マガジンのカバー画像

連作短編集 猫を狩る

61
1 猫を狩る 猫が原因でママ友から孤立してしまった郁子は、ネット掲示板で繰り広げられる不倫ブログウォッチに嵌ってしまい…。 2 予告 高校生の娘の葉月と再婚相手の直之と暮らす早苗… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

短編小説 猫を狩る1/7

登場人物と猫 谷村郁子 34歳の専業主婦  谷村裕二 郁子の夫。趣味は世界の王室の家系図作…

10centswriter
3か月前
17

短編小説 猫を狩る2/7

最初から読む 2  ねねが谷村家にやってきたのは、花梨が幼稚園の年中の頃のことだった。ず…

10centswriter
3か月前
13

短編小説 猫を狩る3/7

前回のお話 最初から読む 3  家に帰ってからもう一度、早紀のブログをチェックした。更新…

10centswriter
3か月前
8

短編小説 猫を狩る4/7

前回のお話 最初から読む 4 「ママ、ねねちゃんはお医者さんに行ったの? 手術は終わった…

10centswriter
3か月前
11

短編小説 猫を狩る5/7

前回のお話 最初から読む 5  花梨が寝てしまってから、もう一度早紀のブログを開いてみた…

10centswriter
3か月前
10

短編小説 猫を狩る6/7

前回のお話 最初から読む 6   土曜日に真奈ちゃんを迎えに行って、坂本さんと少し話をした…

10centswriter
3か月前
12

短編小説 猫を狩る7/7(最終回)

前回のお話 最初から読む 7    部屋の中には若い男がひとりいた。二十代の前半に見える渋谷の街にたむろしていそうな雰囲気の男だった。一瞬驚いたけど、参加者は女性だとは限らない。勝手に全員主婦だと思っていたのだ。なんとなく居心地が悪くなる。参加者には男性もいるとなぜ最初に言っておいてくれなかったのだろう。驚いて棒立ちになった郁子に、向かって若い男が話しかける。 「なおくんでーす。ファミレスで店長やってまーす。俺のことはよく知っているだろう」  絶句する郁子の腕をゆりママが

短篇小説 予告1/10 (猫を狩る8)

この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る』はこちら 登場人物 早苗(…

10centswriter
3か月前
8

短篇小説 予告2/10 (猫を狩る9)

前回のお話(最初から読む) この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る…

10centswriter
3か月前
16

短篇小説 予告3/10 (猫を狩る10)

前回のお話 最初から読む この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る』…

10centswriter
3か月前
11

短篇小説 予告4/10 (猫を狩る11/X)

前回のお話 最初から読む この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る』…

10centswriter
3か月前
14

短篇小説 予告5/10 (猫を狩る12/X)

前回のお話 最初から読む この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る』…

10centswriter
2か月前
17

短篇小説 予告6/10 (猫を狩る13/X)

前回のお話 最初から読む この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る』…

10centswriter
2か月前
7

短篇小説 予告7/10 (猫を狩る14/X)

前回のお話 最初から読む この小説は 連作短編の2作目になります。 1作目の『猫を狩る』はこちら 7    それからの一週間も、用があるとき以外は葉月とも直之とも口を利かずに、早苗は割り当てられたシフトをこなした。週末は二日間とも出勤だったので、ノルマの達成に精を出し、食べられる予定があるのかわからない食事を作り、翌日に空の食器を洗ったり、鍋に残った分を捨てたりした。マオはあいかわらず、雀やゴキブリを捕まえては早苗のところに持ってくる。ほめて欲しいようには、どうしても見