小林 良彦(Yoshihiko Kobayashi)

原子核物理学者/科学コミュニケーター。Twitterよりは長く書きたいことを書き付けたい。バミュ~ダ海域、ハワイはワイキキ、世界をまた~に~♪

水俣病思索:「ごんずい」152号の感想

10連休で話題となった今年のGWは熊本県の水俣を訪れた。水俣病センター相思社が企画したツアーに参加するためだ。とても有意義な訪問だった。帰り際には、相思社の機関紙「ごんずい」の最新号(152号)も頂いた。これ機に、相思社の活動も応援すべく、「ごんずい」の購読を決めた。

今回の記事では、頂いた「ごんずい」152号の感想を書きたい。

まず、葛西伸夫氏の報告「熊本県立大学で講話」が興味深い。葛西氏は

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線香花火に潜む最先端の科学

あとに残されるものは淡くはかない夏の宵闇(よいやみ)である

随筆家でもあった物理学者、寺田寅彦博士(1878~1935)は、線香花火を描いた文章※でそう語っている。確かに、夏の夜にする花火の中でも、それが持つ独特の存在感は味わい深い。その会に終わりを告げるような存在でもあり、儚い光で夏の終わりを感じさせたりもする。
※『忘備録』収録の「線香花火」

第66回目「サイエンスカフェ@ふくおか」では「

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花びらの枚数とフィボナッチ数

植物の花や葉を見ると、何か規則性を持って並んでいるように感じる。理科の授業では、「日が当たるよう、できるだけ重ならないようになっている」などと習う。ただ、その背後にある規則性について、さらに追及しようとする場合、「力」が必要になる。

その「力」の一つは「数学の力」なのだろう。

第65回目の「サイエンスカフェ@ふくおかは」は「数学的に美しい?」というタイトルの下、スピログラフという玩具を通して、

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努力する「怖さ」と「勇気」

功績は努力に支えられている。エジソンの「99%の努力と1%のひらめき」にも込められているよう、「ひらめき」や「才能」も重要だが、それを活かすための絶えまない努力が不可欠なのだ。

しかし、努力は簡単にできることではない。他方で、「努力しなさい」「頑張りなさい」と言うことは簡単だ。それで人が変わるのであれば、若者は苦労しない。

だからこそ、自分から「努力しよう」「頑張ろう」と思うこと、そして、そう

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原子爆弾の〈感銘〉

人類が核エネルギーを兵器としても使えるようになってから、既に70数年が経つ。しかし一方で、人類はその(兵器にも使える)核エネルギーとどう向き合うべきかを自問し続けている。

「唯一の被爆国」とされる日本のメディアでは、終戦記念日(や3.11)などに核エネルギーについて取り上げられる。そこではもちろん、明るい話題としてではなく、どこか暗い話題、歴史の闇、といった具合に語られる。

しかし、核エネルギ

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葛藤との向き合い方を考える

学会の帰路だった。新潟(※1)へ向かう高速バスまでの時間がずいぶんあったので、郡山駅前の映画館に入った。映画『ちはやふる(上の句)』が公開されていたので、Perfumeファンということもあり(※2)、チケットを購入した。
※1 当時の所属が新潟大学だった。
※2 Perfumeが映画『ちはやふる』のテーマソングを担当していた。

競技かるたに情熱を注ぐ高校生たちを描いた青春物語なのだが、競技かるた

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