おもちゃ箱から選ばれるのはひとつだけ

心のしなやかさに関する研修を受けた。
ストレスを感じた時の対処法、アサーティブなコミュニケーション、認知行動療法のフレーム、が主な内容だった。
結構詰め込んだあの3時間の研修で、どこまで相手の人生を良くする手立てとなれたのか、正直私にはわからない。

セミナーや研修、イベントに行くと、その場では多数の情報を得る。
本でもそうで、気を付けるべきことや新しい視点、知っておくべきこと、考え方など、1回・1冊で得られる情報は膨大だ。
だけどその中から、生活に活かして実践していけるものはどれくらいだろうか。
Think Clearlyを読んでいたら、本を一度読んだだけで得られるものはそこまで大きくないということが書いてあり、だから著者はもう一度読むことを勧めていた。
それに則って今、本は2周読むことにしたけれど、それでもその場では理解しても実践できないし忘れてしまうようなことだらけだ。

アサーティブなコミュニケーションも、認知の歪みのフィルターとして存在する項目たちも、認知行動療法の枠組みも、もう認識してはいる。
知っていて、少しは理解している。
だけど自分で一人で実践してみてと言われても、どれが何に該当するのかあまり気が付くことからできない。
そもそもそこに当てはめるような状況が今の自分に存在しているのかから、よくわからなくなってしまう。
価値があるとわかっていて興味があってなお、その先の活かし方ができていない。

知らなかったことを知ることは、それだけで価値がある。
もう一歩進むと、知ったことを実践することが必要になる。
ただそれは、急にハードルが上がるようで、一人でそれをやってと言われてもなかなかできないし思いつかない。
そもそも何をどう活かすのか、得た膨大な情報の中で記憶の意識下に置いておけるものはほんの僅かだ。

チェックシートを常に眺めるわけにも、忘れないために丸暗記するわけにもいかない。
知ったことを理解して実践するために必要なのは、一体なんなのだろう。

人は一度に複数のことを気を付けることが得意でないから、1回で得た膨大な情報のうちの自分がフォーカスしたい細分化されたひとつに絞って実践のために行動し考えることだったら、できるだろうか。
歩みが遅くてもそれくらいなら、なんとかできるように思えてくる。
でもそしたらいっそ、そのフォーカスしたいひとつを集中的に学ぶ方が、人生に与える影響力という意味ではいいのかもしれない。

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