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トラブルと決断の《甲州街道日記》 その16

16.12 月30日(金)

 宿のおじさんは、朝も近江屋の前まで車で送って下さいました。本当に、いい人でした。お話好きの人でもありました。

火の見櫓は、見つけやすい

 この日は順調でした。街道歩きでよく目印にする火の見櫓も、すぐ見つかりましたし(街道沿いには、必ず火の見櫓とお菓屋と街道の両側の水路とお地蔵さんがあるので、それらをよく目印にしています)、迷うような道もありませんでした。火の見櫓は高くて目立つので、街道歩きの目印にお勧めです。

こんな感じで、富士山が見えました。もっと雪あったけどね。

 同じ方向(多分、南の方角だと思います)に向かって歩いているので、雪を頂いた山の向こうに巨人が覗き込むように、ずっと富士山が見えていました。この景色は、歩くときの疲れを癒す効果があるようです。楽しく歩けました。

やっぱり年末休業

 昼ご飯に予定していた穴山ラーメンが食べられる「みどりや食堂」は、案の定、年末休業でした。このまま行くと、今日は年末で大概の店はしまっていると予想されます。今日もまた、昼ごはんなし地獄かもしれません。(その上、夜も同様に考えられます…)

 そう思うと心配性が出てきて、途中の祖母石という地名の由来になった「姥婆石」なんかどこにあるのかよく分かりませんでした。地図から見ると少し街道から離れているようです。実際には、左の方を目を凝らしてみると、なにか石のようなものが小さく見え「あれが、姥婆石だ」と信じることにしました(これは、距離を稼いでいる姿です)。
 更に焦ってくると、好きなはずの奇岩・巨岩の「屏風岩」は、どれがどれだか分からない内に行き過ぎてしまいました。

「姥婆石」小さく見えた…と信じている

 昼ご飯の次の候補の「博多屋九州 長浜ラーメン」も、心配した通り年末でしまっていました。この次の「豚骨ラーメン 頂」もだめだろうと予想して、250メートルほど戻ってコンビニに入りました。こんな時は、年中無休のコンビニは便利です。あたり前です。コンビニ=便利という意味ですから!!

山梨県なのに「九州」なかなかシュール

 コンビニ飯でお腹満たして歩いていると、「頂」も予想通り休業でした。500メートル程損をして、コンビニを選んだ決断は成功でした。ささやかな喜びがありました。決断がうまういくと、そうなりますよね。

ここも、休業

 驚いたことに、その後すぐ今日の宿泊地の「ホテル・ルートインコート韮崎」に着いてしまいました。最近、年を取ってきて短めの計画(昔は18キロ平均、最近は14キロ平均)を立てているのが影響したようです。朝、宿のご主人の都合で少し早めに出発した事もあったようで、順調に行きすぎて午後2時には着いてしまったのです。

ホテル・ルートインコート韮崎

 ここで即決断です。これは良い決断になりました。車を上諏訪まで取りに行くことにしました。計画では、明日取りに行く予定でしたが、今日行っておくと、明日がすごく時短になります。(また、早く目的地に着いてしまうかもしれませんが…)

観音さまが、どこからでも見える

 早速、韮崎駅に向かいましたが、誰かに見られているような気がして、顔をあげてみると、なんと白い観音様が私の方を見下ろしていました。この観音様(なんの宗教の観音様か、分かりませんが)は、韮崎のどこにいても見えるような気がします。逆に言うと、どこにいても見られているような気がするということです。

 駅につくと、特急 あずさ??号(何号だったか忘れました。こんなこと覚えてたら変ですよね)が少し待つと来るようです。この電車に乗ると、そのまま上諏訪駅に着くようです。
 駅のホームで待っていると、「一勝」というとんかつ屋さんがホーム越しに見えました。よく見ていると、客の出入りがあります。つまり、営業中ということです。これは、いいところを見つけました。。今日の晩ごはんになります。看板に電話番号が書いてあるので、電話をかけてみました。市外局番がなかったので、宿泊ホテルの市街番号をつけてかけてみたら、うまく繋がりました(ナイス・アイデアです)。
 結果は、残念でした。今日はお昼の3時で終了して、正月の仕出しの準備に入るとのことでした。

駅から見えたとんかつ屋さん

 特急あずさ??号に乗ったら、40分ほどで上諏訪駅に着きました。4日もかけて歩いたのに、40分です。江戸時代の人々の苦労と電車の素晴らしさを感じた40分でした。

 上諏訪公園で車と再会しました。盗難に合うこともなく無事でした。無事だととは思ってはいますが、管理されていない駐車場に置いたときは、窓なんかが割られてないのいが分かると、いつもなんだかホッとします。 
 車で「ホテル・ルートインコート韮崎」に向かい、チェックインしました。ホテルまでは、電車と同じく45分で着きました。再度、4日かけて歩いたのにと思ってしまいました。

 まだ、時間があるので温泉に行こうと、源泉かけ流し温泉をパソコンで調べたら「韮崎旭温泉 韮崎旭の湯」というのがヒットしました。あさひホーム」という福祉施設を作っていたら湧き出しだ温泉らしいです。
 ナビに電話番号を入れてみると、7分くらいで着くようです。  

韮崎旭温泉 韮崎旭の湯

 広い駐車場がある、スーパー銭湯でした。良い点が2つありました。一つは、強烈な泡付きの温泉だったのです。泡付き温泉は、じっと入っていると体中に小さな気泡が付き、さらにじっとしているとその気泡が大きくなって、体中にカエルの卵が付いたようになるのです(他に、いい表現が見つかりませんでした。すみません)。それを手でそぎ取ると、気持ちよくプチプチ弾けます。例の包装材のプチプチの感覚で、気持ちいいのです。
 もう一つは、休憩室のデッキから見える景色です。歩いてきたときと同じように山越しに富士山が見えるのですが、山までにあまり人工物がなく広いので、とても素敵に富士山が見えるんです。

デッキからの眺め

 さて、お風呂のあとは晩ごはんです。ホテルに車を置いてグーグルの地図を見ながら目星をつけていたところを3件回りました。この書き方から推測できるように、お昼までやっていた店もあったようですが、全部年末休業でした。取り敢えず、3件の店名だけ挙げておきます。
   ・松葉家…中華そば
   ・アメリカヤ…カフェ・レストラン
   ・Osteria nana…イタリアン

 結局、Osteria nanaの前にあった「ライフガーデンにらさき」というショッピングモールで、お寿司と惣菜(里芋、からあげ)とビール・レモン酎ハイを買って夕食としました。これは私がよくやる非常手段夕食で「デパ地下作戦」と呼んでいます(東海道を歩いているときに、平塚市で今回と同じ様な目にあったとき、平塚駅の地下にある平塚ラスカ【デパートみたい】で初めて行った非常手段夕食のときに命名しました)。
 「ライフガーデンにらさき」は、年末の買い物で混んでおり、食事を揃えて買うのは時間がかかり大変でした。

 ホテルに帰って来てから、気づきましたが、ホテルの付属のレストランは普通にやっていました。なぜか、年末は休みだろうと決めつけていたのでした(晩ごはんを探しに出たとき閉まっていたのは、単に開店前だったのでしょう)。自分の判断の悪さに、ため息が出ました。

「ライフガーデンにらさき」広い駐車場

 さて、年末旅行の最終日の明日は、31日大晦日です。どうなることやら。

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