橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者

キャリアコンサルタント。10代で初めてコラムを書き、労動法やキャリアをめぐる寄稿多数。…

橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者

キャリアコンサルタント。10代で初めてコラムを書き、労動法やキャリアをめぐる寄稿多数。現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの観点から問う。修士(文学)。著書『男はスカートをはいてはいけないのか?』

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なぜ男性だけスーツを着なければならないのか?

なぜ、多くのビジネスシーンにおいて、男性だけスーツを着なければならないのか? これは私が子どもの頃からずっと抱えてきた疑問です。 毎朝の満員電車の中は、季節を問わず画一的なデザインや色彩のスーツ姿の男性ばかりでぎっしり。 一方、女性たちに目を移すと、夏は涼しげに軽快に、冬は暖かく体を包み込むように、四季に応じた個性豊かなドレスコード。 こんな光景は見慣れた日常。そう思う人は多いでしょうが、ふと立ち止まって考えてみると、おかしくはありませんか? 昭和の時代には、スーツ

    • 電車で隣に座ってくる男はキモいのか?

      最近、電車で隣に座ってくる男はキモいというテーマで、SNSが炎上したそです。 男性の意見と女性の意見とで、真っ向から対立しているようですね。 多くの男性の意見。 「自由席だからどの席に座わるかはそもそも自由」 「いろいろと意見をいうのなら、指定席を取ったらいい」 「男性だからという括りで論じるのは、そもそも属性差別」 「女性だけ配慮してもらえると思う方が不思議」 「投稿した女性の撮影した画像自体がある意味盗撮では?」 対する女性の意見。 「空席あるのにわざわざ隣に

      • “性差”の考え方と人間関係のあり方。

        多様性の時代の中で、ジェンダーにとらわれずに自由に生きることが推奨される時代。 年金や税金の仕組み、労働をとりまくルールにとどまらず、私たちの生活をめぐっては、少なくとも建て前としては男女平等が実現しているといえます。 一方で、生物学的には男と女の2種類を基礎としている事実は変わらず、社会的な仕組みも基本は男女の枠組みで成り立っています。 「男だから~」「女だから~」という古典的なジェンダーロールからの脱却をはかりつつ、男性もしくは女性としての自負や責任をまっとうすると

        • ノンバイナリ―スタイルブック。

          今までありそうで、なかった本。 そんな本って、結構世の中に多いと思います。 週末の書店をぶらぶらしていて、思いがけず「これだ!」と声が出てしまった一冊。 山内尚さんの『ノンバイナリ―スタイルブック』(柏書房)。 まさに、こんな本が欲しかった。もっと早くに出会いたかった。 そう思わされる、典型だと思います。 最近は、ジェンダーに関する本も、まあまあ出ています。 だから、「ノンバイナリ―」について書かれたものも、なくはありません。 でも、学術的に研究したり、時事的に批評

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          出版1周年記念会 in 大阪を開催します。

          春らんまんの週末、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 今年の桜もすっかり満開で、最高の週末になりましたね。 お花見に行けた人も、行けなかった人も、ぜひこの春の陽気からパワーをもらって、明日からも頑張っていきたいですね! 早いもので、初めての書籍を出版させていただいてから、1年になります。 昨年の今ごろは不慣れなことばかりでバタバタの毎日でしたが、本を通じていろいろな方と出会い、ご縁をいただいたことには感謝しかありません。 昨年、東京と大阪で出版記念イベントを開催させてい

          なぜ「ジェンダー」がテーマになるのか?

          最近、ひと昔前と比べても、毎日のように「ジェンダー」にまつわる情報が多いなと感じます。 それはきっと私が興味をもったり発信しているからだけではなくて、現に今の世の中の時流なんだと思います。 なぜ、こんな時代になったのでしょうか? 俗にいわれるように、「女性が強くなった」「人権意識が高まった」「国際的な流れ」などもあるかもしれませんが、もっと根本的な問題があるように思います。 結論からいえば、「ゼロサム型」の分かりやすい原理モデルの時代が、文字どおり終わりを告げたから。

          あえて逆の立場から考えることの大切さ

          ジェンダーについて自分なりにいろいろと発信していると、やはりいろいろな意見をいただくことがあります。 それ自体はとても嬉しいことだし、かかわるお互いにとって有意義なことだと思いますが、ときには誤解と偏見にもとづく意見だったり、かなり一方的で攻撃的なものだったりするときがあります。 私はふだんはわりと冷静な性格なほうだと思いますし、とくに書くという行為の際には十分に表現に気をつけているつもりですが、それでも過剰な意見を一方的に受けると凹むこともありますし、逆に私の言葉によっ

          女の生きづらさ、男の生きづらさは「コインの裏表」

          3月8日は国際女性デーでした。 最近はかなり知名度が高くなってきたと思いますが、女性の人権や生き方を考える日であると同時に、男性の目線からジェンダーに向き合うようなイベントも少し見られ、時代の変化を感じました。 ジェンダーについて、今は本当に多くの発信があり、毎日のように各地でセミナーやイベントがあります。 私もたまに参加しますが、有意義な内容のものも多いし、問題意識の高い方も多いので、毎回のように勉強になります。 ひとりで抱え込んだり、情報にアクセスできなかったり、学び

          女の生きづらさ、男の生きづらさは「コインの裏表」

          女ことば、男ことばの違いと限界。

          同じ日本語でも地域によってさまざまな方言がありますし、年齢やカルチャーによって言葉遣いや語彙選びはかなり幅が出るものですが、その違いは男女においても顕著かもしれません。 今はむかしのように、男性は男ことば、女性は女ことばという教育を受けるわけではありませんし、飛行機の機内アナウンスなどでも「ladies and gentleman」といった呼びかけはなくなりつつありますが、それでも慣例によって、男ことば、女ことばは随所で残されているといえます。 オリンピックなどで優勝した

          人間は見た目だけで男か女か分かりにくい人がいるから、わざわざ服装や髪型を分けるのだと思う。私は性差を超えた自由なファッションが好き。勝手に着ちゃダメと思ってた頃は知らなかったけど、本当にオシャレだし楽しいし奥深い。理屈抜きに新たな世界が芽生える。根拠なく規制する人の気がしれない。

          人間は見た目だけで男か女か分かりにくい人がいるから、わざわざ服装や髪型を分けるのだと思う。私は性差を超えた自由なファッションが好き。勝手に着ちゃダメと思ってた頃は知らなかったけど、本当にオシャレだし楽しいし奥深い。理屈抜きに新たな世界が芽生える。根拠なく規制する人の気がしれない。

          ジェンダーイベントでトイレ問題?

          最近、いろいろなところでトイレが話題になっています。 私自身がジェンダーをめぐるテーマに興味があるからということもありますが、社会的な関心もそのように感じます。 とくに性別について深く考えたり、こだわったりすることがなくても、自由な表現をとりたいと願ったり、あるいは多様なカルチャーを持つ人と一緒に過ごすことだってあると思います。 私たちがふつうに社会生活を送っていて、ジェンダーを意識するのは、おもに何かの手続きや書類などに「男」か「女」かに「○」をつけることが求められるな

          ファッションの自由がもたらすメリット

          これだけ男女平等という世の中でも、実際には男女差別は存在します。 社会的な仕組みや経済活動においても、日本はいまだ男女差別が根強い国です。 あらゆる差別は、目に見える表層と目に見えない意識とが奥底でつながっています。 目に見えるものの代表が、服飾・ファッションです。 私たちは、社会的なシステムの中で活動するとき、必ず男性と女性に分けられ、それぞれそれに見合った服装をすることが求められます。 男女別の服飾は、必ずしもそれ自体が差別を構成しているとは限りませんが、結果と

          生まれ変わったらどちらの性別がよいか?

          生まれ変わったら、男性と女性、どちらの性別がよいか? これは古今東西を問わず、永遠のテーマだと思います。 今の時代、男性と女性とでは、どちらが生きやすいのか? もし、生まれ変われるとしたら、どちらに生まれたいか? 「トインク(TOINK)」(株式会社トイント、京都市伏見区)は、2023年12月にインターネット上でこんな統計調査を実施しました。 「生まれ変わるなら”男性”と”女性”のどちらがいいですか」という質問に対しては、「男性」が53%、「女性」が47%であり、回答は

          麻生副総裁の問題発言に考える。

          自民党の麻生副総裁(元首相)の問題発言が、話題になっています。麻生氏の発言が物議を醸すのはめずらしいことではありませんが、今回の発言は趣旨もタイミングも相当深刻であるため、国際的にも問題視されています。 上川外務大臣のことを評して、「そんなに美しい方とは言わない」とした言葉は、氏の地元福岡での講演という公の檀上での発言であり、必ずしもメディアによる切り取りとか意図的な編集がなされたものとはいい難いでしょう。 後段には、「堂々として英語もきちんと話し、こんな外務大臣は今まで

          自衛官の“髪型自由化”に考える。

          4月から自衛隊が頭髪基準を緩和し、原則自由化とするというニュースがありました。 正確には、男性の丸刈り推奨ルールを廃止であり、完全な自由化ではないようです。 防衛省によると、公立高校などでも髪形のルールを見直す動きが出ている流れを受けて、今までの基準を緩和し、新たなルールを実施するといいます。 その背景には、自衛隊の定員(約24万7000人)が人手不足によって2万人近く不足している深刻な状況があると考えられます。 日本の労働力不足は加速する一方で、自衛隊といえども従来

          商業出版して一番うれしい瞬間☆

          昨年4月に初の商業出版をして、9か月ほどになります。 ちょうど一年前の今ごろは、もう出版に向けて追い込みでバタバタしていたのを思い出します。 やはり月日が経つのは早いものですね。 この本の内容についても、第1章から第5章にわけて、出版直後にご紹介しています。 いろいろなご意見やご感想をいただきましたが、おおむね好意的なお声が多く、応援してくださる方も少なくなかったので、本当に感謝しています。 今回出版社さんからあらためて印税のご連絡をいただき、光栄に思っています。