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思いやりを、少しでも 〜 try a little tenderness 〜
Otis Redding のソウルフルな歌唱で知られるこの曲、私はてっきり、彼 Otis がオリジナルだと思っていました。が、ある時 Sinatra のヴァース(言わば "語り")付きのバラード•ヴァージョンを聴いてびっくり。Otis を遡ること20年前、1946年の Sinatra のデビューアルバムでも、この "Try a little tenderness" は歌われていたのでした。最初の楽
もっとみるいま両側から見つめていること(邦題『青春の光と影』) 〜 "Both Sides Now" by Joni Mitchell
Grammy Awards 2024 のショート動画が SNS で流れてきて、大きなソファに座って歌う Joni Mitchell の姿をしばらく無音のままで眺めていたら、Joni の背後でピアノを弾く Jacob Collier 君らしき姿が見えて、驚いて動画を観かえした。
Joni は アルバム "Joni Mitchell at Newport Live" でフォーク•アルバム賞を受賞した
残りの人生をあなたはどうやって生きていくの? 〜 what are you doing the rest of your life? 〜
ミシェル•ルグランが作曲し、映画の劇中歌として歌われ、ジャズ•スタンダードにもなっているこの美しい曲、邦題は『これからの人生』となっていますが、私は敢えて逐語的に "…残りの人生を…" と訳したくて。ひとの一生は、長いように見えて、過ぎ去ってしまえばほんとうに短い… それを感じるいまだから("残り" をどうやって生きるか? 誰と共に過ごすのか?)を自分自身に問いかけながら、私も歌います。
短調/
もう恋なんてしないつもり 〜 i'll never fall in love again 〜
(あゝかわいい!)としか言いようがないこの曲『I'll never fall in love again』も、バート・バカラックとハル・デヴィッドの共作。まだ幼い女の子同士の、恋バナの情景が思い浮かびます。失恋経験も含め、ちょっとだけ恋愛経験でリードした女の子が、恋の真っ只中にいる友だちに「恋なんて!」と忠告している… けれど結局のところ、明日になったらまた恋しちゃうかもしれないことを白状してしま
もっとみる雨つぶが あたまのうえに ずっと降ってて 〜 raindrops keep fallin' on my head 〜
今年2月に世を去った音楽家バート・バカラックと、作詞家のハル・デヴィッドが共作した数々の名曲のなかでも、最も有名なのがこの『Raindrops keep fallin' on my head』かもしれません。 1969年の映画「明日に向かって撃て」の挿入歌として大ヒットしました。
曲はもとより、その歌詞を味わえば味わうほどに(あゝなんていい曲なんだろう)と感じ入り、《超•ゆき訳》を付してみました
ただ二人だけで 〜 just the two of us (あるいは『クリスタルの恋人たち』) 〜
言わずと知れた soul/R&B の名曲(どころか "世界遺産" と呼ぶひともいる) "just the two of us"。ワケあって(そのワケは、いずれ)いまこの曲が脳内ヘヴィロテしていて、歌詞を日本語訳してみようと思いたち。
Bill Withers が歌うヒット曲は、"lovely day" 然り "lean on me" 然り、柔らかく優しく思いやりのある曲が多いですよね。決して楽な
虹のつながり 〜 Rainbow Connection 〜
カエル(Kermit the Frog)のために、書かれた曲『Rainbow Connection』。なのに、というか、だから、というか、私たち人間の大人の心にもじんわりと沁み込んでくるようです。ほんと美しい曲です。
どうして こんなにたくさんの歌があるんだと思う?
虹と、虹の向こうには何があるか、ってことについて
虹は 目に見えるけれど ただの幻なんだよ、
虹には何もないんだよ、って
そう言わ
その道の 陽のさす側で 〜 on the sunny side of the street 〜
私が好きなのは、まずそのタイトル。On the "sunny street" ではなくて、On the "sunny side" of the street。あなたが歩む道全体が明るいわけではなく、その道には、太陽の光が届く場所もあれば、影ができる場所もある。その、陽のさす側へ。そして "life is sweet" ではなくて、life ”can be” so sweet。人生はときに苦い、けれ
もっとみるあなたのそばに 〜 close to you 〜
鳥たちが 突然あらわれるのはなぜ?
あなたが 近づくといつも
わたしと 同じなのね
鳥たちは あなたのそばにいたくて
星々が 空から落ちてくるのはなぜ?
あなたが 通りかかるといつも
わたしと 同じなのね
星々は あなたのそばにいたくて
あなたが 生まれた日 天使たちが あつまって
ある "夢" を 生みだすことにしたの
天使たちは 月の輝きをふりまく あなたの金色の髪に
そして 星の
この愛売ります 〜 love for sale 〜
これもまたあのコール・ポーターが、1930年に初演されたブロードウエイ・ミュージカルのために書いた曲。タイトルからして、あまり好きな歌ではありませんでした。だって、ねぇ。そもそも、売ったり買ったりするようなものじゃ無いじゃないですか、愛って。それを "love for sale" だなんて。実際この曲は、公序良俗に反するとのことで、放送禁止になったりもしたそうです。ですが、だからこそ面白いとも言え
もっとみるさびしんぼうの女の子 〜 little girl blue
私がとても若かったころ、世界が私より若かったころ
世界は 回転木馬みたいに楽しくて
サーカスのテントは 空いっぱいの星たちに吊られて
くぐり輪の上に そこは私の大好きな場所
でもそんな世界は もうすっかり古びてしまって
ピカピカもきらきらも どこかへ行ってしまった
そこへ座って 指折り数えて
「私に 何ができるんだろう?」って
もう若くはない女の子 これで終わり
そこへ座って 小さな指を