yuki tada

偏愛から博愛へと進化中。歌ったり踊ったり。愛でたり旅したり。 https://yuki…

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偏愛から博愛へと進化中。歌ったり踊ったり。愛でたり旅したり。 https://yukitada.space/

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最近の記事

思いやりを、少しでも 〜 try a little tenderness 〜

Otis Redding のソウルフルな歌唱で知られるこの曲、私はてっきり、彼 Otis がオリジナルだと思っていました。が、ある時 Sinatra のヴァース(言わば "語り")付きのバラード•ヴァージョンを聴いてびっくり。Otis を遡ること20年前、1946年の Sinatra のデビューアルバムでも、この "Try a little tenderness" は歌われていたのでした。最初の楽曲リリースは1933年。様々な歌手にカバーされているこの曲ですが、Otis 前後

    • いま両側から見つめていること(邦題『青春の光と影』) 〜 "Both Sides Now" by Joni Mitchell 

      Grammy Awards 2024 のショート動画が SNS で流れてきて、大きなソファに座って歌う Joni Mitchell の姿をしばらく無音のままで眺めていたら、Joni の背後でピアノを弾く Jacob Collier 君らしき姿が見えて、驚いて動画を観かえした。 Joni は アルバム "Joni Mitchell at Newport Live" でフォーク•アルバム賞を受賞したのだった。現在80歳。闘病中でもある。この日(そして受賞したライブ•アルバムの中

      • ささやかな憂鬱くん 〜 "little blue" by jacob collier 〜

        今朝目を覚ましたら、jacobくんの新作 "little blue" の MV がリリースされていました。彼のサウンドはもちろんのこと、歌詞も動画の世界観もとても素敵で、やさしくて、包み込むような愛に溢れていて。 "little blue" の歌詞は、2d animation と併せて、Marie Lavis さんという方の作のようです。最近は、音楽視聴はほとんどが配信だったりサブスクだったりで、外国語の歌詞和訳や解説をライナーノーツで知る機会がごく少なくなっていますよね。

        • Change the World 〜 でもあえて、クラプトンではなく 〜

          Babyface がプロデュースして Eric Clapton が歌った "Change the World" は96年のリリース。日本でも大ヒットして、今でも人気の曲です。私も大好き。特に、Babyface らしさが際立つ、中盤のコーラスワークとベースラインなんて、たまりません! この曲の歌詞を味わっていて、ハッと気付きました。"Star" "Sun(light)" "King" "Queen" "Fool" "Love(rs)" そして "World" …この曲に出て

        思いやりを、少しでも 〜 try a little tenderness 〜

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        • 歌詞和訳
          40本
        • 週いち着物
          1本
        • 歌ってます
          6本
        • 読後所感
          2本
        • 映画所感
          1本

        記事

          残りの人生をあなたはどうやって生きていくの? 〜 what are you doing the rest of your life? 〜

          ミシェル•ルグランが作曲し、映画の劇中歌として歌われ、ジャズ•スタンダードにもなっているこの美しい曲、邦題は『これからの人生』となっていますが、私は敢えて逐語的に "…残りの人生を…" と訳したくて。ひとの一生は、長いように見えて、過ぎ去ってしまえばほんとうに短い… それを感じるいまだから("残り" をどうやって生きるか? 誰と共に過ごすのか?)を自分自身に問いかけながら、私も歌います。 短調/マイナーの曲ですが、猛烈な本気のラブソングです。残りの人生すべてを賭ける、全世界

          残りの人生をあなたはどうやって生きていくの? 〜 what are you doing the rest of your life? 〜

          ハハとむすめたちと着物

          ハハよ…。よくもまあこんなにバランス良く、むすめふたりに着物を準備してくれていたものだと思う。着物の種類、TPOとしての “格” や産地や、とにかく着物について知れば知るほど、手が出せる範囲でそれなりのものを、まんべんなく、いざという時に困らないように、バランス良く揃えてくれていたものだと感心する。例えばこのあいだ(雨が降りそう、どうしよう…)と思い、折り畳んでカバンに入れられる軽い簡便な着物用雨コートを慌てて買ったのだけれど、実家へ帰ったときに改めて箪笥を検分したら、大島紬

          ハハとむすめたちと着物

          もう恋なんてしないつもり 〜 i'll never fall in love again 〜

          (あゝかわいい!)としか言いようがないこの曲『I'll never fall in love again』も、バート・バカラックとハル・デヴィッドの共作。まだ幼い女の子同士の、恋バナの情景が思い浮かびます。失恋経験も含め、ちょっとだけ恋愛経験でリードした女の子が、恋の真っ只中にいる友だちに「恋なんて!」と忠告している… けれど結局のところ、明日になったらまた恋しちゃうかもしれないことを白状してしまっている… そんな、あどけないかわいらしさ。 (それにしても <男の子とキスし

          もう恋なんてしないつもり 〜 i'll never fall in love again 〜

          雨つぶが あたまのうえに ずっと降ってて 〜 raindrops keep fallin' on my head 〜

          今年2月に世を去った音楽家バート・バカラックと、作詞家のハル・デヴィッドが共作した数々の名曲のなかでも、最も有名なのがこの『Raindrops keep fallin' on my head』かもしれません。 1969年の映画「明日に向かって撃て」の挿入歌として大ヒットしました。 曲はもとより、その歌詞を味わえば味わうほどに(あゝなんていい曲なんだろう)と感じ入り、《超•ゆき訳》を付してみました。 この歌詞のなかで一番重要なのは、雨が、僕のあたまのうえに降り続けている、と

          雨つぶが あたまのうえに ずっと降ってて 〜 raindrops keep fallin' on my head 〜

          クリスマスのうた 〜 the christmas song 〜

          街のあちこちでクリスマスの飾り付けを目にする季節になりました。私は冬生まれということもあって、この季節はワクワクと心踊り、と同時に、胸をキュンと締めつけられるような、郷愁にかられるシーズンでもあります。 クリスマスの歌はどれもこれも素敵ですが、なかでも、素晴らしいジャズシンガー Mel Tormé が書いた "The Christmas Song" は、私の中で三本の指に入る best of the best christmas songs です。 美しく展開するメロディ

          クリスマスのうた 〜 the christmas song 〜

          ただ二人だけで 〜 just the two of us (あるいは『クリスタルの恋人たち』) 〜

          言わずと知れた soul/R&B の名曲(どころか "世界遺産" と呼ぶひともいる) "just the two of us"。ワケあって(そのワケは、いずれ)いまこの曲が脳内ヘヴィロテしていて、歌詞を日本語訳してみようと思いたち。 Bill Withers が歌うヒット曲は、"lovely day" 然り "lean on me" 然り、柔らかく優しく思いやりのある曲が多いですよね。決して楽な人生を歩んできたわけではないはずの Bill Withers(2020年没) の

          ただ二人だけで 〜 just the two of us (あるいは『クリスタルの恋人たち』) 〜

          虹のつながり 〜 Rainbow Connection 〜

          カエル(Kermit the Frog)のために、書かれた曲『Rainbow Connection』。なのに、というか、だから、というか、私たち人間の大人の心にもじんわりと沁み込んでくるようです。ほんと美しい曲です。 どうして こんなにたくさんの歌があるんだと思う? 虹と、虹の向こうには何があるか、ってことについて 虹は 目に見えるけれど ただの幻なんだよ、 虹には何もないんだよ、って そう言われたし、そう信じることにしたひともいるね けれど僕は、それが間違いだって知ってる

          虹のつながり 〜 Rainbow Connection 〜

          ダンシング・クイーン 〜 dancing queen 〜

          "願ったこと" が、いつの間にか叶っていることはしばしばあって。そのことにまた最近気づいたのは、私が歌を歌いつつ、タップダンサーさんたちを交えてセッション会を開く、そのことについてでした。タップダンスを始めたとき、(これってジャズじゃん!)と当たり前のことに驚き、その後、あるキッカケでウン十年ぶりにまたジャズスタンダードを歌うようになり、譜面を作ってあちこちのセッションへ行くようになり。そんななか私が不思議に思っていたのは、(私が通うセッションに、楽器演奏者だけじゃなく歌う人

          ダンシング・クイーン 〜 dancing queen 〜

          その道の 陽のさす側で 〜 on the sunny side of the street 〜

          私が好きなのは、まずそのタイトル。On the "sunny street" ではなくて、On the "sunny side" of the street。あなたが歩む道全体が明るいわけではなく、その道には、太陽の光が届く場所もあれば、影ができる場所もある。その、陽のさす側へ。そして "life is sweet" ではなくて、life ”can be” so sweet。人生はときに苦い、けれども、あなた次第でそれを甘やかにもできるということ。ごくシンプルな歌詞ながら、私

          その道の 陽のさす側で 〜 on the sunny side of the street 〜

          あなたのそばに 〜 close to you 〜

          鳥たちが 突然あらわれるのはなぜ?  あなたが 近づくといつも わたしと 同じなのね 鳥たちは あなたのそばにいたくて 星々が 空から落ちてくるのはなぜ? あなたが 通りかかるといつも わたしと 同じなのね 星々は あなたのそばにいたくて あなたが 生まれた日 天使たちが あつまって  ある "夢" を 生みだすことにしたの 天使たちは 月の輝きをふりまく あなたの金色の髪に   そして 星の輝きも あなたの青い瞳に だからね 街の女の子たちは あなたを どこまでも追い

          あなたのそばに 〜 close to you 〜

          この愛売ります 〜 love for sale 〜

          これもまたあのコール・ポーターが、1930年に初演されたブロードウエイ・ミュージカルのために書いた曲。タイトルからして、あまり好きな歌ではありませんでした。だって、ねぇ。そもそも、売ったり買ったりするようなものじゃ無いじゃないですか、愛って。それを "love for sale" だなんて。実際この曲は、公序良俗に反するとのことで、放送禁止になったりもしたそうです。ですが、だからこそ面白いとも言えるかもです。私が訳すならこんな感じ。以下【超•ゆき訳】です。 ********

          この愛売ります 〜 love for sale 〜

          さびしんぼうの女の子 〜 little girl blue

          私がとても若かったころ、世界が私より若かったころ  世界は 回転木馬みたいに楽しくて サーカスのテントは 空いっぱいの星たちに吊られて くぐり輪の上に そこは私の大好きな場所 でもそんな世界は もうすっかり古びてしまって ピカピカもきらきらも どこかへ行ってしまった そこへ座って 指折り数えて 「私に 何ができるんだろう?」って もう若くはない女の子 これで終わり  そこへ座って 小さな指を 指折り数えて ついてなかったのね さびしんぼうの女の子 そこへ座って 雨つぶを

          さびしんぼうの女の子 〜 little girl blue