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「こおりのむこうに」かじり みな子

絵本が好きで、子どもの読み聞かせの時間が好きです。そんな中で、印象に残っている絵本を紹介していきます。今回はきれいな色合いで優しく描かれた冬のお話、かじり みな子「こおりのむこうに」。


こおりのむこうに


「こおりのむこうに」と言うタイトルを聞くと、北の国の寒くきびしいイメージが思い浮かぶかもしれません。そんなイメージとは対照的に、本の表紙には、どこか遠くの民族衣装に身を包んだうさぎの兄弟が、楽しそうにソリに乗る風景が描かれ、きれいなピンク色のフレームに納まっています。

鮮やかな色合いで描かれた絵が、わくわくとした気持ちにさせてくれる楽し気な雰囲気の表紙です。カバーを取ると、光沢のある紙にカバーと同じデザインで印刷された上製本の表紙となっています。

以前、私がバルト三国を旅した時に、リトアニアやエストニアの民俗資料館で出会った刺繍や編み物を思い出しました。寒く暗い季節でも、気持ちを明るくしてくれるような美しい文様です。


本には どんなことが書かれているの?


ストーリーを書いてしまうと、せっかく楽しみにしている方に申し訳ないので、簡単に概要を紹介したいと思います。

うさぎのラビッタちゃん一家がすむ北の山はいま、冬のさなかです。夏に生まれた弟のピントパットくんの調子がよくありません。

「びょういんにつれていこう」とパパ。

そりに荷物を積んで、パパ、ママ、ラビッタちゃん、妹のピョコラッタちゃん、そして弟のピントパットくんは凍った湖をわたって病院へとむかいます。

偕成社 本の紹介ページより https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033521305

ラビッタちゃんの暮らす北の国、冬はきびしい季節でしょうが、そんな自然の中をのびのびと生きる姿がいきいきと描かれています。


どんな人が書いているの?


出版社である偕成社さんに、かじりみな子さんのプロフィールページ(偕成社さんのページ)が用意されています。プロフィールに加え、出版されている他の絵本の紹介もされています。

うさぎのラビッタちゃんのお話は、春・夏・秋・冬と四季を通じて描かれています。「こおりのむこうに」は冬のお話。他の季節のお話が気になる方は、ぜひ紹介ページをのぞいてみましょう。

ラビッタちゃん一家は北の国にくらすうさぎの家族。秋は紅葉のなか初めてのお使いへ、春は緑の山へピクニック、夏は妹のピョコラッタちゃんとカヌーにのって空港へ、そして冬は弟のピントパットくんを病院につれていくために家族で氷の湖をそりで渡ります。うさぎのラビッタちゃんとそのきょうだいの成長を、やさしく繊細な筆で描いた作品です。

偕成社 四季をめぐる、ラビッタちゃん家族の小さなぼうけん(全4巻)紹介ページより https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033521312



わたしのこの本との出会い


絵本のワンシーンをイメージして。オーロラを眺めながらのお風呂、入ってみたい!

たまたま立ち寄った本屋の絵本コーナーで、ポッと光って見えて手に取りました。表紙の色合いが、なんとも鮮やかで美しく、ページをめくるとさらに細かく描写された景色に心惹かれました。

実際に絵本を読んでみると、書かれているお話(文章)は少なめですが、美しい挿し絵が話を語り始めるといいましょうか。実際のお話(文章)に加えて、風景や細かな描写を読み聞かせたくなる絵本です。

余談ですが、この本と出合った頃、知人が飛行機からオーロラを見た話を聞きました。ちょうど北極辺りを通る航路で、カーテンのように空から降り注ぐオーロラと出会ったそうです。

絵本の中にも、オーロラが登場するシーンがあります。「こおりのむこうに」、お話の始まりから終わりまで、お話の風景が緻密に丁寧に描かれており、ついつい読み手の私がその世界に見入ってしまう絵本です。


それでは、また。ふわりとお会いしましょう!

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