メンバーシップ限定の作品を公開します! あとは、公開されている作品の解説とか、今後の予定の一部先行公開をしようかな。持論の掲載もしたい。 (プランによって投稿・掲載内容ならびに投稿・掲載数が異なることをご留意ください。) 創作活動の応援をしてくれる方、大歓迎です!
月1回の短編小説を限定記事として投稿します。
然有琉 湊(さあり みなと)
何番目が好き?
チッ、チッ、チッ、 錆びた自転車をひくと、 点きかけのコンロの音がする。 それはいつもの君との帰り道 Y字路に着くまで続いてく。 「また明日」の一言で コンロに火が…
シンクへ落ちたスプーンは ちゃぽんと音を立てて底へ消えていった。 油の浮いた水面は少し鈍い音だった。 1度落ちたスプーンは もはや何かを掬うものではなくて 誰かに掬…
君と付き合いたいがために 生まれた嘘1つ。 僕はすごいんだぞって嘘。 1人、2人、3人 その嘘を信じてる人が増えていって とても1つの嘘のもつ重みじゃなくなった。 …
照らせば分かることばかりじゃなくて 暗闇で光るものだってあるのに 照らしたらむしろ消えてしまうのに なんで全部明るみにさらそうとするの? 然有琉 湊(さあり みなと…
蝉時雨の切れ端は幾重にも重なって ひとつの線を描いて ひと夏の思い出に命の重みをのせた。 坊主たちの戦いのサイレンも 心臓の計りの悲痛な音も それを真似た。 ある夏…
「頑張れよ」って意味の大好きな作品の名言が怠惰な僕を突き上げる。 ”痛いよ。” ”その名言。” ”なんだよ。好きなのに僕を不安にさせるのか。” ”まあいいよ。” …
ミ・ソ・ソ・レ 聞こえる? 雪とも違う 雨とも違う まばらなのにどこか規則的で 明るさのもとでは優しくて 暗がりだともっと優しい。 しとっつ。でも ふぁさっ。でもない…
夜20時45分。 いつも僕はこの時間にPCを立ち上げる。 いつも通りの配信告知といつも通りのマイクテスト。
あなたが何かを考えて答えを出そうとしている時点で芸術家であるように思う。 まだ、作品を作ったことがない人は、単に慎重に作品の構想を練っているだけだと思う。 逆に、…
夏休み。 蝉がうるさいなんて情緒は捨てて 今日も遊んでる。 あぢーー 暑すぎね? アイスの棒を加えて君が言う。 それなーー 夏は涼しかったら最高なのによ。 アイスス…
輝く人は宝石を持っている。 それは、原石を磨けば、みんな宝石みたいに輝けるというような気休めではなくて、 宝石がもつ、鋭さと丸みが見えるという意味。 ダイヤモン…
横断歩道を自転車が横切る。 吐く息で冬の寒さを口に纏って 赤いアウターの人が横切る。 買い出しだろうか。 荷物かごから 牛乳パックの頭やら野菜の葉っぱがはみ出して…
その映画の主人公は 愛ゆえに愛する者と引き換えに世界を犠牲にした。 そんな映画を見ている僕らも犠牲にしたんだろうか。 じゃあ この世界を作った何者かは 愛する者がい…
君に雪の結晶のイアリングをあげた。 春が来る前にそれは溶けた。 然有琉 湊(さあり みなと)
雨を受け流して自転車を曳いた。 境内をひたすらに、 階段の下に自転車は置き去って 何度も繰り返した妄想を何度もかみながら 階段を鳴らした。 ここで告白するつもりだ…
今日は向こう側までよく見える。 電車の最後尾、車掌室前。 誰もいないから、先頭の窓の向こうまでよく見える。 昨日までの満員が嘘みたいだ。 車掌は襟を正して頭を下…
2024年5月10日 20:00
チッ、チッ、チッ、錆びた自転車をひくと、点きかけのコンロの音がする。それはいつもの君との帰り道Y字路に着くまで続いてく。「また明日」の一言でコンロに火がついて蒸気機関のように回りだす。ああ、今日も言えなかったって明日は言おうってデートに誘おうって君を好きだってそんな言葉で加速する。少し背伸びしないと言えない気がして立ち漕ぎで帰り道を通り抜けた。然有琉 湊(さ
2024年5月3日 20:00
シンクへ落ちたスプーンはちゃぽんと音を立てて底へ消えていった。油の浮いた水面は少し鈍い音だった。1度落ちたスプーンはもはや何かを掬うものではなくて誰かに掬われるのを待つものだった。水と油に守られて波立つ流れに揺られても錆びることはなくあの時のままでずっとずっとあのままでいつか錆びて消えることだけを怯えて眠っている。然有琉 湊(さあり みなと)
2024年4月26日 20:00
君と付き合いたいがために生まれた嘘1つ。僕はすごいんだぞって嘘。1人、2人、3人その嘘を信じてる人が増えていってとても1つの嘘のもつ重みじゃなくなった。君と付き合いたいがために使った眠りの魔法1つ。本当の僕を起こしてくれる誰かを待ってる。然有琉 湊(さあり みなと)
2024年4月19日 20:00
照らせば分かることばかりじゃなくて暗闇で光るものだってあるのに照らしたらむしろ消えてしまうのになんで全部明るみにさらそうとするの?然有琉 湊(さあり みなと)
2024年4月5日 20:00
蝉時雨の切れ端は幾重にも重なってひとつの線を描いてひと夏の思い出に命の重みをのせた。坊主たちの戦いのサイレンも心臓の計りの悲痛な音もそれを真似た。ある夏の日のことだった。君と僕の話もそうだった。然有琉 湊(さあり みなと)<あととがきー<忘れられないあの日は夏らしい日だった。
2024年3月29日 20:00
「頑張れよ」って意味の大好きな作品の名言が怠惰な僕を突き上げる。”痛いよ。””その名言。””なんだよ。好きなのに僕を不安にさせるのか。””まあいいよ。””逃げた先で刺されるとは思わなかったけど、””まあいいよ。”どうでもよくなって横になった。時計の針とともに心に空気が入った。膨れ上がって出来た空白を埋めるように甘いものを頬張った。”痛いなあ””こんなことして
2024年3月22日 20:00
ミ・ソ・ソ・レ聞こえる?雪とも違う雨とも違うまばらなのにどこか規則的で明るさのもとでは優しくて暗がりだともっと優しい。しとっつ。でもふぁさっ。でもない。ミソ、、レ。ミソ、、レ。優しい音色。だけど冷たい音色。然有琉 湊(さあり みなと)<あととがきー<Q. ミソソレってなあーんだ。こたえ↓ミソ〃レミゾレA. 霙(読み返してみて)
2024年3月20日 10:08
夜20時45分。いつも僕はこの時間にPCを立ち上げる。いつも通りの配信告知といつも通りのマイクテスト。
2024年3月16日 20:00
あなたが何かを考えて答えを出そうとしている時点で芸術家であるように思う。まだ、作品を作ったことがない人は、単に慎重に作品の構想を練っているだけだと思う。逆に、作品を作り続けている人は、思考の過程に創作があったり、答えをだしたと思う頻度が多いだけだと思う。答えを出そうとするその「時点」で芸術家であると思う。私というパラレルワールドでは、あなたは芸術家であると思う。御あいにくなことで、
2024年3月9日 20:00
夏休み。蝉がうるさいなんて情緒は捨てて今日も遊んでる。あぢーー暑すぎね?アイスの棒を加えて君が言う。それなーー夏は涼しかったら最高なのによ。アイススプーンで僕は言う。だったらよ。涼しくしようぜ。え?夜あそべば涼しいじゃんか。え、お前天才?!ありーーーー!って言っても何するの?そりゃ、夏の夜は花火だろ。天才のダチいて幸せだわ。夏の夜の花火。集
2024年3月8日 20:00
輝く人は宝石を持っている。それは、原石を磨けば、みんな宝石みたいに輝けるというような気休めではなくて、宝石がもつ、鋭さと丸みが見えるという意味。ダイヤモンドは、形がギラついて中の光は丸いままオパールは、形は丸いけど中の光がギラついてるエゴを通して出る杭になればいい。荒波にもまれて角が取れてもいい。大事なのは、あなたの輝き方だから。そんな緩急付きの輝きを持
2024年3月2日 20:00
横断歩道を自転車が横切る。吐く息で冬の寒さを口に纏って赤いアウターの人が横切る。買い出しだろうか。荷物かごから牛乳パックの頭やら野菜の葉っぱがはみ出している。通してくれてありがとうって片手で合図をくれた。24日 p.m.8:18然有琉 みなと(さあり みなと)<あととがきー<ソリとトナカイは自転車で代用できる。だれへのプレゼントだろ。
2024年3月1日 20:00
その映画の主人公は愛ゆえに愛する者と引き換えに世界を犠牲にした。そんな映画を見ている僕らも犠牲にしたんだろうか。じゃあこの世界を作った何者かは愛する者がいたのかな。孤独な心を癒してくれる誰かがいたのかな。生きる理由があったのかな。愛ゆえにこの世界に終わりがあるならまあいいか。映画の帰り道3番線の黄色い線の外側で僕はまばゆい光を見て考える。あと少し愛が見たいからと
2024年2月24日 20:00
君に雪の結晶のイアリングをあげた。春が来る前にそれは溶けた。然有琉 湊(さあり みなと)
2024年2月23日 20:00
雨を受け流して自転車を曳いた。境内をひたすらに、階段の下に自転車は置き去って何度も繰り返した妄想を何度もかみながら階段を鳴らした。ここで告白するつもりだったんだよななんて考えながら社を見渡して今更雨を避けるように屋根下に入った。さっきおじさんにもらったカステラを食べながら少し考えて腕をまくって階段を駆け下りた。「おじさん、手伝うことある?」カスタードの黄色い甘さが青
2024年2月17日 20:00
今日は向こう側までよく見える。電車の最後尾、車掌室前。誰もいないから、先頭の窓の向こうまでよく見える。昨日までの満員が嘘みたいだ。車掌は襟を正して頭を下げた。そしていつも通り、最後尾から先頭まで不正乗車を見て回った。まだこっちに来ちゃいけないって伝えるために、日付:1945年8月16日然有琉 湊(さあり みなと)