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かわいい娘の話をします

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娘のかわいい日常をお届けします。日めくりカレンダーの絵柄のように、くるくる変わる子どもの世界を、少しでも書き留めておけたら。
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#日記

とろける愛のようなものを3つ【書きかけのような日記】

週末、カフェでおひるごはんを食べていると、まぶたが勝手におりてきた。 ミルクの泡に粗さが残るフラットホワイトは苦みが際立つ。なのに、私の頭をぼやかす眠気は一向に去ろうとしない。コーンチップスを、真っ白なサワークリームの塊につける。湯気がたつチリビーンズものせる。みょーんとのびるチーズと一緒に口に運ぶけれど、あからさまに安っぽいプラスチックを食べてるみたい。 あきらめて目をつぶると、唇に固いモノがふれる。反射的にかみ砕くと、隣の娘がニコニコとコーンチップスを私に差し出してい

誕生日とロックダウン宣言

日本より4時間早い世界線で、Twitterのプロフィール画面に風船が飛んだのを確認してから寝た。 娘のキスの重みで目を覚まし、枕元を探って携帯を手に取る。「お誕生日おめでとう」のメッセージが海の向こうから届いていて、途端にうれしくなる寝起き。 3月23日、36歳の誕生日は眠い目をこすりながら早番の夫を見送り、コーヒーを淹れて、かわらぬ日常がスタートした。 * 誕生日を熱烈に祝ってくれる娘が、数日前に「見ちゃダメよ」と作ってくれたバースデーカードをもらう。 『誕生日に

風邪にふかれて

「子ども 風邪」 その二文字だけで、世の中の親御さんならぶるっときちゃう。 先週、いやそのもっと前から、noterのハネサエ.さんちでインフルエンザが猛威を振るっている。 ドミノ倒しのように被弾するインフルの脅威と、病人を抱えたワンオペの恐怖、発酵臭をはなつ配偶者、一息ついたころに後ろから殴りかかってくるインフル再来に、画面の向こうから(大変だ…ハネサエ.さん……!)と応援のかわりにスキといいねを連打して念を送っていた。 風邪は怖い。インフルはさらに怖い。なんせ、治っ

母の日の前日の娘が、たいそう可愛かった話

『かわいい娘の話をします』というタイトルで、平日毎朝マガジンを更新している。 私の中では、記事のテーマが主に2つあり、ひとつは娘の「かわいい行動と言動の話」で、もう一つは「かわいい娘」に関する話である。 ようは、育児全般と日常の雑多な話なのだ。そして本日は、娘の行動と言動がとにかくかわいかった話です。 読んでいる人は、「何回かわいいって言うんだよ」と思うかもしれないけれど、マガジンのテーマが娘の可愛さを文字で残しておくことなので、どうか生暖かく見守ってほしい。 *

寝る前に、おとぎ話の続きをきかせて

子どもの寝かしつけって、どんなイメージだろう? お布団に横になり、お母さんが子守歌をうたう。子どもは、うつらうつらと静かに目を閉じる。そんな、平和な寝かしつけが世界のどこかにはあるのかもしれない。まあ、うちは違ったけど。 寝かしつけと言われて、最初に思い浮かぶのは、そうだね、「スクワット」だ。娘が、だいぶ小さかったころ。立ち上がるどころか、寝返りもままならなかった赤ちゃん時代。 娘は、すんなりと寝落ちできない不自由な機能を搭載していた。疲れているので、泣く。泣くと、眠る

早起きの娘と寝ぼけまなこな母の攻防

娘の朝は早い(情熱大陸風に)。 なぜなら、子どもだからだ。というか、そういうタイプの子どもだからだ。産まれて数週間もしないうちから、明け方の4時とか5時に泣いて起きるのが習慣化したもんね。 三つ子の魂百まで、かどうかは知らないけれど、5歳のいま目覚まし代わりにお母さんを起こしてくれます。 * ニュージーランドは冬にむかっている真っ最中なので、朝はけっこう冷える。 自由奔放な寝相の娘は、だいたい布団を蹴っ飛ばしていて、早朝5時すぎると「さむい…」といって私の布団にもぐ

きみが笑えば

休日のお昼ご飯は、できることなら手抜きをしたい。 先週の土曜日。スーパーで5ドルで売られていた袋入りラーメン。なんと、日本の大手食品メーカーのもの。信頼の味。子どもも喜ぶ。作るのカンタン。休日のランチに、これほどぴったりなものはないよね。 袋入りラーメンには、気持ちばかりの「具」が入っている。ちいさな「なると」と乾燥したネギだ。 ちょっと料理した感をだそうと、目玉焼きをつくってラーメンの上にのせ、食卓に運ぶ。 「娘ちゃん、麺だいすき!」 休日だというのに午前中ずっと

愛しきラッキーな日とスペシャルデイ

完璧ないちにち、というものがある。 たとえば、子ども時代の記憶の中の夏休み。 まだ涼しい時間に目が覚めて、宿題を片付けたのち友達と連れ立って市営プールへ自転車を飛ばす。だんだんと暑くなる夏の光をめいいっぱい浴びて、プールで遊んだあとはアイスを食べて小休憩。 ペコペコのお腹で家に帰ったら、夏らしい冷やし中華がお昼ごはん。クーラーの効いた部屋で昼寝して、目覚めたらゆでたてのトウモロコシをかじる。 陽が長い夏の日、午後はまだまだ遊ぶ時間。近所の友達と狭い小道を夕暮れまで走り

絵本の世界をまるごと信じちゃうお年頃

現実と物語の、はっきりした境目がなかったのっていつごろまでだろう。 少なくとも、我が家の娘は、まだぼんやりとした境界線をいったりきたりしているみたい。 * 『りんごかもしれない』『もうぬげない』でおなじみ、ユニークで素敵な絵本をつくるヨシタケシンスケさんの著書に、『あるかしら書店』という本がある。 全編イラストで描かれているけれど、使われている言葉は、絵本よりもちょっと大きい人向けです。 「こんな本、あるかしら?」と尋ねたら、それにまつわる本が出てくる、ちょっと不思

世界の中心は5歳児なのだと疑わない夜のこと

子どもというのは、自分を中心に世界が回っている考えているようだ。 5歳で小学校に通っているともなれば(NZは、5歳から入学する)、お友達や先生など外との関係性が出てくる。 あの子よりも、背が小さいとか、これがうまくできないとか。だんだんと「万能ではない自分」も発見する。 けれど、小さい娘は何者にもなれると信じて疑わない。 おかあさんは、100%の全力でお世話してくれると思っているし、おとうさんは、四六時中遊んでくれる相手だと決めつけている。 その王様的精神に、手を焼

おとうさんが大好きな娘の話

私の夫は、カフェでシェフとして働いている。 そして娘は、おとうさんが働いているカフェにいくのが大好きだ。 * 休日、わりとインドア派の娘は、家で遊ぶと主張するときがある。 娘の意向は尊重するけれど、買い物にいかないと夕飯の材料がない、みたいな日は困る。「公園で遊ぼう?」「大きい滑り台あるとこいこう?」と誘って快諾する日もあれば、かたくなに「嫌!」と拒否されるときも。 昨日は、いろいろ買い物があるにもかかわらず、LEGOを手に入れた娘が一歩も外にでないと主張する日だっ