マガジンのカバー画像

書評/読書メモ

29
運営しているクリエイター

記事一覧

【読書メモ】「嫌われる勇気」

【読書メモ】「嫌われる勇気」

少し前(今も?)に日本でブームだったというアドラー心理学。そのきっかけとなったと言われている「嫌われる勇気」を読んでみた。

2年ほど前に一度読んだことはあったものの、すっかり忘れていたので、再読。特に気になったことを、備忘録としてメモしておこう。

有名な本なので、レビューを書かれたりYouTubeで上げられている方も多い。そこで見聞きした言葉を拝借するけれども、「アドラー心理学は、心理学ではな

もっとみる
映画’My Fair Lady‘の感想メモ

映画’My Fair Lady‘の感想メモ

ふと、週末にMy Fair Ladyを観ることにした。

先週から始めたスカイプ英会話にて、英国人の先生がMy Fair Ladyの一節を使って練習をすると良いよ、とアドバイスをくれたのがきっかけ。

‘The Rain in Spain falls mainly on the plain’

というフレーズだ。

作中でも、コックニーアクセント(ロンドンの労働者階級の方が使うアクセント)を話す主

もっとみる
【映画感想メモ】The Truth

【映画感想メモ】The Truth

是枝監督の「The Truth」という作品を鑑賞。先日観た「アメリ」がとても良かったので、よし!フランス作品、もっと見てみよう!と思い、フランス映画に詳しそうな知人におすすめいただいたのがこの作品。

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる、映画スターであるフランス在住のファビエンヌのところに、出版のお祝いのため子供を連れてアメリカからやってきた娘夫婦と孫娘。そこから物語は展開。

ひたすら女優であることを最

もっとみる
【映画感想メモ】アメリ

【映画感想メモ】アメリ

とても久しぶりに、映画を観よう!と思い立った。

同僚のフランス人におすすめいただいた作品「アメリ」。

これまで観たことがなかったので、これを機に!と鑑賞。

月並みな言い方になってしまうが、とっても心温まるストーリー展開で、今パンデミックで全世界的にちょっとピリピリとしている印象がある中で、より一層、観て幸せになる作品だなぁと感じました。

冒頭に出てくる、クリームブリュレを割る場面。よくこの

もっとみる
【読書メモ】「Nのために」(湊かなえさん)

【読書メモ】「Nのために」(湊かなえさん)

小説「Nのために」を読んでみた。

高層マンションにて夫婦が殺害されているところから物語が始まる。

その場に居合わせた4名のそれぞれの供述により、事件はあっさりと決着を迎えた、という印象を持つところからストーリーが展開する。

4名それぞれが過去も含め、事件当日のことを独白していく。

誰も、供述の時に嘘は行っていない。

起こった事実の一部分だけを切り取って話しているだけで、こうも都合よく事実

もっとみる
【読書メモ】「ドイツとEU: 理想と現実のギャップ」(池上彰さん)

【読書メモ】「ドイツとEU: 理想と現実のギャップ」(池上彰さん)

池上彰さんの「ドイツとEU: 理想と現実のギャップ」を読んでみた。

断片的に見聞きしたことはあっても、おお!なるほど!と、点が線になるような形で学ぶことの多い一冊でした。歴史は学生時代からとっても苦手だけど、もっと知りたい!と最近思うことが増えてきた。池上さんの本は、私のように基礎知識があやふやな人が読んでもわかるように構成されていて、ほんとにありがたい。これからも読み続けよう。

特に覚えてお

もっとみる
【読書メモ】「アッコちゃんの時代」(林真理子さん)

【読書メモ】「アッコちゃんの時代」(林真理子さん)

林真理子さんの小説「アッコちゃんの時代」を読んでみた。

バブル期に20代前半であった美しい女性、厚子。ニックネームはアッコちゃん。当時、日本で3番目にお金持ちであった地上げ屋である不動産屋社長の愛人となり、その次にはイタリアンレストラン「キャンティ」の御曹司と、妻子を捨てさせて結婚。

不動産屋社長の愛人である時には、500万円ほどする腕時計を買ってもらったり、用意してもらったマンションに住み、

もっとみる
【読書メモ】「アウシュヴィッツのタトゥー係」(ヘザー・モリスさん)

【読書メモ】「アウシュヴィッツのタトゥー係」(ヘザー・モリスさん)

「アウシュビッツのタトゥー係」を読んでみた。

事実をもとに書かれたフィクション小説であるが、概ね事実そのままなのではないかな、という印象。ここまで理由もなく自由が奪われ、生命が脅かされ、そして奪われるという事実が、フィクションではなく史実であることに改めて深く考えさせられた。

第二次世界大戦下で、アウシュビッツに収容された主人公が、いち労働者としての肉体労働ではなく、新たに収容されてくる人々の

もっとみる
【読書メモ】コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存(池上彰さん)

【読書メモ】コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存(池上彰さん)

「コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存」を読んでみた。

少し前から、‘毎月2冊以上、政治、経済、時事に関する本を読む!‘と決めていて。今月、そういえばまだ読んでいない!と思い、Kindleで気になった本を購入。

7月に出版されている本なので、今日時点のデータを調べながら読み比べ。

まだ2ヶ月ほどしか経っていないのに、感染者数のデータなどが大きく変わっていて改めて感染症の脅威を感じた。

もっとみる
【読書メモ】私の男(桜庭一樹さん)

【読書メモ】私の男(桜庭一樹さん)

「私の男」を読んでみた。

ここ数年読んだ本の中で、最もねっとりとしていた。個人的に「ねっとり大賞」を差し上げたいくらいだ。

ドロドロとか、愛憎劇、とかよりも、ただただ「ねっとり」。

震災で孤児となった少女が親戚の男に引き取られて、養子縁組の上、親子として生活をする。

彼女が社会人になっている場面から物語はスタートし、高校生の頃、中学生の頃、小学生の頃と、どんどん遡って物語が描かれていくため

もっとみる
【読書メモ】絶望の国の幸福な若者たち(古市 憲寿さん)

【読書メモ】絶望の国の幸福な若者たち(古市 憲寿さん)

「絶望の国の幸福な若者たち」を読んだ。

帯にも書かれている通り、「26歳の社会学者による大型論考の誕生!」という部分にとても惹かれて、書籍を購入したのを覚えている。

ただ当時はバタバタしていて読むタイミングがないままで。ようやくつい最近読むことが出来た。「社会学」というものとちゃんと向き合って学んだことはないけれども、著者の視点でバシバシと事象を切り刻んでいくような印象の書籍。「そういう考え方

もっとみる
【読書メモ】ここがヘンだよアメリカ人(芽衣田珠子さん)

【読書メモ】ここがヘンだよアメリカ人(芽衣田珠子さん)

「ここがヘンだよアメリカ人」というエッセイ漫画を読んだ。

著者が高校生の時に、ご家族が駐在の関係でアメリカに来られて、現地の高校生として何が日本と違うか、どういった経験をしたか、というエピソードが漫画で描かれている書籍。

英語を第二言語とする生徒は、まず英語力を測る試験を受けて、その結果に応じてネイティブスピーカーと同じ授業を受けるか、英語を第二言語とする生徒を集めたクラスの授業を受けるか、決

もっとみる
【読書メモ】不機嫌な果実(林真理子さん)

【読書メモ】不機嫌な果実(林真理子さん)

「不機嫌な果実」を読んでみた。

主人公の性格が「ああ、このタイプの方、ほんと苦手だわ、、」と思ってしまうタイプの方で、終始ねっとりと何かが心に重くのしかかる印象で読み進めた。

まず、何かあった時に、基本的に「誰かのせい」「状況のせい」にする考え方の持ち主で、「私ばっかり損をしている」と、被害者意識の塊、といった思考タイプの方。

どうみても、好き放題したいことをして、自分の意思で、選びたいもの

もっとみる
【読書メモ】子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。(はあちゅうさん)

【読書メモ】子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。(はあちゅうさん)

「子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。」を読んだ。

学生で世界一周をされた頃からずっと気になっていた作家さんで、ブログや書籍をいつも読んでいた。ご結婚をされた頃から出産、育児に関して、現在進行形で発信をされていて、おそらくそのほぼ全てを既に読んだことがあるため、この本は「そうそう。こういったことをおっしゃっていたなぁ」と、自分が見聞きしたものがまとめられている感覚で

もっとみる