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発達障害と不登校

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発達障害の特性を持つこどもは不登校になってしまいやすいですが、その理由や考え方について解説していきます。
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普通の不登校(精神科医はそんなに役に立たない)

普通の不登校(精神科医はそんなに役に立たない)

 「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。

 今回は「普通の不登校」について考えてみたいと思います。すこし長い文章になっていますが、とても大事なポイントなので、お付き合いください。

 ここでいう「普通の不登校」とは、不登校の背景に、これまで書いてきたような「自閉スペクトラム

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不登校は問題行動ではない

不登校は問題行動ではない

 発達特性を持ったこどもをたくさん診療していることもあって、不登校になっているこどもにもたくさん出会います。学校に行けないことは、こどもにとっても親にとっても、学校の先生にとっても頭を悩ませる問題なのですが、まず確認しておきたいことは、そもそも「不登校は問題行動ではない」と国も通知を出していることです。

 これには私も賛成です。不登校になったこどもについて、解決すべきことは「学校に行けるようにな

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学習症の不登校(勉強が苦手)

学習症の不登校(勉強が苦手)

 「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。

 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうです。前々回はADHDの不登校(自己コントロールが苦手)について書きましたが、今回は学習症の不登校について考え

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不安障害の不登校(外出自体が苦手)

不安障害の不登校(外出自体が苦手)

 「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。(といっても、前回書いてから、だいぶ時間がたってしまいました・・・)

 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうです。前回はADHDの不登校(自己コントロ

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ADHDの不登校(自己コントールが苦手)

ADHDの不登校(自己コントールが苦手)

 「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。

 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうです。前回は自閉スペクトラム症の不登校(集団が苦手)について書きましたが、今回はADHDの不登校について考えて

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自閉スペクトラム症の不登校(集団が苦手)

自閉スペクトラム症の不登校(集団が苦手)

 「不登校は問題行動ではない」の記事の反響が大きかったので、しばらく不登校をテーマにしてこれまでの臨床経験から得られたものをシリーズで記事にしていきたいと思います。

 発達障害の特性のあるこどもは、どうしても不登校になりやすいと言えます。自閉スペクトラム症、ADHD、学習症のいずれもそうですが、まずは自閉スペクトラム症の不登校から、少し掘り下げて考えてみましょう。

 自閉スペクトラム症の特性に

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