crossasia

音楽マネージャーとライター、事業家などに夢中になっているうちに、いつの間にかかなりの月…

crossasia

音楽マネージャーとライター、事業家などに夢中になっているうちに、いつの間にかかなりの月日が経ちました。何か新しい楽しみを発見している最中です。

記事一覧

欲望の遺伝子

傲慢で強引な人は社会での競争に強い 少し考えればすぐに分かることだが、「ずるくて」「ケチで」「強引な」人間は人の迷惑をまったく考えないので、人間社会での競争にも…

crossasia
1日前
28

寝台列車

その時、寝台列車で東北地方への公演に向かった 音楽マネージャーの仕事をしていた時、よく寝台列車に乗った。今は日本中を新幹線が走るようになり、飛行機による移動も地…

crossasia
2日前
41

ひいきの相撲取り

好きな相撲取りはいつもいた 私は必ずしも熱狂的な相撲ファンではない。しかし、そうは言いながら、いつもそれなりにひいきの相撲取りはいた。小さな子供のころのことだが…

crossasia
4日前
34

都市を歩くのが好き

都市には多様なモノ、コトがあふれている 人にはいろんな嗜好があるけれど、私はひたすら都市を歩くのが好きだ。田舎や田園地帯が嫌いというわけではない。どこを歩くのも…

crossasia
6日前
64

物々交換の美学

ほぼ同じ価値のものを交換する 近くに住む友達が、といってもかなりのオジサンが、ホッチキスを借りに来た。近くのコンビニにいけば売ってるよと言いたかったが、オジサン…

crossasia
8日前
51

「シャッター街」は近い未来の産業資源

向かいの寿司屋が、いつの間にかあの牛丼チェーンに! いつの間にか、家の近くにあった商店街がシャッター街になり、豆腐屋や蕎麦屋、うどん屋、中華食堂、コインランドリ…

crossasia
8日前
47

まったく似ても似つかない二人なのに、すぐに混同してしまう不思議

北村と奥村はどっちがどっち 高校生の頃、クラスで親しくしている二人の友人がいた。おかしなことに、私はいつもその二人を混同してしまう。その中の一人は北村といい、あ…

crossasia
9日前
37

巨大ネタ寿司と、鉄板大お好み焼き

大相撲の力士が駆け付けてくる巨大ネタ寿司屋 私が小さいころ、近鉄南大阪線の沿線の阿部野橋駅から数駅のところ辺りに有名な寿司屋があった。実は私自身はこの店に直接行…

crossasia
10日前
37

北山の空に一線を描く五月のひこうき雲

美しい青いキャンバス私を切り裂く白い線 私が勤務しているビルのバルコニーから北山の連峰が一望できる。京都のビルは、高層とは言え東京や大阪に比べて中層が多く、本来…

crossasia
11日前
38

柴又という幻視の町を作り上げた二人

柴又といえば「寅さん」と「帝釈天」 名所や世に知られた場所が映画の舞台になり、映画のヒットによりその名がさらに知られるようになることはあると思う。「葛飾柴又帝釈…

crossasia
13日前
43

がんばれ「二十世紀梨」

白桃と「二十世紀梨」が私にとっての果物の王様 私は岡山県に多少縁があり、岡山県が白桃と梨の産地として知られていたこともあって「白桃」と「二十世紀梨」が大の好物だ…

crossasia
2週間前
50

「緑道」という現代の迷路

大都市の裏を密かに走る「蛇崩川緑道」 私はかつて、世田谷の弦巻というところに住んでいた。もともと関西から急に引っ越したということもあって、住むまでこの地のことは…

crossasia
2週間前
71

カメムシがこわい

都市に住むものを臭いで脅かす昔ながらのインベーダー 今は京都のマンションの7階に住んでいるが、ほとんど全面が窓になってる部屋がいくつかある。昼間から夕方まではカ…

crossasia
2週間前
35

あの頃のオーケストラの全国ツアー

マネージャー時代のおかしな思い出 私はクラシック音楽のマネージャーを12年くらいやっていた。12年経ったころに急にマネージャーを辞めたということではなく、そのころ日…

crossasia
2週間前
43

パッケージが客を馬鹿にし過ぎてないか

日本のパッケージは、消費者の方を向いているか? 最近の商品パッケージはよくできている。お菓子でも何でも個分けで、しばらく置いておいても湿気ることはないし、食べき…

crossasia
2週間前
53

30年前の海南島

成功が約束されていた海南島が抱える不吉な未来 それすらも明確ではないが、記憶のキャパシティの限界ギリギリを探れば、それは30年くらい前のことではないかと思う。どこ…

crossasia
2週間前
25
欲望の遺伝子

欲望の遺伝子

傲慢で強引な人は社会での競争に強い

少し考えればすぐに分かることだが、「ずるくて」「ケチで」「強引な」人間は人の迷惑をまったく考えないので、人間社会での競争にも強い。また、こういう人には公正・公平という観念が弱いし、法を曲げることにも比較的に躊躇がないので、基本的にはこうしたタイプの人が社会的に成功を収めることが多い。しかし大方の人はこの事実を認めるのが悔しくて、テレビの時代劇などでは、「天につ

もっとみる
寝台列車

寝台列車

その時、寝台列車で東北地方への公演に向かった

音楽マネージャーの仕事をしていた時、よく寝台列車に乗った。今は日本中を新幹線が走るようになり、飛行機による移動も地方飛行場が整備されるようになって、詳しくは知らないがおそらくレジャー仕様の豪華なものを除けば、寝台列車という存在は過去のものになっているのだと思う。当時私が寝台列車に乗る必要があったのは、遠方の公演地で午前中か午後一番でコンサートが開演す

もっとみる
ひいきの相撲取り

ひいきの相撲取り

好きな相撲取りはいつもいた

私は必ずしも熱狂的な相撲ファンではない。しかし、そうは言いながら、いつもそれなりにひいきの相撲取りはいた。小さな子供のころのことだが、4歳下の私の弟は典型的な「巨人・大鵬・卵焼き」大好きタイプで、世の流行に追従しがちで、そのころは熱狂的な大鵬ファンだった。私は弟とはアプローチが違っていて、いわゆる「嫌いで好き」というやや変則的なパターンだった。「嫌いで好き」というのは

もっとみる
都市を歩くのが好き

都市を歩くのが好き

都市には多様なモノ、コトがあふれている

人にはいろんな嗜好があるけれど、私はひたすら都市を歩くのが好きだ。田舎や田園地帯が嫌いというわけではない。どこを歩くのも基本的には好きだが、都市を歩くのはそれとは一味違ったものがあるという程度に認識していただければありがたい。都市を歩くのが好きである第一の理由は、都市には多様な事物が含まれていて、無限といっていいほど関心を持つ対象が多いということがある。ざ

もっとみる
物々交換の美学

物々交換の美学

ほぼ同じ価値のものを交換する

近くに住む友達が、といってもかなりのオジサンが、ホッチキスを借りに来た。近くのコンビニにいけば売ってるよと言いたかったが、オジサンの顔が真剣だったので、そのままホッチキスを渡した。オジサンはホッチキスを返す意思が全くないみたいで、彼なりにほぼホッチキスの価格に見合う、パッケージに入ったままの筆ペンみたいなものを置いて帰った。これは目新しいことではなくて、彼の高校生時

もっとみる
「シャッター街」は近い未来の産業資源

「シャッター街」は近い未来の産業資源

向かいの寿司屋が、いつの間にかあの牛丼チェーンに!

いつの間にか、家の近くにあった商店街がシャッター街になり、豆腐屋や蕎麦屋、うどん屋、中華食堂、コインランドリーが静かに町内から姿を消した。実際のところ、私たちはこの変化の理由も結果も分かっていたはずだが、ついついチマチマした便利さと、何となくの小ぎれいさに負けて、大型の商業施設を受け入れてしまったということなるんだろう。しかしこの手のものは、景

もっとみる
まったく似ても似つかない二人なのに、すぐに混同してしまう不思議

まったく似ても似つかない二人なのに、すぐに混同してしまう不思議

北村と奥村はどっちがどっち

高校生の頃、クラスで親しくしている二人の友人がいた。おかしなことに、私はいつもその二人を混同してしまう。その中の一人は北村といい、あとの一人は奥村といった。まったく顔のタイプも性格も、少しも似通った部分はないのに、その一方の名前を呼ぶ場合も、実際に私が頭の中で一方の友人のことを考える場合にも、必ずと言っていいほど混同してしまう。具体的に言えば、頭の中では北村を相手に言

もっとみる
巨大ネタ寿司と、鉄板大お好み焼き

巨大ネタ寿司と、鉄板大お好み焼き

大相撲の力士が駆け付けてくる巨大ネタ寿司屋

私が小さいころ、近鉄南大阪線の沿線の阿部野橋駅から数駅のところ辺りに有名な寿司屋があった。実は私自身はこの店に直接行ったことはないのだが、親父が週に一度は大きな寿司折りを土産として持ち帰ってきていたのだった。この店の寿司はネタが巨大で、穴子やウナギは一つの握りにそれぞれ一匹分のネタが載る。蛸は、大きな足の部分を四等分したものが一つの握りに載っている。そ

もっとみる
北山の空に一線を描く五月のひこうき雲

北山の空に一線を描く五月のひこうき雲

美しい青いキャンバス私を切り裂く白い線

私が勤務しているビルのバルコニーから北山の連峰が一望できる。京都のビルは、高層とは言え東京や大阪に比べて中層が多く、本来は東山、西山、北山の峰もすべて見えるはずだが、残念ながらこのビルの西側に大きなビルがあって、比較的大きなビルの少ない北山の峰が美しく見える。もちろんこれは都市の景観に関わるビルの高さ規制によるもので、辛うじて多くの場所から五山の送り火が見

もっとみる
柴又という幻視の町を作り上げた二人

柴又という幻視の町を作り上げた二人

柴又といえば「寅さん」と「帝釈天」

名所や世に知られた場所が映画の舞台になり、映画のヒットによりその名がさらに知られるようになることはあると思う。「葛飾柴又帝釈天」もそうした例の一つと思われがちだが、私は必ずしもそうだとは思わない。松竹映画「男はつらいよ」シリーズは、山田洋次原作・脚本・監督(一部作品除く)、渥美清主演で1969年に第1作が公開され、その後26年間で全48作品が公開された。まさに

もっとみる
がんばれ「二十世紀梨」

がんばれ「二十世紀梨」

白桃と「二十世紀梨」が私にとっての果物の王様

私は岡山県に多少縁があり、岡山県が白桃と梨の産地として知られていたこともあって「白桃」と「二十世紀梨」が大の好物だった。大正時代までは岡山県で「二十世紀梨」が盛んに栽培されていたが、今では岡山県の風土に合った幸水梨系のタイプが中心になっていると聞いている。だから私の中では、桃と聞けば白桃、梨といえば「二十世紀梨」というイメージが強く、果物が食べたくな

もっとみる
「緑道」という現代の迷路

「緑道」という現代の迷路

大都市の裏を密かに走る「蛇崩川緑道」

私はかつて、世田谷の弦巻というところに住んでいた。もともと関西から急に引っ越したということもあって、住むまでこの地のことは全く知らなかった。弦巻に住んでしばらく経ったころ、どこに行くかを決めずに家の周辺を散歩した。すると、公園から接続したところに、周りを小さな樹木に包まれた路地のような通路が開いていた。
不思議な通路なので、好奇心に駆られてどんどん進んでいく

もっとみる
カメムシがこわい

カメムシがこわい

都市に住むものを臭いで脅かす昔ながらのインベーダー

今は京都のマンションの7階に住んでいるが、ほとんど全面が窓になってる部屋がいくつかある。昼間から夕方まではカーテンを開けておけば、シーリングライトが必要ないくらい明るく過ごせる。部屋に住み始めた時は、何よりそれが嬉しかった。ところが夜になると、当然ライトを点けなくてはならない。住んでいる私たちにすれば、そのままで問題ないのだが、夜間に私たちのマ

もっとみる
あの頃のオーケストラの全国ツアー

あの頃のオーケストラの全国ツアー

マネージャー時代のおかしな思い出

私はクラシック音楽のマネージャーを12年くらいやっていた。12年経ったころに急にマネージャーを辞めたということではなく、そのころ日本中に博覧会ブームが到来した。しばらくの間は、音楽とイベントの業際でいろんな仕事を兼業していたが、やがて博覧会関連のプランや運営の方の仕事が圧倒的に多くなって、いつの間にか博覧会屋になってしまっていた。
しかしイベントの仕事は、やはり

もっとみる
パッケージが客を馬鹿にし過ぎてないか

パッケージが客を馬鹿にし過ぎてないか

日本のパッケージは、消費者の方を向いているか?

最近の商品パッケージはよくできている。お菓子でも何でも個分けで、しばらく置いておいても湿気ることはないし、食べきらないでもおいておける。ところが外袋を開封しようと思っても、簡単に開封できない。しかもパッケージの原料となるプラスチックの性質もあって、必ず一方向に裂けるので、メーカーの思惑通りに開封したら一気に全部食べきるしかない。それだけではない、プ

もっとみる
30年前の海南島

30年前の海南島

成功が約束されていた海南島が抱える不吉な未来

それすらも明確ではないが、記憶のキャパシティの限界ギリギリを探れば、それは30年くらい前のことではないかと思う。どこにでも顔を出す国際的な巨大な財団が、中国の海南島に「エコツーリズム」の課題を探る調査団を派遣することになった。団長は都市交通の専門家である大学の教授で、私が副団長として随行することになった。なぜ私が副団長かといえば、私は音楽プロモーター

もっとみる