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それでも世界は進むから。

再燃の治療が芳しくない。


ステロイドを増量して1ヶ月が経ったが、検査の数値や体調は大して変わらず、むしろやや悪くなっているという始末だった。


主治医の顔が険しくなるのも頷ける。免疫抑制剤を追加して、また様子を見ることとなった。

本当に一進一退。直近まで2ヶ月に1回で良かった通院も、今では2週間に1回になってしまった。


この1ヶ月は療養に充てていたので、病院や必要最低限の買い物しか外に出ない日々が続いており、そろそろうんざりしてきた頃合いなので、気分転換も兼ねて行きそびれていた初詣に向かうことになった。

もちろん、無理のない程度で。


こういう時、彼が車を持っていて助かる。もし途中で潰れても、シートを倒して寝た状態で帰ることができるからだ。

こうして、今年初めてのおでかけ、初詣に出かけることとなった。




最近ステロイドが増えた影響なのか、早起きが続いているので、出かける当日も時間通りに起きることができた。


彼と出かける用意をしながら、久々のおでかけに胸が浮き立つ。

メイクをするのも久しぶりだったので、感覚を忘れていたけれど、なんとか支度をして家を出た。


コンビニで朝ごはんを買って、車で食べながら高速道路で伊勢神宮に向かう。

途中、高速道路が新しくできているのを忘れて、分岐を間違えてしまったのだけれど、新しい方の高速からは伊勢湾の大海原を眺めることができて、写真を撮るのを忘れるぐらい夢中で目に焼き付けていた。



心が洗われる。普段太陽の下で長時間歩き回れないわたしにとって、ドライブは貴重な外出の手段である。

同時に、季節と景色を記録できる、大切な刺激の機会。普段モニターの前と小さな家でしか暮らしていないわたしにとって、外の世界の刺激は大切だ。


途中のサービスエリアで、ミル挽き珈琲の自販機で飲み物を買うのも旅先での恒例行事のひとつ。

サービスエリアでしか見たことない自販機で、実際に調べたら本当にサービスエリアを中心に展開しているらしい。

特徴的なBGMと共に、注文後に実際に珈琲豆から挽いて淹れてくれる、といった画期的な自販機だ。

(しかしわたしたちはいつも珈琲以外のメニューを頼む。とにかくメニューが豊富なところも魅力の一つである)


いつも何か食べ物を買おうか迷うのだけれど、この後たくさん食べることを考えてやめる。(でも帰りのサービスエリアではだいたい露店が閉まっている)


道中も楽しみながら、あっという間に目的地である伊勢神宮についた。




伊勢神宮の正式なお参りの仕方を調べると、外宮から参拝して内宮を参拝する、というのがオーソドックスなのだが、いかんせん体力面と時間を考えると、外宮まで行っている余裕がない、というのが現実。

あまり本格的なお参りではないかもしれないが、実家も内宮だけお参りするタイプだったので、神様には申し訳ないけれど内宮だけお参りしている。


いろいろ調べた結果、伊勢神宮では「個人的なお願い事をしてはいけない」「お賽銭を投げてはいけない」というきまりがあることを知った。

初めて知ったので、衝撃が大きい。

神社と言えばお賽銭をするものだ、という認識があったので、何も疑わずにお賽銭をしていたが、よくよく考えるとお賽銭箱は設置されていなかった。

なるほど、と思い、今年は正宮ではお賽銭をせず、神様に感謝の気持ちを心の中で告げた。


とはいうものの、明確に「個人的なお願いをしてはダメ」というわけではないようだ。


個人的なお願いをしていいところももちろんあり、内宮の敷地内にある「荒祭宮」を参拝し、個人的なお願いごとをした。


今一度伊勢神宮について調べてみて、お参りにもいろいろルールがあるのだな、と勉強になった。

しかし、「方参り」という形になってしまっているので、罪悪感が少なからずある。

でも、気持ちが大事、と割り切って、感謝の気持ちを持ってお参りをした。




お参りを終えた後は、楽しみにしていたおかげ横丁での食事だ。

まずは、コロナで控えていた、赤福茶屋での食事から。


冬の時期のみ販売されている、赤福ぜんざいをようやく彼と食べることができた。



つきたてのお餅がこんがりと焼かれており、外はパリパリなのに中はとっても柔らかい。

甘すぎないぜんざいと相まって、2人ともおいしい、おいしいと舌鼓を打った。

お土産とは違い、できたてのものが食べられること、そして旅行先の赤福茶屋で食べている、ということも、おいしさをかき立てる要素の一つだったのかもしれない。


赤福ぜんざいに大満足したわたしたちは、次は新規オープンした「みっふぃーのおやつ堂」に足を運んだ。

最近わたしはミッフィーにお熱である

以前、京都に旅行に行ったときに、嵐山の同店舗を訪れたことがあるのだが、平日にも関わらず店内は多くの観光客でごったがえしていた。

その印象が強く、新規店舗ということで混んでいると身構えていたが、意外にも店舗は余裕のあるつくりとなっており、ゆっくりと見ることができた。



次は、Instagramで見た、求肥に包まれたジェラートのお店に行った。

ここも比較的新しい店舗で、Instagramに掲載されていたので、観光客であふれているかと思いきや、時間帯も相まって比較的空いていて安心する。

目の前で求肥に包まれていくジェラートが、とてもかわいかった。

刺さってるのは干し芋🍠

二階席に座り、2人でそれぞれのジェラートをつつく。

高級な雪見だいふく、というような表現だとイメージしやすいだろうか。

食べ応えがあり、ジェラートもとてもおいしかった。


店を出ようとすると、外は長蛇の列となっており、「タイミングが良かったね」と彼と笑い合った。




さて、ここまで来て「いつお昼ご飯を食べたのだろう?」と疑問を持つ方もいらっしゃると思う。


何を隠そう、店の配置的にどうしてもおやつからになってしまったのである。

2件続けて甘味をいただいたわたしたちは、しょっぱいものを求めるモンスターになり果ててしまった。


道中で見つけた、松坂牛のローストビーフ串に舌鼓を打ち、毎年恒例の「豚捨」のコロッケとメンチカツを買いに向かう。


途中、宝石店の石みくじに惹かれ、寄り道をした。

おみくじの結果はあまり良いものではなかったが、これも神様から「慢心するな」という忠告なのだろう、と受け止めることにした。


豚捨のコロッケとメンチカツを無事ゲットした後、以前から気になっていた「おにぎり」ののぼりをじっと見つめる。

彼が「食べていく?」と言ってくれたので、お言葉に甘えて食べることにした。(豚汁もおいしそうだったので、今度は食べようと思う)

おかげ横丁は毎年目移りするものがたくさんあり、食べようと思うけれど食べれていないものがたくさんある。(横丁そばとか)

こうして旅先で、旅先ならではのご飯を食べるものやはり楽しいな、と感じたので、また現地のものを食べていこうと思った。




おにぎりとコロッケたちを食べ終えたわたしたちは、夕方近くになってしまったということもあり、帰路につく。

お守りやミッフィーのグッズ、おみくじなどのお土産をほくほくと抱え、またさまざまなものを食べられた、という満足感もあり、達成感のある旅となった。


体調も安定しないし、検査結果も一向に良くなる兆しはないけれど、無理のない範囲で小旅行ができてとても楽しかった。

生きているうちに、たくさんのことを経験しておきたい。


お布団のなかでじっとしたまま、カビが生えてしまうよりマシだ。


これからどうなるかわからないし、良い方向になるように祈るしかない日々だが、こうして小さな幸せを重ねていくことが大切だと感じた小旅行だった。

悲観的になるよりも、楽しいことしていた方が幸せだしね。


ここ数日、体調が悪いという話で暗いムードになってしまい、心配をかけてしまっていると自覚している。(実際にメッセージもいただいた)

こころはぺしゃんこになりそうだけれど、なんとか元気に生きています。


また進捗があれば書きます。できるだけまた、定期的に。


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