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日本語を教えるのって、難しいけど楽しい!!!

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記事一覧

授業にスパイスをきかせる 終

学生の集中力が途切れたと感じた時、教室の空気が滞っていると感じた時、自分自身が授業にマンネリを感じた時、そんな時に私がどんな小ネタを披露していたか、それを今回はご紹介したいと思います。

一番簡単なのは、「鉄板ネタ」の引き出しを持っておくことです。私の場合は、母の話でした。少し天然で、それでいて我が道を突っ走る系の、子供の私から見ても愉快な人です。中級レベルくらいからなら、このような鉄板ネタを用意

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授業にスパイスをきかせる②

「学生をひきつける・学生の集中力を保つ」授業とは、どのようなものか。

一言でいうならば、予測させない授業です。

裏を返せば、単調な授業はすぐ飽きてしまうということです。

先生が一人でぼそぼそと話しているだけの授業、プリントとにらめっこをして問題を解くだけの授業、口頭練習だけを永遠に繰り返す授業。

ここまで極端に単調な(一つのことを一コマやり続ける)授業というのは、ないとは思いますが、授業と

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授業にスパイスをきかせる①

国内でも海外でも、大学でも塾でも日本語学校でも、一番担当する可能性の高い授業は、文章を一緒に読み進めながら出てきた文法や単語を導入していくというタイプのものでしょう。そのような授業は、指定の教科書があり、それに沿って進めていきます。

よく使われる教科書は、教師用手引きが別売りされていたり、補助教材が充実しているので、正直な話、授業準備に困ってしまう(授業をどう展開させればいいか、全くアイデアが浮

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出身別、学生の性格など(アジア以外)

前回は、アジアの学生について、個人的に感じたことを書きました。

今回は、アジア以外の学生についてです。

前回同様、これはあくまで私個人の感じ方によるものです。その地域出身の学生がすべて当てはまるわけではないことをご理解ください。

先ずはアメリカの学生。

イメージ通りだと思うのですが、陽気な学生が多く、クラスの雰囲気を盛り上げてくれます。また、文法などの細かいことにはあまりこだわらず(気にせ

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出身別、学生の性格など(アジア編)

これまで、最初の六年間は台湾・中国と中華圏の学生だけを相手にしていました。

その後、日本での六年間で、初の欧米系の学生とも対面しました。

枠にはめることは、あまりよくないと理解しています。

しかし、やはり出身によって、一定の特徴というのが見えてくるような気がします。

一言断っておきますが、これは私個人が感じたことであり、すべての学生がステレオタイプ通りというわけではありません。このような傾

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海外での授業 中国

台湾での一年間の修行を終え、日本で二年間、勉強・研究という名のモラトリアムを満喫しました。しかし、それも終わりを迎えます。

終わりを迎える時点で、デジャブです。大学卒業前と同じく、就活も何もしていないところに、修論の副査をしてくださった先生から、中国行きの話をもらい、即決しました。

赴任先は、中国の東北部、北朝鮮やロシアに近い地でした。

今回は、専任教員ということで、授業だけではなく、会議は

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海外の塾で教える心得

今回は、海外の塾で教える場合の考え方や、技などの紹介です。

私は日本語教師一年目、台湾のとある私立大学が開設している夜の講座を一年間担当しました。その講座は、学びたい人は誰でも学べる、いわば塾のような存在でした。

一応四年間専門で日本語教育を学んだ私は、変に先生の頭になっていて、当初はイメージと違う教室の雰囲気に少し戸惑いました。

塾のような教室は、基本的に日本語に興味があり、日本語が好きな

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海外での生活 台湾

学部卒業を目前に控えたある日、違うゼミの先生経由で台湾で教えてみないかという話をもらいました。

就活も何もしていなかった私は、その話に飛びつきました。

全く中国語は話せない。海外経験ゼロ。極度の人見知り。新しい世界に飛び込むのが大嫌い。

こんな私が後先考えずに台湾行きを決断した当時の心境は、今でも謎です。

台湾で初めてバスに乗った時、目的のバス停がいつ現れるかということを確認するのにも必死

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日本語って、誰にでも教えられるの?

日本人なら誰でも日本語を教えられますか?

「これ、日本語でなんて言うの?」という単語レベルの質問だったら、問題ないでしょう。

では、

「『なら』『たら』『ば』は何が違うの?」という文法レベルの質問はどうでしょう。

私達日本人は、日本語文法の規則や原則などを日常生活では全く考えません。考えなくても、正しい日本語を操ることができます。だから、専門的に学んでいないかぎり、あるいは文法や言葉に興味

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日本語を教えるという仕事

私はこれまで12年間、日本語教師として大学の教壇に立ちました。

国内と海外、6年ずつ。大学の専任教員をトータル10年、数えきれないほどの学生と出会い、教室という空間でともに学びました。

日本語教師というのは、よくも悪くも「なまもの」を扱う仕事なので、大変な事も多かったですが、その分、やりがいはありました。

今後、私なりの授業術、海外での生活、面白ハプニング、日本語教育にまつわる様々なことを書

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