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記事一覧

【詩】雲の話

  一緒に雲を見よう   懐かしい不思議に   しばらく心を委ねよう   飛べなかった鳥の…

右肩 久
4週間前
8

【詩】肺

最早水没は明らかだ 僕の怠慢はクーラーの冷風さえ 呑み込むほどに肥大した やがて充溢したこ…

小林枕
4週間前
6

神の死骸における生態系

孤独死していく花を見たくて 摘んだ花をひび割れた花瓶に挿した 滴る水滴の音を聴いて 死ん…

相模透
7か月前
2

ペンギン

部屋は私達の亡骸で満たされている ここはずっと水没している 水はひどく汚染されている その…

放散

濡れた髪が 半分乾いて ちぎれたケラチンが 床に落ちている 肺のへこむ音を じっと きい…

飴山 瑛
1年前
5

書棚の隅で

書棚に何をしまおうか 緑がある 翡翠がある 琥珀のなかに閉じ込められた 脚の折れた青春がある…

岩倉文也
2年前
34

マイナス4000メートル

永遠の真夜中 海底を歩く 灰色の雪が 足元から舞い上がる 息もなく つめたい風が渦を巻く 体温の溶けた肌に 静かな罅が浮く 叩かれた鉄 かあん、かあんと 振動は分子を辿り 沖合に波ひとつ 足跡に蟹が這う 砂一粒見失ったまま 涙も紛れて 首元がきりきりと痛む 骨のさらされた胸 あばらに潜む舌 光ひとつないまま 見つめ続けている 闇は黒さえ薄く 塗り重ねられた油彩が ぼこぼこと 指は空を掴む 欠落だけが 沈んで朽ちてゆく 赤い錆が ぼろぼろと崩れて 耳から遠ざかる 進

歌詞の日英翻案『86,399』

いきさつ 『86,399』は音楽作品です(作詞:諍井寄人さん・作曲:西島尊大さん)。『86,401』…

モジカ
5年前
3

歌詞の日英翻案『86,401』

いきさつ 『86,401』は音楽作品です(作詞:諍井寄人さん・作曲:西島尊大さん)。ニコニコ動…

モジカ
5年前
1