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おもしろかったエモ記事

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この割れ切った世界の片隅で

この割れ切った世界の片隅で

コロナウイルスが社会に与えた最も大きな影響は、見えづらかった社会の分断を可視化したことではないでしょうか。

ステイホームできない、明日を生きるのすら精一杯な人。パソコンを持っておらず、家では完全に社会から隔離されてしまう人。勉強ができるような家庭環境でない人。外で遊ぶ自分を自慢げにSNSに載せる人。「クラスターフェス」と称し、コロナに積極的にかかろうとする人。感染者を引っ越しにまで追い込む地方の

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撮りがいのあるギャルに感銘をうけた日

撮りがいのあるギャルに感銘をうけた日

とかく変わったもの、突飛なものはネタにされやすい。

先日の話。成人式の前撮りにいった。前撮りとはいえ、この蒸し暑い時期に振袖とは珍しい。

聞けばおじいちゃんの体調がよろしくないそうだ。元気なうちに振袖姿を見せたいという御家族の心遣い。いい話だ。きっと黒髪で清楚でどこか古風な芳根京子みたいなお嬢さんが、はにかみながら待ってるはずだ。そう思い、ご自宅にうかがった。

芳根はいなかった。代わりと言っ

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サイドノック式シャープペンが好きで入社したら廃番になった話【#忘れられない一本 03】

サイドノック式シャープペンが好きで入社したら廃番になった話【#忘れられない一本 03】

誰にでも、忘れられない一本がある。
小学生の時に初めて手にしたシャープペンデビューの一本、
持っているだけでクラスの人気者になれた自分史上最強の一本、
受験生時代お守りのように大切にしていた一本。
そんな誰しもが持っている、思い出のシャープペンと、
シャープペンにまつわるストーリーをお届けする連載
#忘れられない一本 」。

ぺんてる社員がリレー方式でお届けしていきます。
第3弾は、ぺんてる入

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「知らないもの」って、おもしろくないの?

「知らないもの」って、おもしろくないの?

わたしはよく、
「荒井注(あらいちゅう)のカラオケボックスじゃないんやから」
と言う。

すると、だいたい相手は「なに?(笑)」と聞き返すから、
「元・ドリフターズの荒井注は、ドリフ脱退後にカラオケボックスをやろうとしたんやけど、肝心のカラオケの機材がドアから入らへんくて、開店できへんかったのよ。だから、肝心なものは最初に段取らないと」
などと説明する。
相手は「なるほど」といった顔をして頷くから

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「私にとってBLがNLだもん!」とか言われると「あ゛?」となる件について

結論:それでも男女が恋愛してる創作物の事を「NL」って称すのは差別ですよ

※怒りに駆られてタイトルに「私にとってBLがNLだもん!」などと大分小馬鹿にした表現をしちゃってますが、正味な話「○○だもん!」なんてアニメキャラみたいな口調で駄々をこねてる人は私の脳内にしかいません。「NL呼びはやめて」という主張をしている人は、大分切実な動機でそれをやっていると察しています。

基本的に男性キャラ×女夢

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母に伝えたかったこと

わたしの母は2年前に他界している。認知症になり、体が弱って、岩手の厳しい冬を越せずに死んだ。父が病の進行を隠し通し、施設に入所させた後はプロの手厚いサポートのもとで暮らすようになったため、わたしは母の壊れていった様子をよく知らない。ただ、父は文字と映像ですべての記録を残していたから、あとからどのようであったのかを知ることはできた。パンツを腕に通して着ようとしている画像があった。

「お前には夫婦2

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「先生がオメガを倒したら宿題やってきてやるよ」と生徒が言ったので、わたしはゲームライターになった

(四半世紀前の思い出。間違い、勘違いがいくつかあります。修正しようと努力しましたが、次第につじつま合わせに必死になり、書き上げた時の情熱を自ら消してしまいかねないと気づきました。なので10年以上も迷って、やっとついに書き上げることができたままの文を残しておきます。)

大学生時代、塾講師のバイトをしていた。理由は金。岩手県で「現役東北大学生が勉強を教えます」とぶん回せば仕事がたくさん来た。家庭教師

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『小説家になろう』全作品分析レポート ~前書き・先行研究について~

『小説家になろう』全作品分析レポート ~前書き・先行研究について~

これは『小説家になろう』の全数調査を行い、各種傾向を掴むための分析レポートである。
基本的には作者様に向けたものであるが、読者の方及び『小説家になろう』に興味はあるけど似たようなものばっかりじゃないの? といった疑問をお抱えの方にも是非目を通していただきたい。
全体として文体は堅いものになるが、グラフ等を多用し技術的なことを最小限にすることで見やすさにも配慮した。軽い気持ちで読んでいただければ幸い

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六本木のスラムで古代コーカサス人のように暮らそうとしたOLの話

六本木のスラムで古代コーカサス人のように暮らそうとしたOLの話

私が古代コーカサス人を目指すようになるまで「職場からそれなりに近い」というだけの理由で住んでいた六本木の街は、暮らすには最悪の場所で、当時、私の住んでいたアパートは、古くて汚くて治安の悪い、スラムのような場所だった。

 週末は特に最悪で、土曜日の朝には、朝日がきらきらと光る街道の植え込みに、ゲロにまみれた人間たちがゾンビのように倒れていた。



 職場の同僚たちは、どういうわけか六本木に完全

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100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。

はじめに

コンビニ 便利ですよね。

お弁当 飲みもの おかし 雑誌 タバコ お酒 日用品。必要なものはコンビニに行けばだいたい売っています。昼食やコーヒーを買うために毎日同じコンビニで買い物するという人もたくさんいるでしょう。もはやコンビニで買い物することは現代人にとって生活の一部といえますね。

ただ、毎日おなじものを買っていることで「店員さんにあだ名を付けられているのではないか」と不安にな

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限界腐女子による小説の書き方講座

限界腐女子による小説の書き方講座

自カプのPixiv検索件数がサイドンのR18より少ない全ての腐女子に捧ぐ。

はじめに自カプが少ない!自カプがマイナー!
そう嘆いているそこのお前、お前は自カプを増やしているだろうか。

増やしているならこの記事は必要ない。お前が増やした自カプに救われる同カプの人間はきっといる。救われるのが、ひょっとしたら10年後とかになるかもしれないだけだ。

増やしていない腐女子、お前はいったい何をしているん

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死を覚悟した話

死を覚悟した話

2019年のある日、非常に鮮明に「死」を感じたことで確実に生き方が変わったという話です。

(誰に向けての話?)まずひとつ目に自分のためです。この鮮烈な情動も、恐らく(悲しいかな)時間とともに薄れていくので、文字として残しておくことで未来に少しでも思い出しやすくするようにしたい。

もうひとつは、なにかずっと憧れや夢、行きたい場所、なりたいもの、そういったものがあって「でも」とためらっている、足踏

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やさしい世界の端っこ

インターネット老人的な経験則では「一定量・数は仕方がない」ということは分かっているのですが、長期的に気になっていることがあるので、一休さんのとんちのように綺麗な解決法があれば教えて欲しいというポエムです。

「虎の赤ちゃんは人を噛んでこないので抱っこできる」というのを聞いたことがある人はいるだろうか?

実際のところは安全だのそうでないだの、そもそもそういう扱いは動物虐待的な観点でよくないだのいろ

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