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親である私達が忘れてはいけない事

親というものは、子供に多大な影響を与える。だからこそ親の普段からの言動が大事になってくるのだ。影響を与えるものが、親の毎日の何気ない一言かも知れないし、一瞬見せる眼差しかもしれない。
子供は良く親を見てるし、特に幼い頃は親の言うことが絶対だと思っている。
たとえ親が傷つけようと発言した訳ではなくとも、子供は親から傷つけられた言葉などはしっかり覚えているものだ。
私も申し訳ないが、今まで子供達にいくらか傷つけているし、私が親に言われた幼い頃の記憶も、その瞬間の血の気が引くような感覚でさえもはっきり覚えてる。


今回『自閉症を生きた少女2 思春期篇』(天咲心良著)を読んで、子供の考えは親の言動から始まるのだ、と改めて感じた。
親の言った一言がその子の思考の根本となり、色んな経験や様々な人との出会いで自分自身の思考が作り上げられていく。でも、初めは親の言動が絶対なのだ。たとえそれが間違っていようとも…


脳なし、キチガイ、ブス、…………
こんな酷い言葉を親から投げかけかれて、彼女(心良さん)は自分は何も出来ない、何も続かない、醜い人間以下の人間だと思い続け、親や人に迷惑ばかりかけているどうしようもないクズだと思いこんでいた。いわゆる自己肯定感がかなり低い。

(前回noteに書いた小学校篇は、自閉症の子達がいつもどんなふうに物事を感じているかが主に描かれていたが、2巻目のこの本は、自閉症というより虐待を受けた子はどうなっていくか、どう感じているのかが描かれている印象を受けた)

心良さんの父は短気で気に入らない事があると罵声を浴びさせ、母も冷たい人、姉と祖母はグルになって心良さんをいじめ、心良さんの居場所がない辛さと、どうにかして気に入られようと頑張る姿が痛くて苦しくて仕方なかった。

子供は、どんなに酷い親でも、自分の言動に対して笑顔になってくれたら、認めてくれたら嬉しくなるもの。
子供はその為に、空回りしても何しても、親の笑顔の為に頑張ったりする。その健気な姿が痛々しかった。



そして、私自身も、我が子に頑張らせているのではないか、と思った。
「苦しかったらやめても良い」と、娘のバイオリンも息子の中学受験も、時折言ってきたが、「自分の為に頑張ってほしい」と伝えてきた事が、実はそう伝えた親の言葉を忠実に守っていただけなのかもしれない。
まだまだ、『自分の為』なんて言われてもよくわからない年齢だったし、未来の為に今自分がしなければならない事を考えるなんて、難しいはず。

自分の為⇒⇒⇒親に好かれる自分になる為⇒⇒⇒親が喜ぶ為 となっているのではないだろうか、と感じた。

親は自分の長年の経験から、色んな事が分かる。今すべきこと、例えば、勉強なんてする必要あるのか…?と誰もが子供の頃疑った時期があっただろう…
だが、大人になった今では、ある程度勉強していないと自分のしたい仕事には就けないのだと分かる。

そういう事を親は子供に教訓として諭したくなる。それ自体は問題ないが、そこから拡げて自分の思い通りにしようとするのは間違っている。
まして、上記で述べたように、親の言動は大きく影響する。親の考えが幹となり、色んな方向へ枝を伸ばすのだ。
私も私の親の考えが根本となり、それが一部分間違っているな、と経験という枝をのばして分かったのだ。

つまり、親である私達の考えが、子供の考えの根本になっていることを忘れてはいけない。
愛情の欠けた言動は、子供にとってそれが当たり前となってしまい、その考えを元に子供は考えを巡らすのだ。


どんな子供が生まれても、全身全霊で愛し抜いて、咲き誇る薔薇のように共に生きる人びともいる。そうなれないのは、生まれた子供のせいではない。子供を愛せるかどうかは、子供が愛らしいかどうかで決まるのではない。親の覚悟と愛情で決まるのだ。
どんな子供でも、受け入れる覚悟のある親の元では、愛され、愛を知る存在に育つ。親が愛せないと思った瞬間に、愛されない子供が生まれるのだ。
愛されない子供が初めからいたわけではないのだ。

自閉症を生きた少女2 思春期篇


親に褒めてもらいたくて認めてもらいたくて、頑張って頑張りすぎて……ボロボロになってしまった心良さん…

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神様、こんな風になりました。

私、こんな風になりました。

これでいいですか?

こうなるのが私だったんですか?

今さらだけど、憎んでいいですか  全部
ーーーーーーーーーーーーーー(心良さんの言葉)


この本を読んでいて、痛くて苦しくて、辛かった……辛い経験を吐露された心良さんも本当に辛かったと思う……


だけど、この本を見つける事が出来て読む事が出来て、本当に良かった…


心良さん、ありがとう……


前回の『自閉症を生きた少女1 小学校篇』を読んで書いた記事です。⇩⇩⇩



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