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『ラピタ』。東日本大震災をきっかけに開発された、洗練された防災備蓄リュック。

こんにちは、翼祈(たすき)です。
能登半島地震から、2ヵ月が経ちました。断水は時間がかかっていますが、少しずつ回復しています。断水が解消された時、被災者の方は「蛇口のひねり方を忘れた」とこぼすほど、長い時間が経っていました。

能登半島地震の影響で断水が続く石川県輪島市久手川町に住む、蒔絵師の男性Aさんが、2024年2月から、山から引いた水を使い洗濯機を無料で開放し、地域住民が衣服などを洗濯をしています。

また、能登半島地震で創刊以来初めて休刊した情報誌[能登]の編集長の男性Bさんは苦難な状況下でも、「変わり果てた能登を記録し、伝える」と、2024年4月の新刊発行に向けて準備を推し進めています。

住み慣れた能登地方を離れた、4市町の2024年1月の転出者が、トータル397人に上り、2023年1月(計93人)の4.27倍に上って、それぞれが別の人生を歩みながら、自分の役割を果たそうと必死で踏ん張っておられます。

この記事では能登半島地震ではなく、東日本大震災のきっかけに開発された、『ラピタ』という防災備蓄リュックを紹介したいと思います。

『ラピタ』が産声をあげた日

画像引用・参考:LAPITA

東日本大震災が発生した直後に宮城県でボランティアとして手伝い、現在は三重県四日市市にある防災用品メーカー『ラピタ』の会長兼CEOである沢直樹さんは「災害発生時でもすぐ使用できる様に、ライフスタイルでも使用できるアイテムを提供したい」と、デザイン性以外にも、機能性にもこだわったアイテムの開発を続けています。アイテム開発の原動力は沢さんが13年前に被災者から聞いた現地の声にありました。

四日市市出身の沢さんは東日本大震災が発生した直後、当時勤務していた建設資材販売会社の営業担当で、宮城県にきました。がれきが散乱する街に強い衝撃を受けたと同時に「自分も被災地のために、何かお手伝いがしたい」と考えました。

休日は津波被害が激しかった宮城県名取市で、避難所の運営やがれきの片付けなどをボランティアとして活動しました。「非常用袋は大して実用的ではなく、いざという時に使えなかった」「防災グッズが家のどこに置いたか分からなくなって、避難時に持ってこれなかった」。被災した方たちがそう口にするのを聞いて、「もっと普段から取り入れやすい防災グッズの開発が必要だ」と思いました。

『ラピタ』を起業しようと考えたのは、避難者の一人から「一瞬で人生が変わってしまう。悔いのない様に生きた方がいい」と話を聞いたことがきっかけでした。沢さんは地元の四日市市に戻り、2012年に『ラピタ』を立ち上げました。

『ラピタ』が防災グッズの開発で重要視したポイントは、ライフスタイルに溶け込むような洗練されたデザインにすることでした。

これまでの防災用品は、普段は倉庫や押し入れに置いてしまうことが多かったといいます。それでは、どこに置いたか覚えていなかったり、緊急時速やかに取り出せなかったりします。沢さんは、「リビングや玄関に置いても、違和感を感じない防災用品だと、いつもそばに置いて頂けます」と説明します。

白色をベースにしたシンプルな防災備蓄リュックは、日本デザイン振興会よりグッドデザイン賞に選出され、受賞しました。

近年、注目される「フェーズフリー」という、「日常」と「非日常」というフェーズ(場面)を分離せずに「毎日の生活から使用できて、災害発生時も役に立つ」というサービスやアイテムを指す考え方にも適して違ます。

参考:「家のどこにある?」「実用的でない」に対応、日常に溶け込む防災リュック…最低3日は暮らせる「中身」 読売新聞(2024年)

防災備蓄リュックの中身には徹底してこだわり抜いています。保存水、非常食、ランタン、懐中電灯などライフラインが止まった場合でも、最低3日間は生活できるものがつめています。「避難所で生活する際に役立つのがランタンという商品です。心を休める役目も担います」。

ペットと一緒に避難生活をする人が増え、ペットを運ぶ防災キャリーケースも開発しました。「避難所で飼い主が他の避難者に迷惑とならない様に、考えて開発しました」と述べます。

『ラピタ』のアイテムは現在、およそ1000種類に上ります。2024年1月の能登半島地震が発生した後には、通販サイトに防災備蓄リュックの注文が殺到しました。沢さんは「人は災害を経験する度に、備えの重要さに気付くことができます。でも、それでは遅い場合もあります。日々の準備が大事です」と語りました。

1つの選択肢

私は会社のサイトに下記の様な記事を書きました。↓

その記事を書いて、この『ラピタ』の記事を書いて思ったのが、確かに何を揃えていいのか分からないというところはありました。

正直どこから手をつけて良いのか分からないというのが、正しい答えでしょう。

「自分で1から揃えるしかないか」と思っていた時に、この『ラピタ』の記事を読んで、「これなら防災備蓄の初心者でも、入門書として手に取りやすいかもしれない」と思いました。

金額も自分で1から揃えるより、安く済むのではないか?とも思いました。

この『ラピタ』を立ち上げたCEOの男性は、自分が実際に東日本大震災の現場で働き、その現地の声を聞いたからこそ、この素晴らしいアイテムが開発された。生の声を聞かなければ、開発されなかったかもしれなかったかもしれないと思うと、本当に巡り合わせで誕生した、この『ラピタ』というアイテムなんだなと思いました。


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