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総合商社→EdTech領域の企業役員として21年にキャリア転換しました。本業に加え教育…

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総合商社→EdTech領域の企業役員として21年にキャリア転換しました。本業に加え教育関連のプロボノ活動をしながら無謀にもミネルバ大学の修士課程に21年秋から進学しました。大学院の様子を中心に、グローバル教育・オンライン教育・リカレント教育などのあれこれを書いていこうと思います。

最近の記事

番外編 「普通」って

5月に大学院を無事卒業した。大学院についてはもう1年以上書かずにサボってしまったので追々書いていこうかと思っている。 ようやく自由になったこの夏、ヨーロッパへ旅行をすることにした。最初はパリとサンセバスチャンで楽しい美味しい旅を予定していたのだけど、出発直前になって急遽アウシュヴィッツ訪問をいれた。 子どもの頃に「アンネの日記」を読んでからいつか行こうと思っていた。「夜と霧」もたくさん影響を受けた本だし、ハンナアーレントも尊敬する哲学者。 でも本当の理由は、最近「普通」

    • フクロウ・ノート(14)ミネルバ大学の「学習を科学する」②

      連休前に大学院の2学期目が終わりました。今学期は改めて「学び方を学び」ました。2月25日、ドイツ・ブラジル・韓国の同級生と一緒にこれから欠席が増えるかも知れない在キーウと在モスクワの同級生が短時間で予習・復習できる方法はないか考えその日から細々と取り組みはじめたことがきっかけでした。 Web上にクラスの共有スペースを作り、授業毎にその時気が向いた人が都合がつく時間帯に予習ノートやコンセプト図を作ってシェアしたり、オンライン授業中の超重要ポイントをスクショして集めたりしていま

      • フクロウ・ノート(13)遺伝的アルゴリズム1

        ミネルバ大学修士課程の1−2学期は2クラス履修します。一つはEmpirical Analysis(実証分析)といって解きたい問題に対して科学的手法を適用したり仮説検証や推論を導くもの(これまでのnote記事はこの授業から)です。そしてもう一つはFormal Analysis(形式分析)といって論理・合理的思考や統計、計算的思考やR言語を使った具体的な分析技法を学んでいます。 2学期目のFormal Analysisの授業は、相関とは何か、そしてどのようにR言語を使って計算・

        • フクロウ・ノート(12)仮説検証について

          前回は仮説について書いたので、次は仮説検証とは何かについて授業で習ったことをの私なりの理解をご共有できればと思います。 仮説検証とは?仮説検証とは、既存の情報から仮定(Assumption)を置いて、「このようなメカニズムかも知れない」と思う仮説(Hypothesis)を立てると同時に結果を予測し(Prediction)、数値や事実をはじめとするエビデンスを集めた結果を分析して、その確らしさを検証すると共に次の仮説を立てていくプロセスです。 このような順番(※)に分解され

        番外編 「普通」って

        • フクロウ・ノート(14)ミネルバ大学の「学習を科学する」②

        • フクロウ・ノート(13)遺伝的アルゴリズム1

        • フクロウ・ノート(12)仮説検証について

          フクロウ・ノート(11)仮説について

          2学期の最初のテーマは仮説と仮説検証についてです。 気候変動のメカニズムに関する論文を参考にしながら学びました。仮説とは何か、強い仮説とは何か、そして追加でカール・ポパーについて書きます。 まともに実験や研究したことないし。。。と最初はアウェイ感満載で予習をしていましたが、授業を受けるうちに仕事でも「仮定を置いて仮説を立てる→結果の予想をしつつ検証する→改善したり方向転換したり違う問いを立てたり」の繰り返しだなと思いなおしました。 そしてそういえば仕事で「実証実験します

          フクロウ・ノート(11)仮説について

          フクロウ・ノート(10)ヒューリスティクスについて

          大学院の1学期目に学んだ重要なポイントのひとつがヒューリスティクス(Heuristics)でした。ちなみにeurekaが語源(ギリシャ語で何かを発見・発明した時に喜ぶ言葉)らしいです。ヒューリスティクスとは、厳密性は欠けるけれど、意思決定をするにあたって経験則や先入観に基づいて難しい問題を簡単な問題に置き換えてサクサク判断することで、正しく使えば迅速な判断につながるというものです。間違って使うと認知バイアスがかかった誤った判断をすることになります。私の担当教授は自分でリストを

          フクロウ・ノート(10)ヒューリスティクスについて

          フクロウ・ノート(9)確証バイアスと経営判断

          大学院1学期目の重要なコンセプトとして、どのようなバイアスが存在し、それはどのような仕組みで発生し、バイアスによる悪影響を最小限に抑えるにはどうしたら良いか、というものがありました。バイアスにも感情バイアスだったり、記憶のバイアスだったり幾つか種類があるのですが、そのなかでも確証バイアスと経営判断について授業で議論した内容がとても共感できるものだったので、授業で使われたHarvard Business Reviewの記事の紹介も兼ねて忘れないうちに書こうと思います。 確証バ

          フクロウ・ノート(9)確証バイアスと経営判断

          フクロウノート(8)ミネルバ大学の1学期が終わりました

          2週間ほど前にミネルバ大学修士課程(Master of Science in Decision Analyses)の1学期目を無事終了しました。成績は卒業までに100以上あるコンセプトについて、それぞれどれくらい理解できているか総合して判定されるのですが、現時点での及第点を貰えるかドキドキでした。昨晩期末課題の成績が返ってきてホッとしたところです🙌 最初の学期はAdvanced Formal AnalysesとAdvanced Empirical Analysesという授業

          フクロウノート(8)ミネルバ大学の1学期が終わりました

          フクロウ・ノート (7) ミネルバ大学パン祭り(=入学式)の結末

          ミネルバ大学の修士課程に入学しました。 入学式の案内でパンを持ってくるように指示されて、❔❔❔となりメロンパンを携えて参加しようと決意しましたが、肝心のメロンパンが近所のパン屋さんで作られておらず、スーパーでは売り切れで…涙 クリームコルネかカレーパンで迷って、クリームコルネで堂々参加です!👏 入学式は創業者のBen Nelson氏のご挨拶からはじまり、各教授が自己紹介をするなかで大学のチェンジメーカーを輩出して少しでもよい世の中にしていきたいという気概を感じました。例え

          フクロウ・ノート (7) ミネルバ大学パン祭り(=入学式)の結末

          フクロウ・ノート(6)学びを科学する:最大限学びの効果を得るには?

          来週から大学院の授業がはじまります。最初は学部も修士も共通の内容で、学びのプロセスを科学的に理解して、これから卒業までの間どのように学習計画を立て、どのような手法を取るべきか、それは何故か、腹落ちさせるところからスタートするようで事前課題が送られてきました。 では早速スタート!まずはシラバス全体を把握して学習計画を立てよ、と。 最初にシラバス全体の目次をざざっと読み、その授業で①学べることは何か(ゴールイメージの設定)、②自分が得たいことは何か(目的意識の明確化)、③それ

          フクロウ・ノート(6)学びを科学する:最大限学びの効果を得るには?

          フクロウ・ノート(5)仕事と自費の大学院 学費とサラリーマン必見の特定支出控除

          学費のことを共有したいなと思います。ミネルバ大学修士課程の学費、支払うタイミング、そして学費の特定支出控除についてです。 ミネルバ大学修士課程(2023年卒業予定の学年分)の学費はこんな感じです。 この他に教材費等で合計500ドルほどかかるそうです。全てオンラインのプログラムなので渡航費や追加の住居費などはありません。 次に特定支出控除について。これはサラリーマンが仕事に必要と会社に認められた経費を一定額以上自己負担した場合、確定申告をすれば超過分の税金を還付してもらえ

          フクロウ・ノート(5)仕事と自費の大学院 学費とサラリーマン必見の特定支出控除

          フクロウ・ノート(4)入学式にパン持ってきてね!の謎

          9月の入学を数週間後に控えた週末の朝にミネルバ大学の院から入学式の案内メールが届きました。入学式の日時と同じレベルの重要性で下線まで引かれて強調されていたのが、"Please bring bread to the ceremony. " 入学式にパンを持ってきてねってどういうこと????? そして説明が続きます。創立以来、入学式で学長以下このbreaking bread ceremonyというパンの儀式を通じて互いの違いを受け容れ、個々の体験を共有しあい、学びあう大切さ

          フクロウ・ノート(4)入学式にパン持ってきてね!の謎

          フクロウ・ノート(3)ミネルバにイエス、イッツ タフ!!って明るく開き直られた件

          最低限必要なツールを入学前にしっかりマスターしてね、と、ミネルバからURLがポンって送られてきました。 リンクを開くと「圧倒された!?イェス、イッツ タフ!!」って、ハイテンションな開き直りメッセージと共に何やら難しそうなプログラミング・数学・英語の教材がズラリ。 ご丁寧に「なぜ人は計画的にモノゴトを進められないのか」「嫌なことを後回しにしないコツは?」とかのタイトルで、Fast Company、New Yorker、Forbes、Podcastの記事を大量に教えてくれて

          フクロウ・ノート(3)ミネルバにイエス、イッツ タフ!!って明るく開き直られた件

          フクロウ・ノート(2)ミネルバ大学の入試はいま受けない理由を探す前に挑戦あるのみ

          まさか受かるとは思わず、勢いで受験してみたミネルバ大学の修士課程。出願してみると全く準備をすることができない試験で、これまで何を躊躇していたのだろう、というあっけなさでした。手ごたえが全然わからない試験でもありました。 選考は3パートに分かれていて、①受験申込み(学歴・職歴などを含む履歴書の提出)、②試験(図形のパターン認識をするIQテスト的なパズルと、その場で与えられたテーマをダダっと書くエッセイ)、③インタビュー(教授と1対1のWeb面接、志望動機や自分が同級生に出来る

          フクロウ・ノート(2)ミネルバ大学の入試はいま受けない理由を探す前に挑戦あるのみ

          フクロウ・ノート(1)ミネルバ大学で学ぶ無謀な挑戦の記録はじめます

          「変化と不確実性だけが約束された未来に備えるための教育って何?」「それはどのように創っていけるの?」という大きな問いに挑戦したい。そんな想いで新卒から19年間務めた総合商社を退職しました。 いまはEdTech領域のK12(高校生以下)向けグローバル人材育成事業を展開する企業で経営を担わせて貰うありがたい機会をいただいて、同時に軽井沢のインターナショナルスクール(高校)のオンラインプログラムの企画をお手伝いしながら、今年秋から入学するミネルバ大学の修士課程(Master of

          フクロウ・ノート(1)ミネルバ大学で学ぶ無謀な挑戦の記録はじめます