支援や助力、そして、さらなるご活躍やご成功になれることを、心から願っております。

敬具
LVNより

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