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日本人がピンときにくい「サステイナビリティ」を意識したアメリカのサービス3選

アメリカにきて、日本にいたときより圧倒的に聞くようになった言葉がある。「Sustainability(サステイナビリティ)」だ。

単純に訳せば、「持続可能性」。社会・地球環境・私たちの日々の暮らしを持続し、将来に渡り保護し続けるという概念である。下記のnoteが非常にわかりやすいので、興味のある方は全文読んでみて欲しい。

サステイナビリティ学は、持続可能性に関することであれば何でもその範囲に入る学際領域。気候変動、生物多様性、エネルギー、食料・保健、自然災害、人口、経済、都市化、技術革新、シェアリング、ライフスタイルなどなど、さまざまな研究テーマに取り組む人が集まっている。サステイナビリティ学は、研究テーマによって規定される分野ではなく、「サステイナビリティ・持続可能性」という概念で規定される分野である。

参照:https://note.mu/translocal/n/n1aa51694a633

日本では、企業による社会的活動、CSR(Corporate Social Responsibility)の一貫で語られることが多く、まだ個々の人々の暮らしにはあまり浸透していないように思う。Sustainabilityによって語られることの多い環境汚染問題にフォーカスすると、日本は「1人が排出する使い捨てプラスチックごみ量」がアメリカに続き、世界第2位。フードロスの分野では世界第6位、アジアに限ると第1位という結果である。

アメリカに住んでいると、結果に反映されているかは一旦置いておくとしても、個々のSustainabilityに対する意識が高く、日常的に「私はこんなことをしている」「この仕組みはおかしい」という話題になることがよくある。先日まさに友人とそんな話になり、「こんなサービス/会社があるよ!」というものを教えてもらったので、いくつかまとめられればと思う。(実際に話題に中に出てきたものなので、みんな感度が高いなとびっくりした。)

JUST WATER

JUST WATERはその名の通り水を売る会社で、俳優ウィル・スミス氏の息子ジェイデン・スミス氏が立ち上げたことでも有名である。2015年に設立され、最初はWhile Foods(アメリカの大手スーパー)のみでの取り扱いだったのだが、昨年よりアメリカ全土、さらにはイギリスにも販路を拡大している。

注目されている点のまず1つ目はボトル。従来のペットボトルではなく、再生可能率82%の紙容器と、サトウキビ由来のバイオ素材プラスチックのキャップを用いている。通常のペットボトルの製造過程と比較して、74%ものCO2を削減できるとのこと。ジェイデン・スミス氏が幼いころサーフィンをしていた際に、海にたくさんのプラスチック容器が浮いているのを見て、問題意識を持ったところから着想を得ているようだ。

また、ニューヨーク州の北東にあるグレンズ・フォールズ市で水の採取・製造が行われており、直近50年で25%も人口が減少し過疎化が進んでいる地域に、多大なる税収と雇用をもたらした。工場も税収の減少に伴い、市で維持が不可能になっていた教会を改装したもの。JUST WATERの繁栄に伴い、数年で1億円以上の新たな税収を得たとのことなので、コミュニティに与えた影響は計り知れないものである。

紙パックの中の水は、JUST WATERが市から天然水を買い取って詰めているのだが、1つわからなかったのが通常価格の6倍の値段で買い取って販売しているとのこと。「消費者が高いお金を払って、製造者が安いお金で仕入れ、差分が利益になる」のがビジネスの基本だと思うのだが、下図の通りJUST WATERはそれが真逆とのこと。どうやって収益を出しているのか気になったが、調べてもわからなかった。。

BOMBAS

BOMBASはニューヨーク発の靴下のブランド。話していた方がBOMBASの広告モデルを務めているらしく、その流れで教えてもらった。私は会社名の由来が好き。

Derived from the Latin word for bumblebee. Bees live in a hive and work together to make their world a better place. They're small, but their combined actions have a big impact on the world. We like that. That's why our mantra is bee better. We put this reminder inside each Bombas clothing item as a reminder that that little improvements can add up to make a big difference, and that your purchase went towards directly helping someone in need.

参照:https://bombas.com/pages/about-us

「会社名のBOMBASはラテン語でハチが由来。ハチは自分たちの世界をより良くしようと力を合わせて働いている。1匹1匹の力は小さいけど、力を合わせれば大きなインパクトが生まれる。我々もそんな風に小さい改善を積み重ねて、世界を変えよう。

実際のサービスも彼らの社名に込められた思いが強く繁栄されており、1足靴下が売れる毎に、ホームレスのシェルターに1足靴下が寄付される。創業約5年ですでに2,000万足以上が寄付されている。

ニューヨークは非常にホームレスの多い街だ。道を歩けば1ブロックに1人は必ずいるほど街はホームレスで溢れかえっており、ホームレスに馴染みの薄い日本出身の私も毎日すごく考えさせられる。ホームレスを収容するシェルターには様々な物品が各所から届くが、意外にも一番不足し、必要とされていたのが靴下だったらしい。そこから発想を得てBOMBASは立ち上がった。

BOMBASに関しては、プロモーションも話題になった。街に佇む男性が見つめる先には、「You can't buy this socks」の文字。「買えない?どういうこと?」と思うのだが、実はこちらの写真の靴下は実際にホームレスシェルターに寄付されるもの。寄付されるものは、通常のもの以上に縫い目を強化し耐久性を向上させ、抗菌効果のある素材を使い、汚れや摩擦が目立たない色が意図的に選ばれている。BOMBASはこの技術をSOCK TECHと呼んでいる。

WEB上では確かな情報が見つけられなかったのだが、情報を教えてくれた彼いわく、新しく従業員が入社した際は全員にBOMBASの靴下が詰まったダンボールが無料で送られ、家族にあげるもよし、ホームレスの方に配るもよし、自分のコミュニティに配るもよし、ということらしい。従業員満足度がとても高い会社らしいのだが、それも納得である。

Apeel Sciences

ビル・ゲイツが投資をし、累計120億円調達していることでも有名な、カリフォルニアに本社があるApeel Sciences。フードロス問題の軽減を目指し、青果物の腐敗を遅らせるスプレーを開発する会社である。

毎年、食糧用に育てられた食べ物の3分の1(約13億トン)が廃棄されているという事実をご存知だろうか。もちろん消費者が買ったあとに破棄してしまうというケースも多いのだが、それ以上に深刻なのが販売前の段階での破棄。特に、冷蔵物流がまだ発達していない地域では、野菜や根菜類がまだ食べられるのか腐っているのか判断ができず、廃棄してしまう場合も多いらしい。

Apeel Sciencesの創業者は鉄の錆の進行から着想し、野菜の表面の水分の蒸発と酸化を防げば、腐敗を2〜3倍遅らせられると仮定。表面に吹きかける植物由来のスプレーを開発した。動画がすごいので、ぜひ見てみて欲しい。

日本でも人気のCOSTCOや、アメリカのスーパーマーケットKrogerで扱われているらしいのだが、昨年から導入され、すでに小売段階での食品破棄が50%に抑えられているというのだからすごい。

黒人コミュニティの中でのSustainability

ツイッターでもコメントしたのだが、先日アメリカ・ジョージア州のモアハウス大学で衝撃が走った。投資家のロバート・F・スミス氏が約400名分の学生ローン(約44億円)を肩代わりすると発表したのだ。

モアハウス大学は、90%以上の学生が黒人の大学。自身も黒人であるロバート・F・スミス氏ははっきりと言葉には出さなかったが、今だに差別が存在する黒人コミュニティをより高め、励まし、豊かなものにしたかったのは明白だ。

私は今アメリカ在住のためCNNのニュースも見ていたが、まさにSustainabilityを感じさせる一幕があった。インタビューに答えていた学生は、元々貧しい家庭に生まれ、一時期はホームレスとして暮らしていた。しかし、このままではダメだと一念発起。年間約550万円、4年で2,000万円以上のローンを抱える決意をして、モアハウス大学に進学した。寄付を受けられるとわかり、感極まった様子で「この恩は自分が卒業後に社会に貢献することで返していきたい」と真剣に語ってた。自分が受けたものを、次の世代に返していく。上記にあげたスタートアップのサービスたちと比較すると、1つのコミュニティ内での出来事ではあるが、これももちろん立派なSustainabilityである。

Sustainabilityの有無が1つの購買基準になる日は遠くない

上記の活動たちは、環境・社会・我々の将来にとっていいものであることは間違いない。しかし、それを除いても企業としてSustainabilityを意識した行動に取り組んでいくことはメリットがあるように思う。というのも、既存の特権や見栄にとらわれないミレニアルたちは、同じような価格の同じような商品が溢れかえっている今、何を選べばいいかわからなくなっている。日本はまだSustainabilityという考え方がピンきていないミレニアルが多いと思うが、アメリカでは環境や社会への影響を軸に商品を買う人が増えているように思う。

「どうせ買うなら、私たちの環境・社会・未来にとって良いものを。」そんな風な購買基準が主流になる日が、そう遠くないのではないかと今回たくさんの事例を見て思った。

募集

上記含め、アメリカから日本に持ってきたいサービスがいくつかあるのですが、コネクション・英語力などの面で苦戦しています。人の紹介など、有益な情報等ありましたら、下記よりDMでご連絡いただければとても喜びます!

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私の経営している会社サイト:https://genic-lab.jp/
※ニューヨークでの撮影やトレンド調査などのお仕事も受け付けております。お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡くださいませ!

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木村 優紀子(Yukiko Kimura)

株式会社GENIC LAB 代表取締役CEO https://www.genic-lab.jp/ Instagram:@yukiko.423 Twitter:@yukiko_423

”国際系” note まとめ

This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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