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ツアー中のVESSELが何をもたらしているか
パリのカフェにて
自分にとって現在参加しているダミアン・ジャレ+名和晃平作品「VESSEL」とはどんな存在なんだろうか。ダンサーとして山海塾の作品に匹敵するほど肉体的な酷使があり、なおかつ、アベレージの質を維持するために毎日のルーティンワークを必要とされる作品でもある。
私にとってエモーショナルに動くことをこの作品では不必要なのではないかと感じている、なぜなら、演出家が望むシンメトリーな構造美そ
光が持つ「あわい」に何が潜むのか
サンマロの教会で出会った陰影の美しさ、そして黄色の寒色と暖色の中間のような空間全体を染め上げるステンドグラス。
決して写真では記録できない、そして写真で加工しても、そこに存在した祈りという生きた時間を宿らせることができない。これはあくまでも、舞台芸術に身を置く人間が感じる感性という物差しでの判断であることは付け加えておきたい。
僕ら舞台芸術に関わる人間はそれらのいくつもの人生の中で得た感動や記憶
レンヌ公演が終わり、Saint-Maloへ。
レンヌからサンマロへの移動の車中にて
数年ぶりに長期滞在したレンヌ公演も終了。
感動や美意識を根底から覆すような人や物、そして風景に飢えていたのだと思う。
日本での忙しい創作環境や経営の中、インプットが枯渇してもアウトプットをし続けなければいけない環境に限界を感じている中で今回のツアーに出発できたのはいいタイミングだった。
そんな中、この時間を実りあるものにしたいという焦りから、どこにいても飢
数歩先へ行くために(4)
レンヌ、フランスのホテルにて
これまで自身の創作のテーマとしてきた「”あわい〜根源的場所性」について再度、考えを巡らせている。
なぜ、芸術家とは「何か」と「何か」の間というものの、真意を紐解きたいという衝動に駆り立てるのだろうか。
私の創作において、最も大きな影響を与えたのは2005年から2011年にかけて参加していた山海塾である。主宰の天児さんは今回の新作で初めて、自分が出演をせず、演出のみ
数歩先へ行くために(2)
レンヌ、フランスのホテルにて
2週間分の考えを一度、書き出して整理をしたいと思うので分けて書いている。
「VESSEL」のツアーもブリュッセル、ロンドンと約1ヶ月間が過ぎ、折り返し地点となっている。3日間のオフを利用して、ホテルでいろんな気持ちの整理を行っている。
ブリュッセルにて、自分に問いかけていたのは「日本にいるのか、それとも海外に戻るのか」ということだった。パリから日本に帰国して3年が